Gatsby-64

このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。

取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。

ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。

(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)

 

前回まで……宴の主催者であるギャッツビーが集まってきた来客たちのためにある音楽を演奏させたところ、場の空気が何やら色っぽい?あだっぽい?ものに変わっていった?ようです……ところがそんなな中、一人あるじのギャッツビーだけが、周囲のなまめかしい?女子を一人たりとも近寄らせず?、まるで俗世ぞくせ煩悩ぼんのうを断ち切って聖なる修行に没頭ぼっとうする?僧侶そうりょのように?一人静かに過ごす姿が「自分」の目に入った?ようです……これでまたさらにギャッツビーの謎が深まった?……続きをみていきましょう……。

 

原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。

第64回の範囲は、40ページ末尾から4行目から41ページ14行目まで("I beg your pardon." 〜から、join him, I went inside. まで)をみていきます。

まず、今回の考えるヒントを上げます。いつもとは少し趣向を変えて、

  • 「自分」がベイカー嬢の好きなところが描かれている箇所はどこでしょうか?

 

なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。

主に使用する辞書

『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)

『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)

『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)

 

それでは今回の範囲をみていきましょう。

① “I beg your pardon."

「『私は……頼む・懇願する……あなた様の……許しを……』」

この I は誰を指しているのか?――実は、②にその答えがあります……そして、your は誰を指しているのか?――その答えも、②以降にあります……。

前回の最後に、ギャッツビーが周囲にまず?一人浮いて?静かに過ごしている?様子を「自分」がじっと観察している?ようでした……そうやって「自分」が遠くの?大理石の階段の上に?立っている?らしいギャッツビーの観察に余念よねんがなかった?ところへ、どうやら誰かが、声をかけた?ようです……流れからすると?声をかけられたのは「自分」?でしょうか?……まあ、「自分」でないにしても、とにかくこの①の言葉で、ギャッツビーの観察に集中していた?「自分」の意識が、中断した?ような?感じになった?のではないでしょうか?……さて、誰が、邪魔をする非礼をびるこの言葉を、誰に対して、言ったのでしょうか?……。

 

② Gatsby’s butler was suddenly standing beside us.

「ギャッツビーの……使用人頭しようにんがしらが……ある状態だった……突然・いきなり……立っている……あるもののそばに・近くに……それは、「自分」とベイカー嬢だ……」

us は、第62回でずっと話をしていた?らしい、「自分」とベイカー嬢の二人を指すのではないでしょうか?……第63回では、音楽の演奏があったりしたので、「自分」とベイカー嬢の間に会話がなかった?だけで、二人はずっとそのまま一緒にいた?のではないでしょうか?……。

①で声をかけたのは、どうやらギャッツビーの使用人頭?のようです……「自分」はギャッツビーの観察に夢中になっていた?ので、そばに誰かが近寄ってきたことに気づいていなかった?のかもしれません……だから、suddenly と感じられた?のかもしれません……ギャッツビーの使用人頭が、「自分」とベイカー嬢に邪魔をする非礼を詫びて声をかけた?ようです……さて、何の用なのでしょうか?……。

 

③ “Miss Baker?" he inquired. “I beg your pardon, but Mr. Gatsby would like to speak to you alone."

「『ベイカー嬢ですか?……』ギャッツビーの使用人頭が……尋ねた・問うた……『私は……頼む・懇願する……あなた様の……許しを……そうやって許しを頼む・懇願するのであれば、そのまま邪魔せず引き下がるのがすじかと思われるところだが、実際には引き下がらず、伝えることがあって……それは、ギャッツビー氏が……あることをしたいと思っている……それは、話すことだ……誰にかというと、あなた様だ……ひとりで・単独で……』」

he は、②で出てきた Mr. Gatsby’s butler を指すのではないでしょうか?

I は、he の話している言葉なので、ギャッツビーの使用人頭を指すのではないでしょうか?

your(you)は(どちらも)、最初に名前で呼びかけた相手である、Miss Baker を指すのではないでしょうか?

①で声をかけてきた?らしいギャッツビーの使用人頭が用があったのは、どうやらベイカー嬢?のようです……ギャッツビーの使用人頭は、自らが声をかけた相手が間違いなくベイカー嬢かどうか尋ねてから?再度、邪魔をする非礼を詫びる言葉を繰り返し?その上で、要件を伝えている?ようです……ギャッツビーがベイカー嬢ひとりだけに話したいと思っている?と……だから?来てもらえないか?ということではないでしょうか?……つまり、この宴の主であるギャッツビーが、先ほどまで話をしていた?はずの「自分」ではなく、その「自分」の隣りでおとなしく?黙って?話を聞いていた?らしいベイカー嬢の方に、用がある?と……それも、「自分」には一緒に来てもらいたくない?ようではないでしょうか?……わざわざベイカー嬢ひとりだけに話をしたい?と使用人頭に伝えさせている?ようです……わざわざ何でしょう?……他に?周りに?人がいては?さわりのある?話がベイカー嬢にある?というんのでしょうか?……そりゃあ、前からの知り合いなら?そういうこともあるかもしれない?……だけど、ベイカー嬢の方はギャッツビーのことを良くは思っていない?ようでしたし、それになんだか、こういう伝え方をされると、話があると言われた方も、どうして他に人がいちゃいけないのだろうか、と疑問が湧いたり?しないでしょうか?……取りようによっては?なんだか気持ち悪いような?……いったい何の話?何の用?……みたいな?……こっちには別に何も話すことなんてないけど……みたいな?……しかも、ベイカー嬢はギャッツビーのことを嘘つきだと思っている?ようでしたから、そんな嘘つきだと思っている人と一対一で向き合って話をするのは普通は気が進まない?のではないでしょうか?……こういうところも?なんだか気を持たせる?……またもったいつけて?なんだって言うの?……みたいな?……さっき「自分」も含めて一緒にいたときには全然そんな素振そぶりも見せなかったじゃない……みたいな?……で、ベイカー嬢(や「自分」も)?と一緒に、読者もそんな作者のおもつぼにはまってしまう?……どういうことよ?さっさと教えてよ……みたいな?……なんだかギャッツビーのやることなすこと何もかもが?一々芝居がかってる?というか人の気持ちをやたら翻弄ほんろうする?というかお騒がせな?場合によっては迷惑な?めんどくさい?ところもあったりする?でしょうか?……でも、ギャッツビーってのは、こういう劇場型?タイプ?みたいな感じ?なのでしょうか?……現実には遠慮したいけど?物語にはうってつけ?かもしれない?……神?かと思わせて?、俗な音楽を演奏させながら自らは一人清く正しく静かに過ごしていたかと思ったら?、今度は意外な人を呼びつける?……基本スタンスは?あくまでもおもてなしに徹しているようでいて?常に主導権をにぎってゆずらず?周りを振り回している?ようでもあるような?……本物の神様ならこんなふうに右往左往うおうさおうさせるでしょうか?……やっぱり?エセ神様?って感じ?がつきまとう?……だから?うさんくさい?信用できない?油断がならない?みたいに思われてしまう?……さて、話がしたいと言われたベイカー嬢、どう反応するのでしょうか?……。

 

④ “With me?" she exclaimed in surprise.

「『ある人と?……それは、私(ベイカー嬢)だ……』と、ベイカー嬢が……叫んだ・声をあげた……ある状態で……それは、驚き・びっくり・驚愕きょうがく・予期しない・思いがけないものだ……」

With me? の前には、Mr. Gatsby would like to speak が省略されているのではないでしょうか?……③では speak to となっていたようですが、④でベイカー嬢は、To me? ではなく、With me? と聞き返している?ようです……③ではギャッツビーが一方的にベイカー嬢に話すことがある?という意味で (speak) to が使われている?ようですが、④ではギャッツビーが一方的にベイカー嬢に話すわけではなく、ベイカー嬢もギャッツビーと同じ立場に立ってベイカー嬢からギャッツビーにも話をする?という意味合いになる with が使われている?ようです……。

me は、③で話がしたいと言われた相手であるベイカー嬢が自らを指して言っているのではないでしょうか?

she は、③で話しかけられた Miss Baker を指しているのではないでしょうか?

③でギャッツビーがベイカー嬢ひとりだけに話をしたいと思っていると聞かされて、ベイカー嬢は驚いた?ようです……で、思わず?声をあげて?聞き返した?ようです……本当にベイカー嬢と話をしたいと言っているのか?と……そりゃそう?でしょうか?……だって、第60回や第61回をみる限りでは、ギャッツビーがベイカー嬢に特に用があるような印象はまったく受けていない?のではないでしょうか?……それこそ、寝耳ねみみみず?って感じ?ではないでしょうか?……だから、何かの間違いじゃなくて?……他の人じゃなくて?……みたいな疑問が浮かんだとしても不思議はない?でしょうか?……そんなこと突然言われて、ベイカー嬢はいったいどんな気持ちだったでしょうねえ……複雑?気持ち悪い?疑心暗鬼ぎしんあんき何事なにごとかしら?不安?……思い当たるふしはないのだけど……みたいな?……だけど?この程度のことで動じたりはしない?……ベイカー嬢なら?……平然と?受けて立つ?……まあ、別に決闘けっとうとかでもないでしょうけど、だけど何か落ち着かない?のは間違いない?のではないでしょうか?……気持ちの上で、かまえてしまったり?しないでしょうか?……それともベイカー嬢なら?どんな不意打ふいうちをらおうと?余裕しゃくしゃくで?軽くあしらって?受け流して?おしまい?……だとしたら、やっぱり?かっこいいですねえ……もう、男前おとこまえ?と言ってもいいくらい?じゃないですか?……いやいや、さてそれは先を読まなければわからない?……そうですね……では、続きを……。

 

⑤ “Yes, madame."

「『そうです……お嬢様……』」

④でベイカー嬢から聞き返されたギャッツビーの使用人頭が答えている?ようです……ギャッツビーが話をしたいのはベイカー嬢で間違いない?と……さて、間違いなく?ギャッツビーはベイカー嬢に話したいことがあるので?ベイカー嬢にギャッツビーのところまで来てほしい?と呼びつけた?ようです……これに対して、ベイカー嬢はど対応するのでしょうか?……。

 

⑥ She got up slowly, raising her eyebrows at me in astonishment, and followed the butler toward the house.

「ベイカー嬢は……腰を上げた……ゆっくりと……あるものを上げながら……それは、ベイカー嬢の……両まゆだ……誰に向かってかというと、「自分」だ……どんな状態でかというと、驚愕・びっくりしたものだ……その後……ついて行った……ギャッツビーの使用人頭に……どちらの方に向かってかというと、ギャッツビーの邸宅だ……」

She (her) は(どちらも)、⑤でギャッツビーの使用人頭の返事を聞いた、ベイカー嬢を指すのではないでしょうか?

raising her eyebrows は、眉を上げるという仕草は驚いた気持ちを表すようです。

astonishment は、surprise(=a feeling of mild astonishment or shock caused by something unexpected 予期しない何かがきっかけで生じる、程度の軽い驚きあるいは衝撃の感情)よりも強い驚きを表すようです。

the butler は、②で出てきた、Gatsby’s butler を指すのではないでしょうか?

the house は、今ギャッツビーの邸宅の庭にいる?はずなので、ギャッツビーの邸宅の建物を指しているのではないでしょうか?

⑤でギャッツビーの使用人頭が、ギャッツビーが話をしたいのはベイカー嬢で間違いない?と答えたらしいのを受けて、ベイカー嬢はその要求?に応えることにした?ようです……おそらく座った状態から?ゆっくりと腰を上げて?、で、ギャッツビーの使用人頭について行った?ようです……そのとき、「自分」に向かって、びっくりした様子で両眉を上げた?ようです……ということは?ベイカー嬢にはギャッツビーから何か話を聞かされるおぼえなどない?ということ?なのでは?ないでしょうか?……いったい何の話があるというのか?……とんと見当もつかない?というのがベイカー嬢の本音?なのでは?ないでしょうか?……でも、それでもどうやら?素直に要求に応じる?ようです……ギャッツビーに会いに行くために?ギャッツビーが寄越よこした?使用人頭について邸宅に向かって行った?ようです……なんでしょうねえ……大邸宅の主なら?これほどすごい宴を催すほどなら?自ら動くのではなく?使用人に呼びに行かせるのが普通?なのかもしれませんが、でも何か?違和感もないですか?……だって、さっきまでギャッツビー自ら「自分」やベイカー嬢に混じって宴に加わって?いたじゃないですか?……あるじだと伝えもせず?同じ目線で?同じ仲間?みたいな顔して?シラッと?同じテーブルで話していた?じゃないですか?……それが今度は自らは姿を隠したまま?えらそうに?使用人を寄越して?呼びつけて?自身が待つ?邸宅の一室?まで来させる?……何かこう?釈然しゃくぜんとしない?ような?……こういうところも?ギャッツビーに対して?何かモヤモヤとしたものが?つきまとう?……やっぱり?なんだかよくわからないけど?言葉で説明できないんだけど?終始しゅうしギャッツビーのペースで振り回される感?みたいなものが?ギャッツビーに対するネガティブな感情に?ひいては不信感?みたいなものにまで?つながっていく?でしょうか?……ここでも?エセ神様?感?……前々から知っていて?しかもギャッツビーが嘘つきだとまで思っているベイカー嬢にしてみたら、今度はなんだってのよ、みたいな?思いも?あったかも?しれない?……だけど、振り回されても?呼びつけられても?素直に応じておく?ようです……こういうベイカー嬢には都合の良い面もある?宴を開いてくれるから?ありがたい面もあるから?でしょうか?……まあ、嘘つきだと思っているし、不信感と警戒心でいっぱい?だけど、それでも表向きは?建前たてまえだけは?それなりに合わせておく?失礼のない対応を取っておく?のでしょうか?……さて、①で声をかけられてギャッツビーの観察を中断し?③④⑤とギャッツビーの使用人頭とベイカー嬢のやり取りを聞いていた?であろう「自分」の方は、どんなことを思い?考えて?いたでしょうねえ……ギャッツビーとベイカー嬢の間に、何か「自分」には聞かせられない?話でもあるのだろうか?などと疑問に思ったり?しなかったでしょうか?……ベイカー嬢とギャッツビーって何か?そういう特別な関係なのだろうか?とか思わなかったのでしょうか?……あれだけずーっと?この宴の間はベイカー嬢にひっつきもっつき?みたいな状態だった?らしい「自分」から?ギャッツビーがベイカー嬢を引き離す?も同然?のように思われないでしょうか?……それで「自分」は大丈夫?なのでしょうか?……何も思わないのでしょうか?……ずーっと?頼りにし?心の支えにしてきた?らしいベイカー嬢をギャッツビーにうばわれて?「自分」はなんとも思わないのでしょうか?……読者の方々は、どう思われますか?……。

 

⑦ I noticed that she wore her evening-dress, all her dresses, like sports clothes — there was a jauntiness about her movements as if she had first learned to walk upon golf courses on clean, crisp mornings.

「「自分」は……気がついた……何にかというと、ベイカー嬢が……身に着けていた……ベイカー嬢の……夜会服を……すべての……ベイカー嬢の……衣服・服装を……たとえて言えばあるもののように……それは、運動(用の)……衣服・衣類だ――あるものがあった(そこにはあるものがあった)……ある状態だった……それは、快活かいかつな・元気のよい・きびきびした様子だ……あるものに関して……それは、ベイカー嬢の……動き・動作・身振みぶりだ……例えるならまるであることをしたときのようだ……それは、ベイカー嬢が……ある状態だった……最初に……あることができるようになった……それは何かというと、歩くことだ……どこの上をかというと……ゴルフコースだ……いつのことかというと……きれいな・真新まあたらしい……すがすがしい・新鮮しんせんな……午前だ……」

that は、「これから文が続く」ことを表し、noticed の内容を具体的に説明しているのではないでしょうか?

she (her) は(すべて)、⑥と同じく、ベイカー嬢を指すのではないでしょうか?

–(ダッシュ)は、その前に「自分」が言いたかったことを例えを用いて具体的に説明しているのではないでしょうか?

⑥でベイカー嬢が「自分」のところから離れてギャッツビーの使用人頭の後について邸宅の方に向かって行く姿を見て?何か「自分」は思うところ?があったようです……それが、ベイカー嬢がそのとき身に着けていた?夜会服を運動用の衣服・衣類のように身に着けていることだ?と……それも、その夜会服だけじゃなくて?すべてのベイカー嬢の衣服・服装が、運動用の衣服・衣類のように身に着けている?と……それはもっと具体的に例えを用いて言うならどういうことかというと、ベイカー嬢の動き・動作・身振りには快活な・元気のよい・きびきびしたところがあった?と……その様子を例えるなら、ベイカー嬢がきれいな・真新しい、すがすがしい・新鮮な午前に、最初にゴルフコースの上を歩くことができるようになったときのようだ?と……思い出してください……ベイカー嬢はスポーツ競技(ゴルフ)の選手のようでした……それも雑誌に写真がたくさんるくらいすごい有名な?選手のようでした……だからでしょうか?……ベイカー嬢は何を身に着けていても?運動用の衣服や衣類じゃなくても?運動用の衣服・衣類を身に着けているようだ?と「自分」は思った?ようです……そんなふうに思った「自分」の言いたかったことは?ベイカー嬢の動き・動作・身振りには快活な・元気のよい・きびきびしたところがあって?まるで真新しいすがすがしい午前に、ベイカー嬢が最初にゴルフコースの上を歩けるようになったときのようだ?と……要は?ベイカー嬢が何を着ていようとも?その姿に好印象を持った?のではないでしょうか?……そして、「自分」はその姿に心かれていたのではないでしょうか?……ゴルフ競技の選手だから、ベイカー嬢が最初にゴルフコースを回れるようになった時の様子を思い描いて?ベイカー嬢の姿をめている?のではないでしょうか?……一言で言えば?素敵だ?ってことじゃないでしょうか?……それを、「自分」流に?長々と説明している?ようです……「自分」が心惹かれている大好きな?女性だから?何が?どこが?どう?素敵なのか?心惹かれるのか?事細ことこまかに?言葉を尽くして?伝えたい?……そんな思いがこの⑦にはあふれている?ように思われませんか?……やっぱり?ベイカー嬢のかっこいいところ?に惹かれてないですか?……「自分」が頼りにしてついて行きたくなるような?姉御あねご肌を感じさせる?ところに惹かれてないでしょうか?……。

ということで、今回の考えるヒントに上げたお題 「「自分」がベイカー嬢の好きなところが描かれている箇所はどこでしょうか?」 の答えは、この⑦ではないでしょうか?

 

⑧ I was alone and it was almost two.

「「自分」は……ある状態だった……それは、ただひとりだ……そして……時刻は……ある状態だった……それは、ほとんど……二時だ……」

it は、時刻を表すときに使われるものではないでしょうか?

⑥でベイカー嬢が「自分」の元を離れて行ってしまった?ので、「自分」はひとりきりになった?と説明しているようです……で、その状態になったときの時刻が、(午前)二時?だと……たしか第59回(37ページ末尾から3行目あたり)で午前零時頃だと説明されていた?ようなので、その時刻から午前二時頃の間に、ギャッツビーと同席となり話をして?その後ギャッツビーが演奏させた音楽の余興よきょうがあり?ギャッツビーの使用人頭がベイカー嬢を呼びに来た?ようではないでしょうか?……第52回(34ページ7-8行目あたり)で「自分」は七時過ぎ頃?にギャッツビーの邸宅で開かれる宴に出向いて行った?ようでしたから?およそ七時間も?宴に出ずっぱり?ってこと?でしょうか?……長くない?……でもまあ、「自分」としては?最初の数時間?は一人で悶々もんもんと過ごして?ベイカー嬢に会えてしばらくってから?やっと楽しめるようになった?ようでしたから、実際に本当に楽しんだ時間は正味しょうみ三時間程度?といったところ?でしょうか?……それなら、まあそんなもの?……だけど、元気ですねえ……すごいですねえ……若いんだし?平気?……いやあ、だけど、ねえ……それにしても、この宴、いったい何時になったら終わるのでしょうか?……夜明けまで?でもありそうな?……それって?一晩中?ってこと?……でもまあ、飲んで騒いでると時間の感覚がなくなる?麻痺まひする?のかもしれません……そしてもしかしたら?ベイカー嬢が一緒にいてくれた間は時間の経過などまったく気にならなかった?けど、一人になった途端とたんに?「自分」は時間のことが気になりだした?……また心細い?……早く戻ってこないかなあ?……いったい何の話なんだろう?……またもや?一人じゃ何も勝手かってが分からず?戸惑とまどうばかりに逆戻り?……早く戻ってきてくれないかなあ?……と?もしかしたら?邸宅の入り口?玄関?辺りばかりを?見ていた?かもしれない?……ベイカー嬢の姿を求めて?……今にも現れるんじゃないか?と……今か今かと?待ちがれて?……「自分」はベイカー嬢がいなければ何もできない?まるで子ども?同然?にも思えませんか?……もしかしたら?完全に?ベイカー嬢のペースにハマり?何もかも?ベイカー嬢に心を奪われている?かもしれない?……いやいや、そこまでは大げさすぎる?どうだろう?……う〜〜〜〜ん……どうなんでしょう?……読者の方々はどう思われますか?……。

 

⑨ For some time confused and intriguing sounds had issued from a long, many-windowed room which overhung the terrace.

「ある時間の間……それは、いくらかの・少しの・多少の……時間だ……混乱した・見分けがつかない・ごっちゃになった……なおかつ・同時に……興味をそそる・おもしろい……いろいろな音・音声・声が……ある状態だった……それは、出ていた・発していた……どこからかというと……一つの……長い……多くの…窓のある……部屋だ……その一つの長い多くの窓のある部屋は……かぶさるようにあるものの上に差しかった・突出とっしゅつした・った……それは何かというと、広いベランダ・バルコニーだ……」

which は、直前の a long many-windowed room を指して言いかえているのではないでしょうか?

「自分」は⑧で一人になって、どうやら⑨で周りの音が耳に入ってくるようになった?気がついた?のではないでしょうか?……ベイカー嬢がいなくなって、一人で誰も話す人もなく?じーっとしていたら?いろいろな音とか声とかが区別がつかない?ごっちゃになった状態で、なおかつ聞き耳でも立ててしまうような?おもしろい?興味をそそる?音や声が耳に入ってきた?のではないでしょうか?……その音や声がどこから出ていたのか?といったら、広いベランダかバルコニーの上にかぶさるように出っ張った?多くの窓のある長い部屋?のようです……長方形の部屋?でしょうか?……まあ、普通に部屋というよりも?宴の来客たちが大勢集まって何やらわちゃわちゃやっている?広い大部屋?なのではないでしょうか?……その部屋は広いベランダかバルコニーの上にあった?ようです……ということは?庭にいるはずの「自分」の位置から見て?邸宅の?二階か?三階?にあるらしい多くの窓のある大部屋?からそうしたいろんな雑多ざったな?音や声が耳に入ってきた?のではないでしょうか?……つまり?「自分」は庭にいたけれど?⑧でみた午前二時頃に、邸宅内の大部屋?に大勢の来客たちが集まって騒いでいた?という様子がうかがわれる?のではないでしょうか?……どうやら?「自分」だけが長居ながいをしているわけでもない?ようです……午前二時でもまだ宴で盛り上がる?のがギャッツビーの邸宅で開かれる宴では普通?通常?運転のようです……う〜〜〜〜〜ん……やっぱり?疲れを知らない小さな子どものように遊んでいる?……小さい子どもというのは楽しければきもせずに延々えんえんと同じことをずーっと繰り返しやり続けたりできる?ようですけれど?ギャッツビーの邸宅で開かれている宴に集まっている来客たちも?もしかしたら?似たようなものだったりする?のでしょうか?……大人にしたら?もうやめようよ、とかもう帰ろうよ、とか他のことしようよ、とかなるものでも?、小さい子どもはやめない?帰らない?変えない?な〜んてことがあったりしないでしょうか?……大人から見たらよく飽きないなと思うことでも?小さい子どもは何時間でもずっと同じものを見続けて喜んでいるとか?あったりしないでしょうか?……なんだか、そんな様子にも似ていたりする?かもしれない?のでしょうか?……まあ、そんな子どもに戻れるのが?こうした宴の魅力でもあったりするのでしょうか?……時間を忘れて遊びほうけるというのは?まさしく子どもそのもの?……大人が集まっている大人のままで楽しむ宴ではなく?大人であっても子どもに戻って楽しみたい幼稚な傾向の強い宴?お酒を好き放題飲み上げる幼児の宴?って感じ?が近い?でしょうか?……だからこそ?大勢の来客たちが集まってくる?……きっと?他にはこんな宴を催してくれるような寛大な大金持ちのあるじなんていないから?……この宴に集まっている来客の人たちって、普段は何をしている?どんなふうに過ごしている?のでしょうねえ……ウィルソン夫人の妹キャサリンは都会で働く女性?って感じのよう?でしたけど?、たとえば似た対の黄色い衣服・服装を身に着けた二人の女子とかは、独身?のようではあったけど?学生?それとも何か仕事をしているのか?その正体というか普段の様子がまったく?わからないよう?ではなかったでしょうか?……三人のマンブル氏とかは「自分」と似たような?まあ一般的な?社会人?というか会社員?みたいな感じ?なんでしょうか?……そのあたりも確かなことは何もわかりませんけれど?……こういう宴の様子を見ていると?いったいどんな人たちが集まっているのだろう?と不思議な気持ちにもなったりしませんか?……普段はごく普通の社会人や学生でごくごく普通の人たちが大勢集まってはこんな羽目を外したどんちゃん騒ぎを週末になれば繰り広げているのだとしたら?社会全体に?ごく普通の人たちがみんな?幼稚な?幼い?傾向?というか風潮ふうちょう?みたいなものでも?あった?のでしょうか?……もしかしたら?作者は?そうした一面もあえて?取り上げて?この物語おはなしの中で描いている?かもしれない?でしょうか?……そうした普通の人たちがよこならえで?何の疑問も持たずに?そろって?幼児化する?さまを?読者の目の前に見せることで?もしかしたら?何かを考えさせたかったり?何かに気が付かせたかったり?するかも?しれない?……さて、一人になってまた手持ても無沙汰ぶさたどころがない?「自分」、いったいどうするのでしょうねえ……続きをみていきましょう……。

 

⑩ Eluding Jordan’s undergraduate, who was now engaged in an obstetrical conversation with two chorus girls, and who implored me to join him, I went inside.

たくみに避けて・かわして……何をかというと、ジョーダン(ベイカー嬢)の(一緒に来た男子)大学生だ……そのジョーダン(ベイカー嬢)の(一緒に来た男子)大学生は……ある状態だった……そのとき……従事して・かかわって……何にかというと、妊娠にんしんと出産に関連のある……会話だ……誰とかというと、二人の……コーラスガールだ……なおかつ・同時に……そのジョーダン(ベイカー嬢)の(一緒に来た男子)大学生は……乞い願った・泣きついた……「自分」に……あることをするように……それは、加わる・参加することだ……そのジョーダン(ベイカー嬢)の(一緒に来た男子)大学生に……「自分」は……その場から離れる方向に移動した……屋内へと……」

who はどちらも、Jordan’s undergraduate を指すのではないでしょうか?

him は、Jordan’s undergraduate を指すのではないでしょうか?

どういう経緯いきさつなのでしょうか?……なぜか「自分」は、ベイカー嬢が一緒に来た男子大学生とからんだ?ようです……まず、その男子大学生は、ベイカー嬢に振られた?後、どういう経緯なのか、とにかく今は?二人のコーラス・ガールと?妊娠と出産に関連のある会話にかかわっていた?ようです……その状態にあった上で?「自分」に加わってほしい?と泣きついた?ようです……だけど?「自分」は、そうやって泣きついてきた?男子大学生を巧みにかわして?その場から離れて屋内へと移動した?ようです……まず、妊娠と出産に関連のある会話?というのが……よりにもよって?なんでまた男子大学生がそんな会話にかかわっていたのでしょうか?……それも女子二人と?……それはやめた方がいいんじゃない?って感じ?じゃないでしょうか?……たしかこの男子大学生、頑固一徹がんこいってつ?みたいなのじゃなかったですか?……どうしたんでしょうねえ……もう大事故にまれた?も同然?かもしれない?ようにも思われませんか?……この男子大学生に、女子二人を相手に、そういう会話に応じられるのでしょうか?……さばききれるのでしょうか?……とてもそうは思えない?……だから?「自分」に助けを求めてきた?のではないでしょうか?……だけど?「自分」だって?とても手にえない?……だから?泣きつかれても?うまくかわした?というところ?でしょうか?……もしかしたら?「自分」は一人になって、席を移動した?のかもしれませんね……それで、ベイカー嬢が一緒に来た男子大学生に遭遇そうぐうした?のかもしれません……で、この男子大学生にしてみれば、いわば「自分」は恋敵こいがたき?みたいなもの?じゃないでしょうか?……この男子大学生からベイカー嬢を奪った相手?なわけですから……だけど、そんな相手であっても?助けを求めずにはいられないほど?こまっていた?のではないでしょうか?……おそらく?席から一歩も?動こうとしていなかった?らしい男子大学生のことなので?きっと?他に誰も知り合いもいなかった?のではないでしょうか?……だから、この男子大学生がベイカー嬢に振られる原因になった「自分」でもいいから?助けてほしかった?のではないでしょうか?……だけど?ここでも「自分」結構けっこう?冷たくないですか?…… Chapter 2 までみてきた「自分」なら、いつも人の力になってきた?ように思えませんか?……だけど Chapter 3 の「自分」は、一貫いっかんして?自身の思いとか都合を優先させてないですか?……まあでも、これが普通の対応?でしょうか?……「自分」にしてみれば、やっぱり大切な大好きなベイカー嬢が一緒に来た男子はおもしろくない?……そういう男子の力になろうとはならない?……それが当たり前?でしょうか?……お酒も入っているし? a perfect rose とは異なる?「自分」の一面がよく出ている?でしょうか?……でも、神様じゃないんだし?これが人間?……「自分」、やっぱり?ベイカー嬢だけはゆずれない?ようですねえ……。

 

おつかれさまでした。どうでしたか?

さて、わざわざベイカー嬢を呼びつけた?らしいギャッツビー、何の話があるのでしょうねえ……それも、ギャッツビーとベイカー嬢が一対一で話したいこと?だなんて……自身がこころよく思っていない異性からしで話がしたい?なんて言われたら、どう思うでしょうか?……だけど、ここで断る選択肢も十分ありだと思う?のですが、ベイカー嬢は動じることなく?まっ、話くらい聞いてあげようじゃないの?と男前ぶりを発揮?している?……しかも、呼びつけるなどという生意気で?偉そうな?所業に怒りもせず?、わざわざギャッツビーのいるところまで出向いて行ってあげている?ところもうつわの大きさを感じさせる?……たしかにギャッツビーは大邸宅の主でこの宴を催して大盤振る舞いのおもてなしで楽しませてはいるけれど?、だからといって用があるから使用人を寄越して呼びつける?というのはまた別の話?のようにも?思われなくもないような?……普通は?用があるならその相手の元まで本人が出向くのが筋?……こうしたところにも?ギャッツビーって神かと思わせるところも確かにある?ようだけど?同時にちょっと?なんか違わない?というところも目につく?でしょうか?……自らの都合で相手に無用むような負担をかけている?というか?……第61回で無駄むだに?「自分」を驚かせたり?今回はギャッツビーの方に用があるのにベイカー嬢にわざわざ足を運ばせたり?……本物の神様なら「自分」に無用な精神的・心理的な負担をかけず?ベイカー嬢にも身体的な負担をかけない?のではないでしょうか?……こういうギャッツビーの足りないところが、ベイカー嬢に嫌われ?いずれは「自分」にも嫌われていく?原因?なのかもしれません……まあ、「自分」同様、ギャッツビーも人間?ってことでしょうか?……。

今回の考えるヒントに上げたお題 「「自分」がベイカー嬢の好きなところが描かれている箇所はどこでしょうか?」 ですが……それは、⑦ではないでしょうか?……「自分」はきっと?ベイカー嬢の一挙手一投足にいっきょしゅいっとうそく?いちいち素敵だなあ、な〜んて、思ってるんじゃないでしょうか?……もうこれは?完全に?恋に落ちてない?でしょうか?……ねえ……ギャッツビーが何をやらかすのか?というのももちろん注目ですが?「自分」のベイカー嬢をめぐる恋?がどうなるのかも?気になるところ?かもしれません……。

次回は、ギャッツビーの邸宅で開かれている宴の別の一面が描かれている?ようです……ぜひまた一緒にみていってください。

 

第65回の範囲は、41ページ15行目から41ページ末尾まで(The large room was full of 〜から、"You promised!" into his ear. まで)をみていきます。

次回の考えるヒントは……

  • 41ページ末尾から2行目 an angry diamond とはどういうことを言っているのか

次回は、「自分」の観察力が光る?……ぜひまた一緒に確かめてみてください。

 

最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。

Point

・どうして作者はその言葉を使用したのか

・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか

・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか

 

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なお、今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。この連載はだいたい250回くらいになる予定なので、毎回訳文を購読いただいた場合には30回で2万円を超え、トータルでは18万円近くになることをご承知おきください。またいかなる場合も返金には応じられません。また購読いただいた訳文にご満足いただけるとは限らないことをあらかじめご承知おきください。なお、問い合わせなどはご遠慮ください。お断りいたします。

今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。

Posted by preciousgraceful-hm