Gatsby-57
このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。
取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。
ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。
(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)
前回まで……ギャッツビーの邸宅で開かれた宴に初めて訪れた「自分」――一人で心細い思いをしていた?ところへベイカー嬢に会え、ベイカー嬢と同じテーブルで一緒に食事ができた?ようです……ベイカー嬢は一緒に来たらしい人とはそりが合わなかった?ようで、とうとうベイカー嬢の方から「自分」に、邸宅の主であるギャッツビーを探しに行こう?と促された?ようです……続きをみていきましょう……。
原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。
第57回の範囲は36ページ末尾から11行目から37ページ9行目まで(The bar, where we glanced 〜から、Here! Lemme show you." まで)をみていきます。
まず、今回の考えるヒントを上げます。
- 37ページ8行目 a nice durable cardboard とはどういうことを言っているのか
なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。
主に使用する辞書
『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)
『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)
『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)
それでは今回の範囲をみていきましょう。
① The bar, where we glanced first, was crowded, but Gatsby was not there. She couldn’t find him from the top of the steps, and he wasn’t on the veranda.
「(お酒のある)カウンター・コーナーは……その(お酒のある)カウンター・コーナーで……「自分」とベイカー嬢は……ちらっと見た……第一に・一番に……ある状態だった……満員の・ぎゅうぎゅう(詰め)の・いっぱいだった……そうやってその(お酒のある)カウンター・コーナーが満員でぎゅうぎゅう(詰め)で(人で)いっぱいだったほど大勢の人がその(お酒のある)カウンター・コーナーにいたのだから、普通に考えると、そこに主のギャッツビーがいたのじゃないかと思いそうなところだけれど、実際には違って、ギャッツビーは……いなかった……その(お酒のある)カウンター・コーナーには……ベイカー嬢は……あることができなかった……それは、見つけることだ……ギャッツビーを……どこからかというと、一番上だ……何のかというと、(玄関に通じる大理石の)階段だ……そして・なおかつ・同時に……ギャッツビーは……いなかった……どこにかというと、ベランダだ……」
The bar は、第49回(32ページ末尾から7-4行目)で出てきた (In the mainl hall) a bar with a real brass rail (was set up, and) stocked with gins and liquors and with cordials (so long forgotten that most of his female guests were too young to know one from another) を指すのではないでしょうか?
where は、直前の the bar を指して言いかえているのではないでしょうか?
weは、前回の最後に二人で動き出した?らしい「自分」とベイカー嬢の二人を指すのではないでしょうか?
there は、the bar を指すのではないでしょうか?
She は、前回の最後に「自分」と一緒に動いた?らしい、ベイカー嬢を指すのではないでしょうか?
couldn’t は、could not を短く縮めた形と思われます。
him は、Gatsby を指すのではないでしょうか? he も同様ではないでしょうか?
the steps は、第53回(34ページ末尾から13行目)で出てきた the marble steps を指すのではないでしょうか?……最初に「自分」がベイカー嬢を見つけたときにベイカー嬢が立っていた?場所ではないでしょうか?
wasn’t は、was not を短く縮めた形を思われます。
前回の最後に食事をしていた?らしいテーブルを離れて動き出した?らしい「自分」とベイカー嬢が、ギャッツビーを見つけにまわりだした?ようです……どうやら、一番に行ったところはお酒のあるカウンター・コーナーだった?ようです……そのお酒のあるカウンター・コーナーには大勢の人がひしめいていた?ようですが、ギャッツビーはいなかった?ようです……次に?ベイカー嬢が、玄関に通じる大理石の階段の一番上から見ても?ギャッツビーを見つけられなかった?ようです……どうやら?そこから見渡すと?庭が一望できたりする?のでしょうか?……それから、ベランダにもギャッツビーはいなかった?ようです……要は、あちこちまわってみたけれど?見つからなかった?ということではないでしょうか?……まあ、広〜〜〜い大邸宅と庭?のようなので、行き違いになったりとか?することもあったかも?しれない?でしょうか?……間が悪い時にはそんなもの?……。
② On a chance we tried an important-looking door, and walked into a high Gothic library, panelled with carved English oak, and probably transported complete from some ruin overseas.
「あるものに依存して・賭けて……それは、偶然・運・可能性・勝算だ……「自分」とベイカー嬢は……試しに当たってみた……偉い・もったいぶった・尊大ぶった……ドア・戸を……そして・それから・続いて……歩いて……あるものの中に入った……それは、(高さが)高い・高級な・上等な……ゴシック(風)の……図書室・書庫・読書室だ……壁板・羽目板・パネル・化粧板がはめられた……何のかというと、刻んで(像や模様が)造られた……ヨーロッパナラ材だ……なおかつ……たぶん・十中八九……移動させた・輸送された……全部が……どこからかというと、どこかの・何かの……廃墟・残骸・荒廃の跡だ……海外の……」
we は、①と同じく、「自分」とベイカー嬢を指すのではないでしょうか?
Gothic は、もともとフランス北部で生まれた建築様式のようです……Chapter 1(第7回 7ページ15-16行目)でギャッツビーの邸宅の説明がありましたが(a factual imitation of some Hotel de Ville in Normandy, with a tower on one side)、その Normandy もフランス北部の地域のようなので、ギャッツビーとフランス北部とのつながり?というか、ギャッツビーを象徴するものとしてフランス北部があげられている?のでしょうか?……。
可能性に賭けて?偉い・もったいぶった・尊大ぶったドア・戸を試しに当たってみた?と……そして・それから・続いて、歩いて入っていった?と……そこは、(高さが)高い・高級な・上等な、ゴシック(風)の図書室・書庫・読書室だった?と……その(高さが)高い・高級な・上等なゴシック(風)の図書室・書庫・読書室は、刻んで(像や模様が)造られたヨーロッパナラ材の壁板・羽目板・パネル・化粧板がはめられていた?と……なおかつ、その(高さが)高い・高級な・上等なゴシック(風)の図書室・書庫・読書室は、たぶん・十中八九、海外のどこかの・何かの廃墟・残骸・荒廃の跡から、全部を移動させた・輸送されたものだ?と……もしかしたら主のギャッツビーがいるかもしれない?と思って?なんだか?偉そうな?大層な?ドア・戸を試しに押したか?引いたか?してみた?……そしたら、そこは、図書室・書庫・読書室だった?と……その空間の?(高さが)高くて高級で上等なゴシック(風)になっていた?と……その空間の壁とか?には刻んで(像や模様が)造られたヨーロッパナラ材の壁板か羽目板かパネルか化粧板がはめられていた?と……で、その図書室・書庫・読書室全部・全体が、海外のどこかの・何かの廃墟・残骸・荒廃の跡から移動させ輸送されたものだ?と……空き家とか?から移した?ということ?でしょうか?……なんだか大層な?大仰な?書物と書棚がずらーっと並んでおいてある?らしい場所?空間?でしょうか?……もしかしたら?壁も高くて?上までぎっしり?書物が置いてあったり?するのでしょうか?……それでいて高級感?豪勢で?ゴージャスな感じ?すらある?……ゴシックといえば聖堂とか教会の建物が多い?ようですが、そういう荘厳な?神聖な?雰囲気のある?空間?場所?でしょうか?……神々しい空気に包まれた空間で?書物のページをめくる音までもがくっきりと響くほど静まり返った中で?我を忘れて文字を追い?時空を超えた別世界を堪能する?にふさわしい場所?……なんだか、本当にギャッツビーの邸宅?かと思ってしまいそうな?……お祭り騒ぎにうつつを抜かす来客がひしめいている?らしい他の場所とはまったく異なる?それこそ異世界?の趣き?が感じられませんか?……まず第一に、静か?です……騒々しくありません……次に、書物が山ほどある?のではないでしょうか?……お酒じゃありません……愚かな行為に及ぶなど考えられません……酒飲んで悪口言いたい放題とは大違い?じゃないでしょうか?……知恵を得られて?賢くなれる?かもしれません……遊び呆けたい人には向かない?合わない?……軽くて軽薄でチャラい?かと思われたギャッツビーの邸宅内に?遊びとは無縁の?静謐な学びの空間が設けられている?……ギャッツビーって?愚かな遊び人に?羽目を外す機会と場所を提供しながら同時に?ギャッツビー自身は一人静かに腰を落ち着けて書物に向き合い沈思黙考し思索にふける時間を持ったりしてるの?……軽くて軽薄でチャラいイメージとは真逆?の感じ?じゃないでしょうか?……軽くて軽薄でチャラい?愚かな遊び人?ばっかり集めながら?、本当は?自らは賢明で浮ついたところのない落ち着いた地に足のついた人間?だったりする?のでしょうか?……だって、ギャッツビー自身が本当に軽くて軽薄でチャラい愚かな遊び人なら、自らの邸宅内にこのような書物を集めた学びの空間を作ったりするでしょうか?……ということは?ギャッツビーには、もしかしたら?軽くて軽薄でチャラい?一面もあるかもしれない?けれど、間違いなく?賢明で浮ついたところのない落ち着いた地に足のついた部分もある?のでしょうか?……少なくとも、本を読む?……それも、日常的に?……そうでなければ、単なる飾りとかで?こんな大層な?大仰な?書物を集めた空間を作ったりするでしょうか?……どんな本を読むかで、その人がどんな人間なのかがわかる、などと言ったりすることもある?ようですが、だとすれば?ギャッツビーの邸宅内にある?らしいこの書物が集めてある、聖堂や教会を思わせるような空間は、ギャッツビーがどんな人間なのかを表している?と言ってもいいかもしれない?でしょうか?……ギャッツビーは?本当は?軽くて軽薄でチャラい人間ではない?……それどころか?聖職者にもふさわしいほどの人間性を備えた?賢明で謹厳実直な人物?だったりするかもしれない?……「自分」とベイカー嬢がギャッツビーを見つけようとあちこち当たっていたら?思いがけない?ギャッツビーの一面に出会った?発見した?……おっと!もしかして?ギャッツビーの行方がわからなくなるのは?ギャッツビーが一人で姿をくらますから?……それも、この静かに一人になれる?書物を集めた静謐な空間に?……軽くて軽薄でチャラい愚かな遊び人では足を踏み入れることはおろか、そばに寄りつくことさえない?かもしれない?……だから?ギャッツビーの行方がわからなくなったと思い込む?……本当は?なんのことはない?この書物と向き合う空間に来さえすれば?いつでもギャッツビーに会えるのに?……軽くて軽薄でチャラくて?本なんかこれっぽちも読まない?愚かな遊び人じゃあ?書物の空間には縁遠い?から、ギャッツビーがどこにいるのか知らないわからない状態になる?……類は友を呼ぶ、のとおり?……ギャッツビーは?軽くて軽薄でチャラくて本を読まない愚かな遊び人の同類ではないからこそ?宴の最中にいったいどこに行ったのか行方がわからなくなる?……軽くて軽薄でチャラくて本を読まない愚かな遊び人とは相容れない?からこそ、宴を催し惜しげなくもてなしておきながら?軽くて軽薄でチャラくて本を読まない愚かな遊び人とは一線を画し?距離を置いている?というより、馴染まないから?自然に距離ができる?……あれ?……なんか、東島の人たちと似てない?……ギャッツビー、本当は東島の人たちの方が合う?……でも、西島に邸宅があって、西島を象徴するような?軽薄な空気の宴を自ら催している?……なんだか、不思議な?……矛盾してるような?……頭がこんがらがりそうな?……う〜〜〜ん?……なんだ?……でも、矛盾だらけなのが、人間?……。
③ A stout, middle-aged man, with enormous owl-eyed spectacles, was sitting somewhat drunk on the edge of a great table, staring with unsteady concentration at the shelves of books.
「でっぷりした・肥満した……中年の男性が……あるものを身に着けた……とても大きな……フクロウのような目をした……メガネを……ある状態だった……座っていた……少し・いくらか……酒に酔って……どこにいたかというと……ふち・へり・角……何のかというと、大きい・荘厳な……卓・仕事台・テーブルだ……目を見開いて凝視する・見つめる……どんな様子かというと、不安定な・ふらふらする・変わりやすい・動揺する……集中(力)・専念の状態で……何をかというと、棚(の物品)だ……何のかというと、本だ……」
enormous は、owl-eyed を説明しているのか、spectacles を説明しているのか、どちらの可能性も考えられるように思われますが、もしかしたら?フクロウの目のように大きいことを強調する意味合いで使われているのではないでしょうか?
owl は、まじめ・謹厳・賢いというニュアンスがあるようです。
新たな登場人物が現れました……中年男性にありがちな?肥満体型?のようです……メガネをかけているようで、そのために、目玉が大きく見えている?のではないでしょうか?……少し酔っ払っている?ようです……大きくて荘厳な?卓がある?ようです……ゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にふさわしい趣きの卓?でしょうか?……その卓のふち・へり・角に座っている?ようです……そして、本が並べられているらしい棚を目を見開いて凝視し見つめている?ようです……ただ、熱心に見ているけれども?集中(力)・専念の状態が不安定なふらふらする変わりやすい動揺していた?ようです……お酒に酔ってはいるし?一つのことに集中できる様子ではなかった?……気が散漫な状態だった?のではないでしょうか?……そうやって気が散った?状態で本棚を見ていた?ようです……もしかしたら?本好き?とかでしょうか?……本の読みすぎとかで?目を悪くして?メガネをかけるようになった?とかかもしれない?でしょうか?……太っているところも、インドア派?とかを思わせる?でしょうか?……アクティブに外でスポーツを楽しむよりも?部屋で静かに本を読む方があり?みたいな?人でしょうか?……だから?お酒に酔っても?まるで本に引き寄せられるように?この図書室・書庫・読書室に迷い込んだ?のでしょうか?……軽くて軽薄でチャラい宴?が開かれている邸宅に、ほぼ全員?軽くて軽薄でチャラいといってもいいような客ばかり?が集まっている中で、こういう客も紛れていた?ということでしょうか?……東島から来たらしい客たちともまた少しカラーが違う?のではないでしょうか?……軽くて軽薄でチャラい客たちが興味も示さない?ような本に、この中年の男性はどうやら興味を示している?ようです……軽くて軽薄でチャラい客たちとは違って?知性派?みたいな?感じ?でしょうか?……
④ As we entered he wheeled excitedly around and examined Jordan from head to foot.
「あることが起きたとき・あることが起きたときと同時に……それは、「自分」とベイカー嬢が……入った・立ち入った……メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が……くるりと向きを変えた・軸を中心に回転した……感情が高ぶっている様子で……ぐるりと・百八十度……それから・その後……調査した・調べた・吟味した……ジョーダン(ベイカー嬢)を……全身を・すっかり……」
we は、①②の we と同じく、「自分」とベイカー嬢の二人を指すのではないでしょうか?
he は、③で出てきた、A stout, middle-aged man, with enormous owl-eyed spectacles を指すのではないでしょうか?
どうやら、ゴシックの様式の図書室・書庫・読書室に「自分」とベイカー嬢の二人が入ったとき、③で出てきたメガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、出入り口に対して背を向けて座っていた?ようです……で、回転式の椅子?にでも座っていた?のでしょうか?……おそらく、背後で戸が開く音がして?人の気配がした?から、向きを変えて確かめた?のでしょうか?……で、入ってきたらしい?人を見たら?「自分」とベイカー嬢の二人がいたはず?なのだけど、どうしてかわかりませんが、ベイカー嬢に目がいった?ようです……で、なぜか、ベイカー嬢を頭の先から爪の先まで全身をすっかり吟味した?ようです……なんでしょうねえ……お酒に酔っていたから?自然に若い女性の方に目がいった?のでしょうか?……ただ、お酒に酔っても?本来は知性派?……だとしたら?もしかしたら?ベイカー嬢がどのような服装というか外見だったのかわかりませんが、このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にはふさわしくない?似つかわしくない見た目だった?のかもしれない?……それなら?図書室・書庫・読書室では目にしないような格好の人間が入ってきたから?そんな人間がこんなところに来るなんて?みたいな?感じで?目がいってしまった?可能性も?あるかもしれない?……「自分」の方は、おそらく日頃から本を沢山読んで?勉強している?のではないでしょうか?……だから、図書室・書庫・読書室に自然に馴染む雰囲気とか空気みたいなものがあった?……だから、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、違和感を覚えなかった「自分」には気をとめなかった?けれど、普段からあまり本を読んだり図書室・書庫・読書室に来る習慣のなさそうな?ベイカー嬢の方には、雰囲気や空気感で違和感を持った?……それで、どういう類いの人間なんだろうな?みたいな目で吟味した?のでしょうか?……Chapter 2 で出てきた、先生と呼ばれている監督・監視役のエッケルバーグという人も大きなメガネを付けていた?ようでしたが(第30回 20ページ15-19行目あたり)、その目で何も見逃さない?という特徴というか役割を担わされている?ようでした……ここに出てきたメガネを付けたこの中年の男性も、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになった状態で、ベイカー嬢のことを吟味している?ようです……しかも、owl フクロウには、まじめ・謹厳・賢いという意味合いが含まれているようですから、この中年の男性が、あくまでも宴の席なので酒に酔ってはいるけれど、本来まじめで謹厳で賢い人物?なのだという意味合いも込められていたりする?のではないでしょうか?……ということは、フクロウのように知恵のある賢い人物が?フクロウのように大きくなった目で?真実や真の姿を見抜く?みたいな?意味合いとかも?込められていたり?するのでは?ないでしょうか?……しかも、本とのつながりが強い?ようですから、Chapter 2 でメガネを付けていた先生と呼ばれる監督・監視役の男とは違って――この監督・監視役の方は、あくまでも見逃さない?見過ごさない?監督して監視する?というニュアンスに重点が置かれている?のではないでしょうか?――ここに出てきた、本とのつながりが強く?フクロウのように大きくなった目で?その目に入るものを見る?中年の男性は、目に映った上っ面から?その奥底に隠された?真実や真の姿まで見抜く?それも知恵のある賢い頭で考えて洞察する?みたいなニュアンスの?特徴とか役割とかを担っている?のではないでしょうか?……。
⑤ “What do you think?" he demanded impetuously.
「『何を……あることをするか……あなた(たち)は……それは、思う・考えることだ……』メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が……尋ねた……性急な・むこうみずな様子で……」
you は、「自分」とベイカー嬢の二人か、そのどちらかを指しているのではないでしょうか?
he は、④と同じく、③で出てきた、A stout, middle-aged man, with enormous owl-eyed spectacles を指すのではないでしょうか?
④でベイカー嬢の全身をすっかり隅々まで?吟味した後で?、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、「自分」とベイカー嬢(のどちらか)に尋ねた?ようです……その様子が、性急でむこうみず?だったようです……まあ、初対面?見ず知らず?なのではないでしょうか?……それでいきなり、あなた(たち)は何を思う・考えるか?と尋ねられても……ねえ……まあ、お酒に酔っているから、一方的に尋ねたいことを思いついたままに口にして尋ねた?といったところ?でしょうか?……だけど、尋ねられた側からしたら、いきなりそんなこと訊かれても……みたいな?感じじゃないでしょうか?……だから、せっかちだし?相手かまわず不躾な印象になった?のではないでしょうか?……。
⑥ “About what?"
「『あることについて・関して……何に……』」
About what の前には、⑤の what do you think が省略されているのではないでしょうか?
⑤であなた(たち)は何を思う・考えるか?といきなり尋ねられて、何を訊かれたのかわからなかった?のではないでしょうか?……だから、いったい何について、何を思う・考えるか、と尋ねているのか?と問い返した?のではないでしょうか?……これ、きっと「自分」が問い返した?のではないでしょうか?……なんとなく、④で全身をすっかり隅々まで吟味された?ベイカー嬢が、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性に問いかけられた質問に答えるとは思えない?ような……それに、おそらく本の世界に違和感がなさそうな?「自分」の方が、ゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にも違和感を持つことなく?そこにいた人にも対応しそうな?気がしませんか?……まあ、それに、見ず知らずの?中年の男性が話しかけてきても、若い女性は答えない?可能性が高かったりする?でしょうか?……ましてや、ベイカー嬢です……初対面どころかどんな相手であろうと?きっとしゃべる気がしなければ一言も口を開かない?のではないでしょうか?……。
【One More Library の原書データでは、"About what?" の後で段落が変わっていませんが、Scribner の書籍では、段落が変わるのが正しいようなので、訂正しておきます。】
⑦ He waved his hand toward the book-shelves.
「そのメガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が……揺り動かした・振り回した……その男性の片手を……どこに向かってかというと……本棚・蔵書だ……」
He は、④⑤と同じく、③で出てきた、A stout, middle-aged man, with enormous owl-eyed spectacles を指すのではないでしょうか? his も同様ではないでしょうか?
⑥で問い返されて、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、何について何を思う・考えるか、と尋ねたのか、身振り手振りで?知らせようとした?ようです……片手を振って本棚・蔵書の方を示した?ようです……ということは、本棚・蔵書?というか?もしかしたら?本?について、何を思う・考えるか、と尋ねた?のでしょうか?……それも、そのゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にある?らしい本?のことではないでしょうか?……そこの本に何かあるのでしょうか?……このメガネをつけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、何か気になることでもある?ようです……で、誰かに意見や考えでも?訊きたかった?のでしょうか?……そこの本を見て?何か思うところがあり?そのことについて誰かと話したい?とでも思っていた?ところへ?ちょうど?「自分」とベイカー嬢が?入ってきた?……で、これはちょうどいい?とすかさず?尋ねてみた?のでしょうか?……。
⑧ “About that. As a matter of fact you needn’t bother to ascertain. I asccertained. They’re real."
「『何について・関してかというと……あれ・それ(あの本棚・蔵書)だ……あるものとして……それは、問題だ……何のかというと、事実だ……あなた(たち)は……する必要がない……何をかというと、わざわざあることをすることだ……それは、確かめる・確認する・突きとめることだ……私が……確かめた・確認した・突きとめた……それら(あの本棚・蔵書の本)は……真の・本物だ……』」
that は、⑦で出てきた the book-shelves を指すのではないでしょうか?
you は、「自分」とベイカー嬢の二人を指すのではないでしょうか?……⑦で出てきた He つまり、メガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性がしゃべっている言葉のようです……。
needn’t は、need not を短く縮めた形と思われます。
I は、そのメガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性を指すのではないでしょうか?
They は、⑦で出てきた the book-shelves に入っているもの、つまり本を指すのではないでしょうか?
⑥に対する答え?のようです……やっぱり?本のようです……ただ、「自分」とベイカー嬢に問いかけておきながら?実際にはわざわざ確かめて確認して突きとめてもらう必要はない?と言っているようです……なぜなら?このメガネをつけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、確かめて確認して突きとめた?からのようです……そして、その本は、どれもみな?真の本物だ?と言っている?ようです……どういう意味でしょうか?……本物があるなら?偽物があるとでも?……偽物の本?って何なんでしょう?……なんだか、不思議な気がするような……ただ、このメガネをつけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が気になった?ことは、どうやら本物か偽物か?ということのようでは?ないでしょうか?……この中年の男性は、自ら確かめて確認して突きとめて、その本がみな真の本物だとわかった?と言っていたようです……ということは、確かめて確認して突きとめる前は、その本がみな、本物なのか?偽物じゃないのか?と疑っていた?ということでは?ないでしょうか?……どうしてそんなことを思ったのでしょうか?……なんでしょう?……珍しいのでしょうか?……。
⑨ “The books?"
「『その(それらの)(本棚・蔵書の)本?……』」
The books は、⑧の They つまり⑦の the book-shelves の本を指しているのではないでしょうか?
この言葉は誰が言ったものでしょうか?……おそらく、⑥と同じく「自分」がしゃべった言葉ではないでしょうか?……⑧のメガネを付けてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性の返答に対して、この中年の男性が何を話しているのか、念のため確認した?のではないでしょうか?……⑧で that とか they とか具体的に言わないので、誤解のないようにはっきりさせた?のではないでしょうか?……まあ、律儀で誠実な「自分」ならではの対応?でしょうか……。
⑩ He nodded.
「そのメガネをつけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が……頭を縦に振った……」
He は、⑦と同じく、③で出てきた、A stout, middle-aged man, with enormous owl-eyed spectacles を指すのではないでしょうか?
⑨の具体的に何の話をしているのか確認しようと問いかけてきた「自分」の言葉に対して、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、頭を縦に振ることで、「自分」が訊いてきたその本棚・蔵書の本の話に間違いないと応えた?ようです……。
⑪ “Absolutely real — have pages and everything.
「『完全に……真の・本物だ――あるものを持っている・あるものが備わっている……それは、頁だ……加えて……すべて・何もかもだ……」
Absoloutely real の前には、(⑩の)The books(と)are が省略されているのではないでしょうか?
have の前には、The books が省略されているのではないでしょうか?
⑩で頭を縦に振ることで⑨の「自分」の問いかけにそのとおりだと応えた?らしい、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、またしゃべりだした?ようです……⑧の最後の言葉、They’re real に続ける形で?さらに Absolutely を付け加えて? real であることが絶対に間違いないと強調している?ようです……そして続けて、その本棚・蔵書の本には、頁に加えて何もかもがきちんと?備わっていると言っている?ようです……要は、本物だから?頁もあるし?何もかもが備わっている?……これが偽物なら?頁がなくて?他にもないものがあったりする?ようです……だけど、ギャッツビーの邸宅内にあるこのゴシックの様式の図書室・書庫・読書室には、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、感情が高ぶった様子で熱心に見入る?ほどの本が、偽物ではなくて真の本物の本が、置かれている?ということのようです……もしかしたら?このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、ギャッツビーの邸宅で開かれている宴に来て、宴の様子とか?集まっている来客の様子とか?を見て、やっぱり?軽くて軽薄でチャラい印象でも?持っていた?のではないでしょうか?……で、そういう軽くて軽薄でチャラい印象とは相容れない?かけ離れた?ような本の類いでも?このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にあったりした?のではないでしょうか?……軽くて軽薄でチャラい宴に来客の邸宅で、そんな印象からは到底想像もつかないような?結びつかないような?立派な?本でもあった?のでしょうか?……で、本物か、と疑った?のでしょうか?……こんな軽くて軽薄でチャラい宴を催して、軽くて軽薄でチャラい来客を山ほど集めるような、この邸宅の主が、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が認める?というか、評価する?というか、おっ!この本はすごくないか、とか思ったりするような本を邸宅内に置いているとはまったく思いもしない?ような本でも置いてあった?のではないでしょうか?……おそらく、この中年の男性は、どんな本を読むか、という視点から、その人がどんな人物だったり人間かというのを判断とか評価とかする?ところがあったりした?のではないでしょうか?……別に、上から目線で評価するということではなくて、あくまでも、こういう本を読むということは、こういう人間かな?とか、本を読まない人らしいから、こんな感じの人かな?とか、人となりを知る手がかりとして、どんな本を読むのか、というのを一つの目安にしていた?かもしれなかったり?するかもしれない?のではないでしょうか?……で、まあ、ギャッツビーの邸宅の宴に来て、その様子から、おそらくまあ読書家とか勉強家とかそういう方面の期待はできないなあ、みたいな印象は持っていたのではないでしょうか?……まあ、この中年の男性だってお酒を飲んで酔っているわけですから、別に他人のことは言えたもんじゃない?のではないでしょうか?……ただ、本来読書家だったり?するとすれば、やっぱりお酒を飲んで酔ったぐらいで本質的なものが根底からまったく変わってしまうわけでもなく?思いがけず迷い込んだ?このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室で、まさかこんなに軽くて軽薄でチャラい宴が催されている邸宅内でこんな立派な?すばらしい?本に出会うとは?みたいな本を見つけたりした?のではないでしょうか?……だから、感情が高ぶった様子で熱心に見ていたり?かと思うと、初対面のはずなのに?見ず知らずでもかまわず?この中年の男性の気持ち?というか感動?というか、そうしたものをぶつけずにはいられなかった?のではないでしょうか?……きっと、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、嬉しかったんじゃないでしょうか?……そもそもその本が本物だとわかるというのは、その中年の男性も、その本が本物か偽物か区別がつくわけで、鑑識眼?みたいなものがある?ということではないでしょうか?……そして、その本の良さがわかる中年の男性は、その本がギャッツビーの邸宅に置いてあるということは、その本の良さを主のギャッツビーがわかっている?ということではないか?と考えたのではないでしょうか?……普通、人は誰でも、当人が良いと思うものとか気に入ったものとかを自らの家に置いたりするものではないでしょうか?……その価値がわからないものを自らの家に置くというのはあまり考えにくいのではないでしょうか?……そうすると、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、この本がおいてあるのか、と驚きとともに嬉しくなるような本を見つけて、きっとこの邸宅の主は、この本の良さがわかる、つまり、この中年の男性と同じように、モノの真の価値がわかる人物だ、と思ったりした?のではないでしょうか?……この中年の男性と同じ、モノの真の価値がわかる鑑識眼を持った、仲間を見つけたような?気持ちにでもなった?のではないでしょうか?……考えてみれば、この中年の男性は、どうして一人で、このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室にいたのでしょうか?……まるで、一人静かに過ごしたいからこそ?どんちゃん騒ぎの宴から逃げ出して来た?ようにも思えないでしょうか?……ギャッツビーの邸宅の宴に来てはみたものの?ちょっとなあ、合わないなあ、一人で静かに過ごせたりしたらありがたいんだけどなあ、本でも読めるところでもあったらなあ……なーんて思いながら?邸宅の中をうろうろしていたら?このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室に出会えたり?なんかした?のではないでしょうか?……大勢で騒ぎたい人なら、本しか置いてないような部屋に一人でいるはずがないのではないでしょうか?……ただ、一人で過ごしたくて逃げてきた?けど、この宴に集まっている大勢の来客のことを、この中年の男性は、同類とか仲間のようには感じられなかった?のではないでしょうか?……致し方ないことでしょうけど、もしかしたら?この中年の男性だけが浮いているような感覚でも?あったりしたかも?しれない?のではないでしょうか?……でも、まあ、あまりに大騒ぎする中には馴染めない?というか居たくなかった?というか、で、自ら望んで一人静かに過ごせる場所を探しはしたのだけれど、その場所で、思いがけず、自身と同じ感性?だったり感覚?だったりを持っているんじゃないか?と思わせる人物に、蔵書の本を通して出会えた?ような、まるで、軽くて軽薄でチャラいばっかりで中年の男性には違和感しか感じられなかった世界で、自らの同類で仲間を初めて見つけた?ような気持ちにでもなった?のではないでしょうか?……それは同時に?もしかしたら?自らの居場所?でもあったりする?のではないでしょうか?…… Absolutely real という言葉には、そうした思いも全部?込められていたり?するのでは?ないでしょうか?……だから、本当に言いたかった?ことは、いや、思いがけないところで素晴らしい本に、そして素晴らしい人物にめぐり会えて嬉しいよ、まさかここで同じ仲間に出会えるなんて思いもしなかった、これは予想外の嬉しいサプライズだなあ……みたいなこと?だったのでは?ないでしょうか?……。
⑫ I thougt they’d be a nice durable cardboard.
「私は……思った……それらの(本棚・蔵書の)本が……あるものではないのだろうかと……それは、ある状態である……よい・けっこうな・きれいな・りっぱな……もちのよい・耐久性のある……板紙・ボール紙・厚手の紙だ……」
今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。
they’d は、they would (または should)を短く縮めた形ではないでしょうか?
I は、⑪に続いてこのセリフをしゃべっているらしい、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性を指すのではないでしょうか?
どうやら、ゴシックの様式の図書室・書庫・読書室の本棚・蔵書の本が偽物ではないか、と疑ったときに思ったことを?説明しているようです……では、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、何を思ったのか?――それは、その本棚・蔵書の本が、よい・けっこうな・きれいな・りっぱな、もちのよい・耐久性のある、板紙・ボール紙・厚手の紙ではないだろうか?と思ったようです……どういうことでしょうか?……偽物ではないか?と疑った=よい・けっこうな・きれいな・りっぱな、もちのよい・耐久性のある、板紙・ボール紙・厚手の紙ではないか?と思った……⑪で頁も何もかも備わっていると言っていた?ようでしたが、偽物には頁がない?……ということは?外見は本のように見せかけた箱みたいなもの?ではないか?と疑った?ということ?でしょうか?……ぱっと見は?良さそうに見える?……遠くから本棚を見る分には?きれいなりっぱな本が並んでいるように見える?……だけど、実際に取り出してみたら、なんだ、ただの箱じゃないか?本の中身はないじゃないか?本のように見せかけた偽物じゃないか?と思うような代物?だろうと?思っていた?……ところが、実際に取り出してみると、きちんと頁も何もかも備わっていて?本物の本に間違いなかった?ようです……それで、驚くと同時に?嬉しかった?……どうやら?このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性が、まさか本物がこの邸宅のこの図書室・書庫・読書室に置いてあるはずがない、と疑わずにはいられないような?立派な?珍しい?本でも見つけた?……そのような本があることに気づいた?ようです……なんでしょう?……特定の限られた人しか興味を持たないとか?読むはずがないとか?そんな特殊な本だったり?するのでしょうか?……で、この中年の男性は、そうした本の価値とか?内容とか?わかるのではないでしょうか?……しかも、そうやってそうした本の価値や内容が理解できる人間はそう多くはなかったり?するのではないでしょうか?……それが、まさかこんな軽くて軽薄でチャラい宴が催されている邸宅で、見つかった?……あまりに意外だったのもあったでしょうけれど?それ以上に自身の興味とか、もしかしたら?好みとか趣味とか?かぶったりして?それで同じ思いを共有できる仲間に出会えたような?そんな感覚でも持った?のではないでしょうか?……いやいや、てっきり偽物だろうと思ったら、なんと!本物だよ……みたいな?……で、その嬉しさを誰かに話さずにはいられなかった?とかではないでしょうか?……どうせ見かけ倒しだろう、と思ったら、そうではなく、中身のある本物だった、ということではないでしょうか?……そして、このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室とともに、そこに置かれた本棚・蔵書の本も、この邸宅の主であるギャッツビーを象徴しているのだとしたら、ギャッツビーという男は、決して軽くて軽薄でチャラい連中の一人ではなく?、一見、見かけ倒しかと思わせるほど整った立派な人物で?しかも素晴らしい価値や中身を備えた人物である?ということに?なるでしょうか?……このゴシックの様式の図書室・書庫・読書室とそこに置かれた本棚・蔵書の本に、そしてその本の真の価値に、気づいた人は、もしかしたら?このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性だけ?なのではないでしょうか?……そうすると、ギャッツビーの邸宅で開かれている宴に来ている大多数の来客は、軽くて軽薄でチャラい連中ばかり?だから、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性とは異なり、ギャッツビーの真の姿?真の価値?に気づいていない?ということにならないでしょうか?……ギャッツビーの邸宅内にあるゴシックの様式の図書室・書庫・読書室に置かれた本棚・蔵書の本の価値を見きわめる眼を持っていなければ、それらの本の真の価値がわかるはずがないのではないでしょうか?……それと同じように、無料で酒飲んで騒げるらしいから行く?みたいな軽くて軽薄でチャラい連中では、この邸宅の主であるギャッツビーの真の価値は見きわめられない?わからない?とも解釈できる?のではないでしょうか?……どういう経緯でかわかりませんが、大多数の他の来客とは違って、誰にでも読めるわけではない?立派な?素晴らしい?珍しい?本の価値がわかる、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、なぜかこのギャッツビーの邸宅で催されている宴に来ることになった?ようです……真の本物の価値を見きわめられない大多数の来客に混じって、一人だけ、真の本物の価値を見きわめられる、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性がいた?と……偽物には真の本物の価値はわからない?……でも、本物には、真の本物の価値がわかる?……本物の価値は本物だけにしかわからない?……なんだか、そんなことも?ここで言っている?でしょうか?……ギャッツビーは、実は本物?……真の本物の価値を持った人物?……軽くて軽薄でチャラいと思ったら大間違い?……本当に軽くて軽薄でチャラい連中とは違う?……もしかしたら?作者はここで、そういうことを言っている?かもしれない?でしょうか?……。
⑬ Matter of fact, they’re absolutely real.
「問題では……何のかというと、事実・実際・真相だ……それら(その本棚・蔵書の本)は、ある状態である……完全に……真の・本物だ……」
Matter の前には、⑧で出ていたように、As a が省略されているのではないでしょうか?……同じ言葉を繰り返しているし、As a と言わなくてもわかるだろう、という気持ちがあった?のかもしれません……。
they は、⑫に出てきた they と同じもの、つまりゴシックの様式の図書室・書庫・読書室に置かれている本棚・蔵書の本を指すのではないでしょうか?
⑧で言っていた?らしい言葉を、また繰り返している?ようです……⑫で偽物じゃないかと疑った?厚手の紙でできた単なる箱?じゃないかと思った?と言った上で、ところが、実際の事実・真相は、完全に真の本物の本だ、と強調している?のではないでしょうか?……たぶん?お酒に酔っていることもあって?同じことばっかり言ってる?印象も?なくもないような?……嬉しい驚きを伝えたくてたまらない気持ちでいっぱいだけど?その気持ちに言葉が追いついてない?といった感じ?でしょうか?……。
⑭ Pages and — Here! Lemme show you."
「頁に……加えて――ほら・はい・ここで……させてくれ……私に……示す・説明する・明らかにすることを……あなた(たち)に……』」
Lemme は、Let me となるべきところが、酔って口がまわらない様子を表しているのではないでしょうか?
you は、「自分」とベイカー嬢の二人(またはそのどちらか)を指すのではないでしょうか?
酔ってはいるし?また同じことをくり返し言いかけている?ようです……が、本人も気づいた?のでしょうか?……途中で言葉を区切って?、その本棚・蔵書の本が頁も中身も備わった真の本物であることを「自分」とベイカー嬢に示して説明して明らかにさせてくれと言っている?ようです……もしかしたら?このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性は、自らが一人で一方的にべらべらとしゃべりまくっている?ことに自身で気づいている?のかもしれません……そのことをよくわかった上で?それでも?この嬉しさを?誰かにしゃべらずにはいられない?……いや、できることなら?わかってもらいたい?共感してもらえれば言うことない?……よほど意外だった?……そのような本がこのギャッツビーの邸宅にあろうはずがない?とたかをくくっていた?……ところが、まさか本物とは、と思う本を見つけて嬉しい驚きに?テンションが爆上がり?みたいな?状態になった?……で、その喜びを、自らの胸の内だけにとどめておくことができなかった?……もしかしたら?「自分」なら、理解できるかもしれない?受けとめられるかもしれない?という思いもよぎったりした?……それで?説明させてほしい、とまで言ってしまった?……この⑬の言葉にも、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性の、もしかしたら?跳び上がらんばかりに嬉しい?かもしれない弾んだ思いが?表れている?のではないでしょうか?……。
おつかれさまでした。どうでしたか?
百年近く前の米国でも?中年の男性は太っていた?太り気味だった?のでしょうか?……現代の日本と変わらない?ような……この中年の男性も、もしかしたら?典型的なサラリーマンとか?だったりするのでしょうか?……何か研究職とか?専門的な職業とか?……それとも何か高尚な?難解な?趣味とか?持ってたりとか?するのでしょうか?……(ギャッツビーの邸宅の宴に来ていた)大多数の遊んでばっかりで本読まない?みたいな人たちにはわからないけど、本をよく読んで?真の本物の価値がわかる人にだけ見抜くことのできる?真の本物の価値って、どんなものなのでしょう?……凡人にはわからない価値があって?凡人とは違う鑑識眼?とか持ってる?人だけ見抜ける?価値って、どんなものなのでしょう?……それは、大多数の凡人の一人でいる限り、絶対に?わかるようにはならないよ、凡人とは違う鑑識眼?みたいなものを?身につけた人にだけ?見抜き?見きわめ?理解することができるんだよ、と作者は、もしかしたら?言っている?のかもしれません……そして、逆に、自らの価値をわかってもらえていないと感じていたり、誰にもわかってもらえなくて一人浮いてるように感じていたりしていたとしても、真の本物の価値を見抜いて見きわめて理解できる人というのはごくごく限られていて?そう簡単には出会えないかもしれないけれど?それでも、必ず巡り巡って出会えたりする?から、そういう真の本物の価値を見抜いて見きわめて理解できる人に必ず出会える、必ず気づいてもらえる日が来ると信じて、待っていてほしい、とも作者は、もしかしたら?言っている?のかもしれません……類は友を呼ぶ、のであれば、自然に、本物は本物に引かれ、本物同士、本物で集まっていく?……まあ、このメガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした中年の男性を見ればわかるように?本物が偽物を相手にするわけがなく?本物は本物しか相手にしない?から、だから本物になれば本物に出会える?ということでしょうか?……。
今回の考えるヒントに上げたお題 「37ページ8行目 a nice durable cardboard とはどういうことを言っているのか」 ですが……⑫で説明したとおりです。偽物の本とか、ぱっと見は本のように見えて実は単に本に見せかけた厚手の紙でできた箱だったとか、日本では馴染みがない?というか、考えにくい?ようにも思われませんか?……だけど、もしかしたら?1925年頃の米国では(現在でも?)、本に見せかけた箱を本棚に並べるようなことがけっこう?普通に?行われていたり?したのでしょうか?……そんなことに意味があるのだろうか?とか思ったりしなくもないような?……お国が違うと、不思議な慣習?みたいなものがあるのかもしれません……この物語の作者は、きっと本には特別な思い入れとか?あるのではないでしょうか?……それに、本に対する信頼?みたいなものが絶大?かもしれませんね……本をよく読む人は信頼できる?みたいな?……本をよく読んでいる=知恵がある?みたいな考え?でもある?のかもしれません……だから、本物の本を見つけたらしい中年の男性を、フクロウのようにとても大きな目になっていると表現したのかも?しれません……フクロウのように知恵があって?フクロウのようにとても大きな目で真の本物の価値を見通せる?みたいな?意味合いでも?込めている?のかもしれません……実際の(成功よりも失敗の)体験とか経験を通じて得られる知恵もあるけれど、実際に体験とか経験とかしなくても?本を通して得られる知恵も?あって?、そうした本から得られる知恵を?作者はとても大切に?大事に?思って考えている?ようにも思われませんか?……もしかしたら?1925年当時の米国は好景気に沸いていた?ようなので、案外ギャッツビーの邸宅で開かれていた宴と似たような状況が現実に?あったりした?のかもしれません……で、そうした状況を見ていて?何か作者には思うところでもあった?のかもしれない?……酒飲んで騒いでばっかりってのもなあ……どうかなあ……本とか読んだ方がよくない?……本読む時間とかもあった方がよくない?……本から得られる知恵ってあるよ……そういう知恵ってけっこう役に立つよ……みたいな?……体験や経験に勝る知恵はない?かもしれないけれど、それでも、もう少し本を大事にしてもいいような……みたいな気持ちを?作者はもしかしたら?持った?のかもしれません……少なくとも、作者の目には、作者の感覚では、お酒を飲んで騒いで過ごしても、得られる知恵は何もない?ように感じられていた?のかもしれない?……まあ、小説を書いて出版しているくらいですから、本を読んでほしいと思うのは当然?かもしれません……が、ただそれだけでもなくて、心の底から、本の素晴らしさとか、本の価値とか、本当に信じ切っていた?のかもしれません……この作者は、自らが心から価値があると思える、素晴らしいと信じている本を、作り出す仕事に、きっとものすごく誇りを持っていた?のではないでしょうか?……だから、本をとても高い価値のあるものとして描き、本は素晴らしい、本こそ貴重な時間を費やす価値のあるものだ?と、この物語の中で訴えようとしている?ようにも思われませんか?……まあ、ものすごい本好きだし?本オタク?本を信じ切ってる?本しか信じない?本読まないのは人間じゃない?とまではいかなくても?でもそれに近いんじゃないか?というくらい?本に対する信頼感がめちゃくちゃ高い?ように思われませんか?……本と、この中年の男性に、作者の強い思いを託している?ようにも?感じられたり?しませんか?……まあ、でも、なんでも?片寄りすぎるのは怖い?ような?……。
次回も、メガネをかけてとても大きなフクロウの目のようになったでっぷりした肥満した中年の男性の話が続く?ようです……ぜひまた一緒に読んでみてください。
第58回の範囲は、37ページ10行目から37ページ末尾から9行目まで(Taking our scepticism 〜から、and went back ouitdoors. まで)をみていきます。
次回の考えるヒントは……
- 37ページ14行目 It fooled me とはどういうことを言っているのか
次回は、そこまで本に対する思い入れが強い ⁉ と思わされる?かもしれません……ぜひまた一緒にみていってください。
最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。
・どうして作者はその言葉を使用したのか
・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか
・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか
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なお、今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。この連載はだいたい250回くらいになる予定なので、毎回訳文を購読いただいた場合には30回で2万円を超え、トータルでは18万円近くになることをご承知おきください。またいかなる場合も返金には応じられません。また購読いただいた訳文にご満足いただけるとは限らないことをあらかじめご承知おきください。なお、問い合わせなどはご遠慮ください。お断りいたします。