Gatsby-46

このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。

取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。

ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。

(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)

 

前回まで……お酒も食べ物ももうたらふく飲んで食べて満足したし?もう話も十分したし?そろそろ帰ってもかまわないだろうと思ったらしい「自分」――ところが、帰らせてもらえない?……まあ、当然といえば当然?でしょうか?……「自分」みたいに黙って話を聞いてくれる人、酒席ではもうモテてモテてモテまくる?のではないでしょうか?……だから、話を聞いてもらいたくてたまらない酔っぱらいが帰らせるわけがない?……で、ウィルソン夫人も?そのご多分に漏れず?でしょうか?……「自分」のそばに来て、トムと初めて会った時の話を始めたようです……続きを聞いていきましょう。

 

原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。

第46回の範囲は30ページ6行目途中から30ページ末尾から13行目まで(When we came into the 〜から、worried me all the afternoon. まで)をみていきます。

まず、今回の考えるヒントを上げます。

  • 30ページ11-12行目 You can’t live forever とはどういうことを言っているのか

 

なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。

主に使用する辞書

『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)

『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)

『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)

 

それでは今回の範囲をみていきましょう。

① When we came into the station he was next to me, and his white shirt-front pressed against my arm, and so I told him I’d have to call a policeman, but he knew I lied.

「あることが起きたとき……それは、トムとウィルソン夫人の二人が、やって来た……どこの中にかというと、駅だ……トムが、ある状態だった……それは、隣りにいた……誰のかというと、私(ウィルソン夫人)だ……そうやってトムがウィルソン夫人の隣りにいる状態になった後、トムの白いシャツの胸が、押した・圧迫した……何をかというと、ウィルソン夫人の腕だ……そうやってトムの白いシャツの胸がウィルソン夫人の腕を押した・圧迫したので、ウィルソン夫人がトムに言った……ウィルソン夫人は、こうしようかと思うことがあると……それは、やらざるをえないことだ……何をかというと、呼び出すことだ……一人の警察官を……そうやってウィルソン夫人が一人の警察官を呼び出さざるをえないと思うとトムに言ったのだから、普通に考えれば、トムはウィルソン夫人が一人の警察官を呼び出すのだろうと思うところだけれど、実際には違って、トムは、わかっていた……ウィルソン夫人が、嘘をついたことを……」

we は、前回の最後で電車で向かい合った席に座ったらしい、トムとウィルソン夫人の二人を指すのではないでしょうか?

he は(すべて)、トムを指すのではないでしょうか? his も同様ではないでしょうか?

me は、前回に続き、ずっとウィルソン夫人がしゃべっているようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか? my と I も(すべて)同様ではないでしょうか?

I’d は、I would または I should を省略した形ではないでしょうか? should の方が、当然そうすべきだというニュアンスが強くなるのではないでしょうか?

前回の最後にトムとウィルソン夫人の二人が電車で向かい合った席に座ったときの様子が説明されていた?ようでした……そして、その電車がどうやら目的地の?ニューヨークの?駅に着いたようです……で、下りるときでしょうか?トムとウィルソン夫人の二人が隣り合って、トムのシャツの胸がウィルソン夫人の腕を押した?圧迫した?と……で、なんでしょうねえ……ウィルソン夫人がトムに警察官を呼び出さないといけないと思うとか言った?ようです……暴力を振るわれた?みたいな言いがかり?なのでしょうか?……それとも痴漢?でしょうか?……だけど、トムはウィルソン夫人が嘘をついたとわかっていた?と……どういうことでしょうか?……ウィルソン夫人は警察官を呼び出さないといけないと思うとトムに言ったけれど、ウィルソン夫人が言ったとおり警察官を呼び出すことはしないとトムは思った?ということでしょうか?……どうやら、最初にトムとウィルソン夫人の二人が言葉を交わしたのは、このとき?のようです……警察官に来てもらおうかしら、と言ったのが最初にウィルソン夫人がトムにかけた言葉?でしょうか?……だけど、トムの方は、ウィルソン夫人は警察官に来てもらう気はないとわかっていた?と……で、黙っていた?のでしょうか?……。

 

② I was so excited that when I got into a taxi with him I didn’t hardly know I wasn’t getting into a subway train.

「私(ウィルソン夫人)は、ある状態だった……とても興奮していた……だから、ある結果になった……それは、あることが起こったとき……ウィルソン夫人が乗り込んだ……何の中にかというと、タクシーだ……誰と一緒にかというと、トムだ……ウィルソン夫人は、あることをしていなかった……ほとんどまったく……それは、自覚していることだ……ウィルソン夫人が、ある状態ではなかったことを……それは、乗り込むことだ……何の中にかというと、地下鉄の電車だ……」

I は(すべて)、①に続いてウィルソン夫人のしゃべっている言葉のようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?

that は、「これから文が続く」ことを表し、so を受けてどんな結果になるのかを具体的に説明しているのではないでしょうか?

him は、①と同様に、トムを指すのではないでしょうか?

I didn’t hardly know は、本当は、I hardly knew となるべきところが、ウィルソン夫人が正しい言葉使いを知らなくて?このような間違った?言い方になっているのではないでしょうか?

①でウィルソン夫人の方から?トムにひと言?声をかけた後?でしょうか?……ウィルソン夫人はとても興奮していたので、トムと一緒にタクシーに乗り込んだとき、ウィルソン夫人はほとんど自覚していなかったと……ウィルソン夫人が地下鉄の電車に乗り込んでいるのではないということを……どういうことでしょうか?……あまりに興奮しすぎていて?訳がわからなくなって?トムと一緒にタクシーに乗った?というのでしょうか?……本当なら地下鉄の電車に乗るはずだった?……だけど、トムと一緒にタクシーに乗った?……で、トムと一緒にタクシーに乗りながら?ウィルソン夫人は自らが地下鉄の電車に乗っていないことを自覚していなかった?……なんでしょうねえ……気が動転して?突拍子もない行動でも取った?と言いたい?のでしょうか?……う〜〜〜〜ん……おそらく?前回の最後で、ウィルソン夫人はトムから目が離せなかった?トムに釘付けだった?ようですから、まあ、トムとの関係?トムといい仲になること?を望んでいた?のでしょうねえ……で、その場でそのままトムについていった?ということ?のようです……だけど、好機を逃さない?……こんな好機は二度ない?……だから、即その場でもう捕まえて?離さない?……といっても、トムの方もきっと、喜んで?ウェルカム?だった?のではないでしょうか?……そうでなければ、タクシーに二人で同乗させるでしょうか?……ということは、ウィルソン夫人はおそらく、いつもなら地下鉄の電車に乗り換えて妹のキャサリンのところに行く?のでしょうか?……でもこのときは、そうはせず、トムについていった?ようです……ただ、トムの方は正装・礼装の三つ揃い姿?だったようなので、途中まで一緒?ってこと?でしょうか?……で、後でどこかで落ち合う?とか?連絡先を交換しておく?とか?だった?のでしょうか?……トムにしたら、一人女が引っかかった?よし?って感じ?でしょうか?……せっかくかかった獲物ものは逃さない?とか?……なんだか、どっちもどっち?……どっちも軽率?……大丈夫?……いや、相性さえ合えばいいって?……時間なんて問題じゃない?フィーリング?さえ合えば?問題ない?……本当に?……。

 

③ All I kept thinking about, over and over, was 'You can’t llive forever; you can’t live forever.'"

「すべてのことは……私(ウィルソン夫人)が、ずっとしていた……考えることを……何についてかというと、それがすべてのことで……何度も何度も繰り返し……あるものだった……それは、"あなた(私でありウィルソン夫人)は、あることができない……それは、生きることだ……その期間は、永遠だ……あなた(私でありウィルソン夫人)は、あることができない……それは、生きることだ……その期間は、永遠だ……"』」

今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。

All は、本来 about の後に来るはずなのが、前に出ているのではないでしょうか?

I は、①②に続いて、ウィルソン夫人の言葉が続いているようなので、ウィルソン夫人を指しているのではないでしょうか?

You は、I つまりウィルソン夫人を指しているのではないでしょうか?……ここでは、ウィルソン夫人が自らに話しかけている?のではないでしょうか?

②でトムと一緒にタクシーに乗りながらウィルソン夫人がずっと考えていたことは、どうやら一つ?しかなかった?のではないでしょうか?……それが、まるで自らに言い聞かせるように?何度も何度も繰り返し?壊れたレコードみたいに?同じ言葉がずっとリピート状態?だった?ようです……で、その言葉とは?――あなたは永遠に生きることはできない、と……どういうことでしょうか?……当然誰しも命には限りがある?……ということは、いつまでも生きられるわけじゃない?生きられる年数は限られている?……だから?どうなんでしょうか?……今の夫との結婚生活をこのまま続けてていいの?……このままあの灰の谷で一生を終えていいの?本当に?……今、目の前に夢にまで見た?理想の男性ひと?を見つけたのよ!……こんなステキな男性を前にして、手をこまねいているなんて、そんなの考えられて ⁉ ……ダメよ ‼ ……つかむのよ ‼ ……一世一代?のこの好機を ‼ ……と思った?のでは?ないでしょうか?……だから、人生後悔しないように、今行動を起こすのよ!と自らに言い聞かせていた?のではないでしょうか?……これは同時に、夫のウィルソンに対する裏切り行為なわけで、そうした行為に出る自らの良心の呵責かしゃく?を抑える?というか静める?というかごまかす?というか、まあ、言い訳?でしょうか?……自らの裏切り行為を正当化する口実?にもなっていた?のでは?ないでしょうか?……もう、どうしても今の夫が耐えられない?今の生活にもうんざり?……あたしの人生、こんなはずじゃなかった?……まだ今なら?やり直せる?……まだ今なら?間に合う?……今からでも、別の人と新たな人生を始めて?そして悔いのない人生を送りたい?……たぶん、トムの後について、トムと一緒にタクシーに乗り込んだ時点で、もう夫を裏切ったも同然?だった?のではないでしょうか?……別に、ただそれだけで不貞行為は成立しない?とかそういう理屈の問題ではなくて、ウィルソン夫人の心が、トムと一緒にタクシーに乗り込むという行為=夫を裏切ってトムと幸せになるのだという決意?覚悟?を定めた?ということ?ではないでしょうか?……トムの方は、まあきっと?ごくごく?軽い気持ち?だった?かもしれませんけど、ウィルソン夫人の方は、仮に形だけの夫婦に成り下がっていたとしても、それでも夫がいるという事実に変わりはありませんから、その夫を裏切った行動を起こすというのは、並大抵なみたいていではない?半端ない?覚悟?があったはず?でしょうか?……そうやって考えると、②でウィルソン夫人がほとんど?無意識のうちに?トムと一緒にタクシーに乗り込んでいた?というのも理解できるわかる?でしょうか?……夫人にしてみれば、一世一代の賭け?だった?のかもしれません……。

 

④ She turned to Mrs. McKee and the room rang full of her artificial laughter.

「ウィルソン夫人が、向きを変えた……どちらの方にかというと、マッキー夫人だ……そうやってウィルソン夫人がマッキー夫人の方に向きを変えた後、(リビングの)部屋が、鳴り響いた……あるものに満たされた状態で……それは何かというと、ウィルソン夫人の人為的な・不自然な笑いだ……」

She は、前回の最後に続き①②③とずっと話し続けてきた、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか? her も同様ではないでしょうか?

長い間一人でずっとしゃべってきたウィルソン夫人が、③でようやく話し終えた?ようです……で、「自分」にひとしきりしゃべって?満足した?のか、今度はマッキー夫人の方に向いた?ようです……それから、そのリビングの部屋全体に?ウィルソン夫人の人為的な・不自然な笑いが鳴り響いた?ようです……なんだか、ねえ……世界を征した?天下でも取った?……いや、実際、トムに会ったとき、そしてトムと一緒にタクシーに乗り込めた?とき、そんな気分だった?のでは?ないでしょうか?……やったわ!とうとう!……みたいな?……これであたしにも運が向いてきたわ!……みたいな?……これであの灰の谷から抜け出せるわ!いや、必ず抜け出してみせるわ!この好機を人生の転機にしてみせるわ!……みたいな?……覚えてらっしゃるでしょうか?――このウィルソン夫人は、爆弾ボディ?で元気や活力が体中から爆発しそうなくらい?パワフル?な印象?のようでした……そうしたウィルソン夫人ならでは ⁉ でしょうか?……それぐらいパワフルな女性なら?さもありなん?でしょうか?……すごいですねえ……すさまじいですねえ……で、デイジーはこのウィルソン夫人に、電話で嫌がらせを受けている?ようでした……しかも、トムの嘘のせいで、覚えのない責めまで負わされて?凄まじい悪意とうらみのおもいを向けられている?……デイジーの立場に立ったら、たまりませんねえ……「自分」はこのとき、どんな気持ちでウィルソン夫人の話を聞き、ウィルソン夫人のそんな様子を見ていたでしょうか?……やっぱり、うわつらやぱっと見しか目がいかない、人の心の奥底の思いや真意に気づけない、意識が向かないウィルソン夫人とトムは、底抜けの愚か者?ではないでしょうか?……黙って聞いてもらえていれば、肯定してもらえている、受け入れてもらえていると単純に思うなんて、それこそ本物のバカ?ってことに?ならない?でしょうか?……だから?「自分」は思い上がりたくない?謙虚でいたい?と愚か者の姿を前にするたびに?あらためて思う?のかも?しれない?でしょうか?……。

 

⑤ “My dear," she cried, “I’m going to give you this dress as soon as I’m through with it. I’ve got to get another one to-morrow. I’m going to make a list of all the things I’ve got to get.

「『ウィルソン夫人の親愛なる人……』ウィルソン夫人が、大声で呼んだ……『ウィルソン夫人は、あることをするつもりだ……それは、与えることだ……あなた(マッキー夫人)に……このドレスを……あるときに……それは、すぐに……あるときと同じときに……ウィルソン夫人が、ある状態になる……終わった……何がかというと、そのドレスだ……ウィルソン夫人は、しなければならないことがある……それは何かというと、手に入れることだ……別のドレスを……明日……ウィルソン夫人は、あることをするつもりだ……それは、作ることだ……一覧を……何のかというと、すべて……物全部を……ウィルソン夫人が、しなければならない……手に入れることを……』」

My は、④でマッキー夫人の方を向いて、どうやらまたしゃべりだした?らしい、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか? I も(すべて)同様ではないでしょうか?

My dear は、親しい人に向かって親しい気持ちを表して呼びかける言葉のようです。

you は、④でウィルソン夫人が向きを変えた相手である、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?

this は、今ウィルソン夫人が身に着けているドレスを指しているのではないでしょうか?

it は、this dress を指すのではないでしょうか?

I’ve got to は、I have got to を短縮して言った形ではないでしょうか?

another は、this dress とは別のものという意味で使われているのではないでしょうか?

one は、dress を言いかえているのではないでしょうか?

the things は、本来 I’ve got to get の後に来るはずなのが、all に引っぱられて前に出ているのではないでしょうか?

なんでしょうねえ……④でマッキー夫人の方を向いて?リビング全体が鳴り響くように人為的な不自然な笑いをして?それから⑤でマッキー夫人に親しげに?れしく?大声で呼びかけた?ようです……何事かと思いきや……今着ているドレスをマッキー夫人に与えるつもりだと……ウィルソン夫人がそのドレスを(使い)終えたらすぐにと……で、明日にでも別のドレスを手に入れなければと……そして、一覧を作るつもりだと……ウィルソン夫人が手に入れなければならない物すべての……なんでしょうねえ……世界を征したから?天下を取ったから?今度は格下かくしたに?自らの使い古し?お古?をたまわってやろうと?……何様 ⁉ ……っていうか、本っ当に!バカ?って思われない?でしょうか?……だって、たしか第39回(26ページ14-15行目)のお世辞?おべんちゃら?おべっか?をに受けてない?ですか?……あのとき、マッキー夫人は、本気でめていたのでしょうか?……あくまでも下心があっての?ほめ言葉?だったのでは?ないでしょうか?……それなのに……もう完全に?思い上がっちゃってて?そんなことも?わからない?……だけど、ウィルソン夫人にしてみたら、得意の絶頂?なのでしょうか?……このドレス与えても?また別のドレスを手に入れればいいことだし?みたいな?……だって、あたしには!トムがいてくれるんだものっ ⁉ ……な〜んでも手に入るんだものっ ⁉ ……夫と違って、超!お金持ちだから ⁉ ……みたいな?……手に入れなきゃいけないもの?いや、欲しいもの?ぜ〜んぶ!手に入れちゃうわっ ⁉ ……みたいな?……⑤では、マッキー夫人に自慢してる?んじゃないでしょうか?……あたしのトムはね、なんでも買えちゃうの!どう?すごいでしょ?うらやましいでしょ?みたいな?……今まで、甲斐性のない夫に何も買ってもらえてこなかった?から……もう、本当は今まで、そうやってお金持ちの夫に?なんでも買ってもらえてそうな女性がうらやましくてうらやましくてたまらなかった?のではないでしょうか?……で、念願かなって?とうとう?ウィルソン夫人もそんな立場に立てた?……そりゃあもう自慢しまくらなくっちゃ?ってところ?でしょうか?……さて、マッキー夫人、これを聞きながら、どう思っていたでしょうか?……感じ悪?嫌な女?とか思ったでしょうか?……きっと違う?それはない?のではないでしょうか?……むしろ、内心では、ウィルソン夫人のことを笑っていた?可能性だって?ありうる?でしょうか?……いやいや、その辺に関しては?余裕があるし?心もずっと広いから?聞き流していた?でしょうか?……まあ、きっと、少なくとも全部お見通し?だったのでは?ないでしょうか?……だから、もしかしたらあわれむような気持ちで?聞いていた?かもしれない?でしょうか?……なんにしても、きっとこれっぽっちも、ウィルソン夫人のことをうらやましいなどとは思っていない?のではないでしょうか?……そんな自慢を嬉しそうにせずにはいられないウィルソン夫人のことを、可哀想かわいそうにと思っていた?可能性だって?あるのでは?ないでしょうか?……だけど、大事な夫の大事なお客?(ねぎしょった)"かも"?ですから?絶対に無下にはしない?大切に大切に?おもてなしの心で?接する?……たっぷりいい気持ちになってもらって?たんまり写真を撮らせてもらえさえすれば?どんな扱いも?平気?なんともない?……まあ、マッキー夫人もウィルソン夫人もどっちもどっち?たいがい?な感じ?ですけど、夫を裏切ってるウィルソン夫人が、マッキー夫人にある意味だまされてる?というか踊らされてる?というか……なんでしょう……人を裏切るようなことをする人間は、他の人から軽く見られたりぞんざいに扱われたりするのでしょうか?……もしかしたら、マッキー夫人は、ウィルソン夫人やトムみたいな人間は、別にだまして利用するくらいのことしてもかまわない?ちょっとくらいこっちの都合のいいように利用してもかまわない?とか思ってたり?するでしょうか?……夫を裏切り、妻を裏切るような人間は信用できないわ?と……そんな人間は、その程度の扱いで十分?と……いやいや、考えすぎ?でしょうか?……でも、どう見ても?トムとウィルソン夫人は性質たち悪い?……そういう人間は、まともな人なら相手にはしない?……どうでしょうか?……少なくとも、「自分」は、表向き波風は立てないけど、内心ではまったく相手にしてない?のでは?ないでしょうか?……。

 

⑥ A massage and a wave, and a collar for the dog, and one of those cute little ash-trays where you touch a spring, and a wreath with a black silk bow for mother’s grave that’ll last alll summer.

「マッサージに、(髪に)ウェーブをかけること、それから、首輪……何のためのかというと、タクシーで来るときに買ってきた犬だ……それから、一つ……何のかというと、あの例のきれいなささやかな灰受けだ……あの例のきれいなささやかな灰受けで、あなたは(誰でも)、触る・当てる……ぜんまいを……それから、リース……あるものが付いた……それは、黒い絹の蝶結びだ……何のためかというと、母親の墓だ……その黒い絹の蝶結びが付いたリースが、これからある状態になる……たもつ・長持ちする……全部の夏……」

those は、「あれらの」「例の」と特定のものを指すニュアンスで使われているのではないでしょうか?

where は、those cute little ash-trays を指すのではないでしょうか?

you は、those cute little ash-trays を使う人なら誰でも、というニュアンスで使われているのではないでしょうか?

that は、a wreath with a black silk bow (for mother’s grave) を指して言いかえているのではないでしょうか?

⑤の最後で、手に入れなければならないものの一覧を作ると言っていた?ようでした……で、⑥では、その具体的な項目?を上げている?ようです……ものと言っても、まずは、マッサージと……次に(髪に)ウェーブをかけることと……要は、身体のお手入れ?でしょうか?……それから、今度は、タクシーで来るときに買ってきた犬の首輪と……そして、灰受けと……それも、なんでもいいわけではなくて、特定のもののようです……あの例のきれいなささやかなものだと……で、その灰受けでは、ぜんまいを触る・当てる?と……なんでしょう……(タバコの?)灰を落とすのに何か工夫?でもされている?のでしょうか?……最後に、黒い絹の蝶結びが付いたリースと……それは、母親のお墓に供える?のでしょうか?……だから、夏の間ずっとたもつような長持ちするものでなければならない?と……随分ずいぶん?たくさん?ある?ようですねえ……だけど、なんでしょう……生活感?を感じる?……ウィルソン夫人の生活がよく表れている?……お墓の母親とは、あのリビングの写真の母親でしょうねえ……そうすると、最近?亡くなった?のでしょうか?……それとも、もともとウィルソン夫人か妹のキャサリンが持っていた写真を元に?マッキー氏が何か創作?したのでしょうか?……ちょっとその辺りはわかりませんが、なんにしても、ウィルソン夫人と妹のキャサリンの母親はもう他界している?ようです……そうすると、リビングのあの写真、第37回でみたように、作者はその写真に、ウィルソン夫人に不貞行為を責める?意味合いというか、夫への裏切り行為を母親に対して恥ずかしいと思わないのか ⁉ と非難しているようでしたが、こうなると、もう亡くなったこの世にいない天国に行ったはずの母親に対して、顔向けできるのか ⁉ みたいな感じで?責め立てている?のでしょうか?……買ってきたばかりの犬にも、首輪を用意してやろうという気持ちがある?ようです……それにしても、酒はあおるし?タバコは吸うし?……しかも、もしかしたら、けっこうな?ヘビースモーカー?……そうでなければ、灰受けにこだわりを持つ?でしょうか?……それとも、トムのために?と思って目をつけていた?灰受け?だったりする?のでしょうか?……この辺りも、はっきりしたことはわかりませんが……ただ、現代の日本でどれくらいの割合で二十代三十代の女性がタバコを普通に吸うのかわかりませんが、米国では、かなり高い割合で?けっこう若い女性が?それも独身に限らず既婚者でも?吸ったりするような?印象が?あるかも?しれない?でしょうか?……映画を見たりしていても、ごく普通の主婦、という設定の女性が、足を組んで片手にタバコを持ってスパスパと勢いよくタバコを吸っていたり?していたり?なんか?する?ような?……日本人のごく普通の主婦、というイメージとはちょっと違う?ような?……少なくとも、1925年頃の日本で一家の主婦がタバコをスパスパというのは想像しにくい?ような?……どうでしょうか?……。

 

⑦ I got to write down a list so I won’t forget all the things I got to do."

「私(ウィルソン夫人)は、しなければならないことがある……それは、書き留めることだ……一覧を……そうやって一覧を書き留めれば、その結果、ウィルソン夫人は、あることをしないだろう……それは、忘れることだ……すべて……物全部を……ウィルソン夫人が、しなければならない……手に入れることを……』」

I は(すべて)、⑤⑥に続いてウィルソン夫人の言葉が続いているようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?

I got to は、⑤で出てきた I’ve got to の 've が省略された形ではないでしょうか?……同じようなことを繰り返し言っているので、略したのではないでしょうか?

do は、⑤の最後に出てきた get を指して言いかえているのではないでしょうか?

⑥で手に入れなければならないものをズラーッと並べ立てて、で、たくさんあるなあ?と思った?のでしょうか?……で、一覧を書き留めなきゃいけないと……そうやって書き留めれば、そのおかげで?忘れないだろうからと……手に入れなければならないものをすべて……⑤では完全に?マッキー夫人に自慢していい気分モード?だったのが、⑥で要るものは?と考えだしたら、案外?いや本当に?実際?たくさんあるな、と……で、これは書き留めなくては、と思い始めた?……で、書き留めておけば、全部要るもの忘れないものねと……そういうこと?のようです……でも、ウィルソン夫人、本当に楽しそう?……いつまで続くのか?わかりませんが?つかの間の?幸せ?かもしれなくても?灰の谷のことを思ったら?愚かでも?バカだと思われても?それでもこの幸せを味わえるなら?どう思われても?かまわない?……自らが幸せを実感できるのなら?人にどう言われようと?どう思われようと?どうでもいい?気にならない?気にしない?……一度しかない人生?後悔したくないから?……。

 

⑧ It was nine o’clock — almost immediately afterward I looked at my watch and found it was ten.

「時刻は、ある状態だった……それは、九時だ――ほとんど、すぐに、その後……「自分」は、目をやった……何にかというと、「自分」の(懐中)時計だ……そうやって時刻が九時だったほとんどすぐにその後「自分」が「自分」の(懐中)時計に目をやったら、わかった……時刻が十時だと……」

It (it) は(すべて)、時刻を表すのではないでしょうか?

九時だ、と思ったら?ほとんどすぐにその後「自分」の手元の?時計に目をやったら、十時だった?と……どういうことでしょうか?……時計が狂っていたのか?それとも「自分」の意識や感覚が狂っていたのか?……あれ?さっき九時だと思ったけど、もう十時?……みたいな?……どちらもありえそうな?……もしかしたら?どちらもある?と言っている?……それとも、あっという間に時間が経っていた?と言っている?可能性も?ある?……まあ、感覚的には?そんな感じで?夜が更けていった?と言っている?のでしょうか?……。

 

⑨ Mr. McKee was asleep on a chair with his fists clenched in his lap, like a photograph of a man of action.

「マッキー氏が、ある状態だった……それは、寝入っていた……どこでかというと、椅子の上で……ある状態で……それは、マッキー氏の両手・両方のげんこつ・握りこぶしが、固められた・しっかりとつかまれた……どこでかというと、マッキー氏の膝の中だ……例えるならまるで、写真だ……誰のかというと、男だ……どんな男かというと、活動する男だ……」

his は(すべて)、Mr. McKee を指すのではないでしょうか?

マッキー氏も「自分」同様、静かに?黙って?じっと?見て?聞いて?いたのでしょうか?……で、酔いもまわって?お腹もいっぱいになれば?そりゃ寝入ったりもする?……その様子が、なぜでしょう?……両手がギュッとげんこつの状態に?固まっていた?と……両足が開いていて?ももの間にでも両手がそうやって入っていた?ような状態?……脱力した感じで両足が開いてその間に両手がだらんと垂れ下がったような状態なら、寝入った姿としては自然?でしょうか?……だけど、なぜかマッキー氏は、両手がギュッとげんこつの状態に?固まっていた?と……どうしたのでしょうか?……なんでしょう……夢でも見てる?……ぐっとこらえてる?……それとも何かつかんでる?……どうしてそんな力の入った?状態なのかわかりませんが、マッキー氏も、いろんなストレス?こらえながら?この飲み会の席に?じっと座っていた?のでしょうか?……そうやって寝入っている姿が、まるで一枚の写真のように?「自分」には見えた?ようです……それも、活動する男?の写真に……両手に力が入っていた?からでしょうか?……なんだか、「自分」とマッキー氏は、もしかしたら相通じるものが?あったかも?しれない?でしょうか?……何も言わなくても、同じつらさ?ストレス?を共有した?ような?……二人の間だけでわかる?同じ?思い?……無言でも、互いにねぎらい合っている?ような?……いや、本当にまったく、大変ですな……いやはや、本当にまったく、大変ですね……いったいいつになったら終わるのやら……いやはや、まったく、本当にいつになったら終わるのやら……なーんて?……いや、マッキー氏はきっと、寝入った姿だけじゃなくて、実際活動する?写真家?なんじゃないでしょうか?……ロングアイランド島にも行って海とかカモメとかの写真も撮っていた?ようだったし?……それもこれも?何もかも?ひたすら?写真のため?……写真のためなら?どんな面倒で厄介やっかいな付き合いもいとわない?……その心意気こころいき?は表彰ひょうしょうもの?……たたえてもいい?……もしかしたら?「自分」はそんな思いで?マッキー氏の寝姿を?見ていた?かもしれない?でしょうか?……。

 

⑩ Taking out my handkerchief I wiped from his cheek the remains of the spot of dried lather that had worried me all the afternoon.

「(手に)取って……出した……「自分」の柔らかい紙・ティッシュ・ちり紙を……「自分」は、ぬぐった・ふいた……どこからかというと、マッキー氏のほっぺた・ほおだ……(そこに)残っていたものを……何のかというと、しみ・汚れだ……さらに何のかというと、乾燥した石けんのあわだ……その乾燥した石けんのあわのしみ・汚れの残っていたものは、ずっとある状態だった……それは、気をもませた・イライラさせた……「自分」を……すべての……その日の午後……」

handkerchief は、柔らかい紙、つまりティッシュやちり紙のようなものも指す?ようです。

his は、⑨で出てきた Mr. McKee を指すのではないでしょうか?

that は、直前の the remains of the spot of dried lather を指して言いかえているのではないでしょうか?

⑨でマッキー氏の寝入った姿を見て?「自分」はある行動を?起こしたようです……それは、「自分」の持っていた?ティッシュやちり紙を取り出して?ぬぐった・ふいた?と……何をか?――マッキー氏のほっぺた・ほおについていた?らしい乾燥した石けんのあわのしみ・汚れが残っていたもの?を……そのマッキー氏のほっぺた・ほおについていた?らしい乾燥した石けんのあわのしみ・汚れが残っていたものは、その日の午後の間中?「自分」の気をもませてイライラさせていた?ようです……これは、愛と思いやりの行い?じゃないでしょうか?……っていうか、マッキー夫人はいったい何やってんの?……夫の顔についたそういうもの、きれいにしてあげないの?……気づいてないの?そんなことある?……なんだか不思議ですねえ……妻としては行き届いていない?ような?……まあ、マッキー氏は気づいていない?のでしょうが……それとも、他人ひとの前で妻がそういうことするのはマッキー氏の方が?嫌がったりする?のでしょうか?……確かなところはわかりませんが、まあ、ここでは、「自分」がきれいにしてあげた?ようです……マッキー夫人、写真には熱心だけど?他のことが抜けてるの?どうでもいい?……まさかとは思うけど、マッキー氏以上に写真に夢中すぎて?他のことが目に入らないとか?……もしかしたら、マッキー夫人なら?そういうことも?あるかも?しれない?でしょうか?……そうか!だからさっき、マッキー氏の寝姿、両手に力が入って?……マッキー夫人の期待になんとか応えなくては?ともう?そりゃあ?頑張ってる?……それならそれで?ご愛嬌あいきょう?……ところで、ここでも、「自分」は、本当に行き届いている?……どこまでも? a super-super–perfect rose?……マッキー氏、いい夢見てるといいですね……。

 

おつかれさまでした。どうでしたか?

ウィルソン夫人も案外、平然とトムとの付き合いを始めたわけでもなく?もしかしたら?清水の舞台から飛び降りる?くらいの覚悟?でトムの胸に飛び込んだ?みたいな?感じ?だったのでしょうか?……それより、マッキー夫人が、怖いですねえ……沈黙が……じーっとだまーってウィルソン夫人一人にしゃべりたいだけしゃべらせる?作戦?だったりして?……それもきっと、表向き?顔だけは?にこにこーっとしながら?お腹の中では何考えてるんだか?わかったものじゃなかったりして?……その一方で、「自分」の姿にほっとなごみませんか?……もう、すさまじい人たちと?凄まじい展開の中で?唯一のやし?みたいに?なってたり?しませんか?……。

今回の考えるヒントに上げたお題 「30ページ11-12行目 You can’t live forever とはどういうことを言っているのか」 ですが……③で説明したとおりです。たしかにねえ……と、もしかしたら?共感される方も?いらっしゃるかも?しれません……命には限りがあり、人生は一度きりで、だったら誰でも?後悔したくはない?でしょうか?……ただ、自他ともに?大きな?犠牲を?伴う?決断?なので?そこは難しいものがある?でしょうか?……そうやって、自らを鼓舞こぶする?というか励ます?というか、そうでもしないと?ウィルソン夫人でも踏み出せないものが?あった?のでしょうか?……で、思い切って踏み切った?と……で、とりあえず、そうやって踏み切って?踏み出して?よかった?と思っている?のではないでしょうか?……だけど、はたして、すんなりいくかどうか?……それも、一番の壁は、案外?夫のウィルソンでもなく?かたきのデイジーでもなく?一番身近な味方?だと思っていたトム?だったりして?……。

次回は、驚きの展開が?あるかも?しれない?……ぜひまた一緒にみていってください。

 

第47回の範囲は30ページ末尾から12行目から31ページ11行目途中まで(The little dog was sitting 〜から、continued on out the door. まで)をみていきます。

次回の考えるヒントは……

  • 30ページ末尾から10-8行目 People disappeared, reappeared, made plans to go somewhere, and then lost each other, searched for each other, found each other a few feet away. とはどういうことを言っているのか

次回は、トムの本音と本性があらわになる?……ぜひまた一緒に読んでみてください。

 

最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。

Point

・どうして作者はその言葉を使用したのか

・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか

・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか

 

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Posted by preciousgraceful-hm