Gatsby-45

このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。

取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。

ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。

(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)

 

前回まで……妹の指摘に、どうして今の夫と結婚したのかを回答したらしいウィルソン夫人――そうやって答えながらも、頭にあるのはトムとの結婚だけ?……とにかくトムへのアピールがすごい?……そして、みんなの酒の飲み方もすごい?……大丈夫?……夫のウィルソンをほったらかしにして?……妻のデイジーをないがしろにして?……無事に済むの?……続きをみていきましょう。

 

原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。

第45回の範囲は29ページ末尾から14行目途中から30ページ6行目途中まで(Tom rang for the janitor 〜から、advertisement over his head. まで)をみていきます。

まず、今回の考えるヒントを上げます。

  • 29ページ末尾から9-6行目 Yet high over the city our line of yellow windows must have contributed their share of human secrecy to the casual watcher in the darkening streets とはどういうことを言っているのか

 

なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。

主に使用する辞書

『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)

『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)

『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)

 

それでは今回の範囲をみていきましょう。

① Tom rang for the janitor and sent him for some celebrated sandwiches which were a complete supper in themselves.

「トムが、呼び鈴を鳴らした……何を求めてかというと、用務員・清掃員・門番だ……そうやって呼び鈴を鳴らして用務員・清掃員・門番(に来るよう)に求めた後、派遣した・やった……その用務員・清掃員・門番を……何を求めてかというと、とある名高い・高名なサンドウィッチだ……そのとある名高い・高名なサンドウィッチは、ある状態だった……それは、完全な・完結した夕食・夜食・軽食だ……そのもの・それ自体が……」

him は、the janitor を指すのではないでしょうか?

which は、直前の some celebrated sandwiches を指して言いかえているのではないでしょうか?

themselves は、some celebrated sandwiches を指しているのではないでしょうか?

前回の最後に、何やらみんな競って?酒を飲んでいる?ような状態だったと説明があったようですが、今度は、食べ物の話?をしているようです……このうたげ?のホスト?であるトムが、マンションの用務員?か清掃員?か門番?かを呼び鈴を鳴らしてトムとウィルソン夫人の二人の部屋まで来させた?……そして、その用務員?清掃員?門番?を派遣して?やって?とある名高い・高名なサンドウィッチを取りに行かせた?持って来させた?ようです……で、そのとある名高い・高名なサンドウィッチは、そのとある名高い高名なサンドウィッチ自体が完全な・完結した夕食・夜食・軽食だった?と……なんでしょう……贅沢ぜいたくな?高級?サンドウィッチみたいなものでしょうか?……で、そのサンドウィッチだけで、食事になった?他の食べ物がなくても足りた?ということ?でしょうか?……第37回や第40回でウィルソン夫人がエレベーター係の若者・少年を使い走りに利用していた?ようでしたが、なんでしょう……トムも同じようなことをやっている?のでしょうか?……なんだか、そんな私用?に使えるの?……それとも、チップ?さえはずんでもらえれば?けっこうすんなり?応じる?ものなの?でしょうか?……トムがやってたから?ウィルソン夫人も真似をしていた?のでしょうか?……「自分」をトムの自宅(デイジーのいる邸宅)に招いた?ときもそうでしたけど、トムは食事とか飲み物の手配とかはまめ?に面倒見る?のでしょうか?……。

 

② I wanted to get out and walk southward toward the Park through the soft twilight, but each time I tried to go I became entangled in some wild, strident argument which pulled me back, as if with ropes, into my chair.

【One More Library の原書データでは、the park と小文字になっていますが、Scribner の書籍によれば、the Park と大文字になるのが正しいようなので、訂正しておきます。】

「「自分」は、やりたいことがあった……それは、腰を上げて、外に出ることで……そうやって腰を上げて外に出て、そして歩くことだ……南の方に向かって……どこに向かうかというと、セントラルパークだ……どこを通り抜けるかというと、柔らかい・落ち着いた・心地よい・温和な・こころよい・優しい……たそがれだ……そのように「自分」は腰を上げて外に出て、南の方に向かってセントラルパークを目指し、柔らかい・落ち着いた・心地よい・温和な・快い・優しいたそがれの中を通って歩きたかったのだから、普通はそのとおり「自分」のやりたいようにできたのだろうと思われるだろうけど、実際には違って……あることをするたびに……それは、「自分」がやろうとした……何をかというと、そのトムとウィルソン夫人の二人の部屋を離れる方向に動くことで……(そのたびに)「自分」は、ある状態になった……それは、もつれた・からまった・ひっかかった・巻き込まれた状態で……何にかというと、とある・何かの乱暴な・手に負えない・途方もない・とっぴな・無謀な……耳ざわりな・不快な・露骨な……議論・言い合いだ……そのとある・何かの乱暴な・手に負えない・途方もない・とっぴな・無謀な、なおかつ耳ざわりな・不快な・露骨な議論・言い合いが、引っぱった……「自分」を……戻す・戻る方向に……その様子は例えるならまるで……あるものを使って……それはロープだ……あるものの中へ……それは、「自分」の(座っていた)椅子だ……」

the Park は、ニューヨーク(都市圏)で"公園"と言えば、セントラルパークを指すのではないでしょうか?

which は、直前の some wild, strident argument を指して言いかえているのではないでしょうか?

お酒も相当飲んで?サンドウィッチも食べて?満腹?……で、「自分」は、外に出て歩きたいと?思ったようです……で、そのトムとウィルソン夫人の二人の部屋は、セントラルパークよりもさらに北にタクシーを走らせた先にあった?らしいニューヨーク(都市圏)の百五十八丁目だったようなので、どうやら「自分」は、その通り過ぎてきた?セントラルパークの方に向かって歩こうと?思ったようです……もう日が沈んで?目に柔らかい?肌に心地よい?黄昏時たそがれどき?……昼間のように明るくはないけれど、夜のように真っ暗でもない……淡い?優しい?オレンジでも青でもない?なんとも一言では説明できないような様々な色?玉虫たまむし色?……暑さもやわらぎ?かといって夜気のように冷たくもない?……外を歩く人を優しく包み込んでくれるような?そっと肌に寄り添うような?軽やかな辺りの空気?……そうした夏ならでは?の日が沈んだ後の散歩?をのんびり?ゆったり?楽しみたかった?のでしょうか?……で、酔いまし?も兼ねて?出ていこうとした?のではないでしょうか?……ところが!そうは問屋が卸さない?……腰を上げようとするたびに?いや、逃げようとするたびに?……もつれてからまってひっかかって巻き込まれる?と……何に?――なんだかよくわからないけれど、乱暴で手に負えない途方もない突飛とっぴな無謀な、なおかつ耳ざわりで不快で露骨な議論・言い合いに……で、そんな乱暴で手に負えない途方もない突飛な無謀な、なおかつ耳ざわりで不快で露骨な議論・言い合いが「自分を」引っぱって戻した……「自分」の座っていた椅子に……まるでロープを使っているかのようにと……もうこれ以上お酒は飲みたくない?もうキャサリンに聞かされるトムとウィルソン夫人の話も十分?うんざり?……もう帰りたい?一人になりたい?ここから出たい?逃げ出したい?……よし、これだけ付き合ったんだし、もういいだろう……帰ろうと……だけど、いざ帰ろうとすると、なんだか訳のわからない話?にでも巻き込まれる?のでしょうか?……それがもう手に負えない?不快な話?……どんな話なんでしょう?……というより、ちゃんと話になっているのでしょうか?……単なる酔っ払いのたわごと?だったり?する?……なんでしょう……とにかく、「自分」を帰らせまいとして、酔っ払いが訳のわからない話?でもふっかける?のでしょうか?……で、律儀で誠実な「自分」は、そうしたものに一々?丁寧に?応じる?のでしょうか?……無視するとか、強行突破するとか、そんなことはしない?……どこまでも好青年?……で、そうやって帰りたくても帰れない様子が、まるでロープを使って椅子に引っぱって戻されてでもいるようだった?と言っている?ようです……ロープが出てくる……強烈ですねえ……軟禁なんきん?いや監禁かんきん?状態?……勘弁してくれよ、帰らせてくれよ……と思っていた?のでは?ないでしょうか?……a super-super-perfect rose ……どこまでも父親の教えを守っている?のでしょうか?……でもそれが、賢明?かもしれません……。

 

③ Yet high over the city our line of yellow windows must have contributed their share of human secrecy to the casual watcher in the darkening streets, and I was him too, looking up and wondering.

「(トムとウィルソン夫人の二人の)部屋の中で起きているそうしたこと――たとえば、「自分」が帰ろうとしても帰れない状態は、普通は部屋の外の通りにいる人たちにはわからないと思うところだろうけれど、それが実際には違って……高い場所で……何の上かというと、ニューヨークという大都会で……今「自分」のいるトムとウィルソン夫人の二人の部屋のある横に長いアパートの建物の……列になったもの……何がかというと、黄色い窓で(いくつも)……ある状態にちがいない……あることをした……それは、与えた……そうした黄色い窓の……分け前・共有する部分を……何のかというと、人間の秘密だ……何にかというと、偶然に見た人だ……どこでかというと、暗くなっていく通りだ……そうやってニューヨークという大都会の上にある高い場所で今「自分」のいるトムとウィルソン夫人の二人の部屋のある横に長いアパートの建物の列になったいくつもの黄色い窓が、そうしたいくつもの黄色い窓の人間の秘密の分け前・共有する部分を、暗くなっていく通りで偶然に見た人に与えたにちがいないと「自分」が思うことを伝えた上で、付け加えると、「自分」は、その暗くなっていく通りで偶然に見た人だった……その暗くなっていく通りで偶然に見た人と同じように……目線をやって……上の方向に……そうやって目線を上の方向にやって、なおかつ、不思議に思う・好奇心を持つ……」

今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。

the city は、ニューヨーク(都市圏)を指すのではないでしょうか?

our は、今「自分」のいる、帰りたくても帰らせてもらえない?トムとウィルソン夫人の二人の部屋を指すのではないでしょうか?

their は、yellow windows を指すのではないでしょうか?

him は、the casual watcher in the darkening streets を指すのではないでしょうか?

②で帰りたくても帰れなくて閉口へいこうした?らしい話をした上で、そういう室内の様子は外の人にはわからないように思われるけれど、「自分」はそうとは限らないと?思っているようです……どうしてか?――通りを歩いていると、夕刻になれば都会に建ち並ぶ高層アパート?の窓に明かりが灯る……その明かりの灯った窓の方に顔を上げて見て、何やら思いめぐらす?のでしょうか?……何やってんだろうな……誰がいるんだろうな……どんな様子なんだろうな……何食べてるのかな……なーんて、いろいろ?思うのでしょうか?……ということは、中の様子がまるっきりわかるわけではもちろんないけれど、でも明かりの灯った窓が、暗くなっていく外の通りにいる人に、その明かりの灯った窓のある部屋では外の人には具体的にはわからないけど何か人間の秘密の出来事が行われているということを、教えてくれているにちがいないと……「自分」がこんな監禁?状態になったことも、外の人にまったくわからないわけじゃない、こんな秘密の出来事が行われていることを明かりの灯った窓が外の通りにいる人に教えてくれているにちがいないと……で、今は、「自分」が明かりの灯った窓の内側の部屋にいるわけだけど、実は、どうやら「自分」は、暗くなっていく通りでそうやって、明かりの灯った窓の内側でどんな人間の秘密の出来事が行われているのだろうかと外から見ては思いめぐらしていた?ようです……いつもは外で思いめぐらす側なのだけど?今日は?中で秘密の出来事の渦中かちゅうにいる?と……なんでしょう……「自分」は、明かりの灯った窓が、外側と内側をつなぐ役割?でも担っていると?言いたい?のでしょうか?……そうした明かりの灯った窓が、外側と内側をつないでいる?と……で、そうした窓の外側にいるか内側にいるかというのは、誰にでもどちらもある?と言いたい?のでしょうか?……つまり?どちらの立場にもなりうる?と……なんでしょう……誰でも、いつどんな立場になるかなんてわからない?……誰でもいつでもどんな立場にもなりうる?と……だから、「自分」は謙虚でありたい?と……だから、どんなに困らされても、決して誰も無下むげにはしない?のでしょうか?……。

 

④ I was within and without, simultaneously encahnted and repelled by the inexhaustible variety of life.

「「自分」は、ある状態だった……あるものの中にいる……なおかつ、あるものの外にいる……そしてこれからいうことがどちらも成立している……それは、魅惑・魅了された状態と嫌悪感を与えられた・不快にさせられた状態だ……何によってかというと、無尽蔵の……多様なもの・いろいろ異なったものの取り合わせ……何のかというと、生活だ……」

within の後には本当は、the inexhaustible variety of life が、そしてwithout の後には本当は、the inexhaustible variety of life が来るのではないでしょうか?

「自分」は、あるものの中にいて、なおかつ、そのあるものの外にいて、そしてさらに、そのあるものによって、魅惑・魅了された状態と嫌悪感を与えられた・不快にさせられた状態のどちらも成立していると……あるものの中にいる=魅惑・魅了された状態、なおかつ、あるものの外にいる=嫌悪感を与えられた・不快にさせられた状態……この二つの相反する状態がどちらも「自分」には当てはまる?と言っている?のではないでしょうか?……では、そのあるものとは何なのか?――それが、生活の無尽蔵の多様なもの・いろいろな異なったものの取り合わせ?だと……③で the city が出てきて、今はニューヨーク(都市圏)の話?をしている?のではないでしょうか?……そうすると、そんな大都会ニューヨークには無尽蔵の多様なもの・いろいろ異なったものの取り合わせがある生活?があると?言っている?のではないでしょうか?……要は、大都会の生活に魅惑・魅了されてその中にいる「自分」と、大都会の生活に嫌悪感や不快を感じてその外にいる「自分」と、二つの相反する「自分」がいる?と言っている?のではないでしょうか?……魅力を感じながらも?不快感も覚える?ということ?でしょうか?……。

「自分」は②で困ったなあ?と思いながらも?③のようなことを――いつもは外にいる側なんだよな、だけど今日は内にいる側なんだな、そうか、こんな感じなのかあ……なんて思いめぐらし?そして④では都会生活?にでも思いが至った?のでしょうか?……その都会生活について――まず、多様なものやいろいろ異なったものの取り合わせが無尽蔵にあると?思っている?ようです……で、その都会生活に溶け込んでいる?部分もあるし?一方でその都会生活に馴染なじめない?部分もある?と言っている?ようです……魅力を感じれば自然にその中に入っていく?でしょうか?……だけど、嫌だなと思ったら、その中には入らない?はずれておく?外にとどまる?でしょうか?……なんでしょうねえ……もしかしたら、今宵こよいの宴?にはきっと?うんざりしてる?……で、こんな宴会?が、もし、都会の生活の一面なのだとしたら、これは不愉快だな?嫌だな?こういう生活の一面には?入りたくないな?っていうか、ぶっちゃけ?こんな飲み会はゴメンだなあ?という気持ちを、なんだか高尚こうしょう?な言い方で?遠回しに?言ってる?のでしょうか?……「自分」が都会の生活のどんな部分に魅力を感じたのか?――まあ、故郷の?田舎?が退屈?なようなことを言っていた?ようだったので、好奇心をそそるような?面白いことにあふれている?ところに魅力を感じていた?のでしょうか?……だけど、こういうくだらない?なんの益もない?役にも立たない?無駄?無意味?な飲み会は嫌だ?……そりゃ、監禁?状態じゃあねえ……帰りたいですよねえ……読みたい本も?勉強しなきゃいけない事も?たくさんあるのに?……こんなことしてる暇なんてないのに?……それが本音?だったりする?のでしょうか?……やれやれ、まったく……と思っていたかどうかわかりませんが、じーっと辛抱していた?のでしょうねえ……。

 

⑤ Myrtle pulled her chair close to mine, and suddenly her warm breath poured over me the story of her first meeting with Tom.

「マートルが、引いた……マートルの椅子を……近くに……何のかというと、「自分」の椅子だ……そうやってマートルがマートルの椅子を「自分」の椅子の近くに引いた後で、突然、マートルの温かい呼吸・呼気・ひと息が、流れ出た・押し寄せた・しゃべった・まくしたてた・打ち明けた……何の上にかというと、「自分」だ……何をかというと、ある話だ……何のかというと、マートルの最初の出会いだ……誰とかというと、トムだ……」

her は(すべて)、Myrtle を指すのではないでしょうか?

mine は、my chair を表しているのではないでしょうか?

④まで見てきたように、「自分」が帰るに帰れず悶々もんもんと?していたら?ウィルソン夫人が「自分」のところに来たようです……それも、わざわざウィルソン夫人の椅子を引っぱって持ってきて?……そしていきなりウィルソン夫人の温かい呼吸・呼気・ひと息が「自分」の上に流れ出た?押し寄せた?ようです……で、同時に、ウィルソン夫人がトムに最初に出会ったときの話?をしゃべってまくしたてて打ち明けた?ようです……おやまあ、いよいよ?今夜の?クライマックス?といったところ?なのでしょうか?……「自分」、そんな話、聞きたいでしょうか?……でも、ウィルソン夫人は、聞いてほしくて仕方がない?でしょうか?……おそらく、その場でその話を聞いたことがないのは、「自分」だけ?だったのでは?ないでしょうか?……キャサリンはもう、トムと出会ったその日から事細かにあれこれとずーっと聞かされていたでしょうし?、マッキー夫人だってウィルソン夫人の気が済むまで好きなだけ話させてあげた?でしょうし?、マッキー氏にしても大まかなところくらいはきっと?お付き合い程度には?聞いてあげていた?のではないでしょうか?……だから、「自分」はこのトムとウィルソン夫人の二人の部屋に来たときから?もうその話を聞かされる運命だった?と言ってもいいくらい?だったのかも?しれません……で、その話をするにも、しらふではないので?酔い酔い?なので?、まいったなあ、勘弁してほしいなあ、というようなしゃべり方?だった?でしょうか?……必要以上に?「自分」に顔を近づけて?酒くっさい?ひと息が?ドバーッと?「自分」の方にかかってくる?と同時に?トムとね、初めて出会ったときのことなんだけどねえ……とやりだした?……うへえ、やめてくれえ……と思ったかどうかわかりませんが、辛抱強い「自分」は、きっとこのときも a super-super-perfect rose ぶりを発揮?したのでしょうねえ……。

 

⑥ “It was on the two little seats facing each other that are always the last ones left on the train.

「『ウィルソン夫人の最初のトムとの出会いは、どこだったかというと、二つの小さな席だった……向かい合って……互いに……その互いに向かい合った二つの小さな席は、ある状態である……常に・必ず……最後の席だ……残された……(トムとウィルソン夫人が乗る路線の)電車で……」

It は、⑤に出てきた、her first meeting with Tom を指しているのではないでしょうか? そして、ここでは It と that の間にあるものを強調しているのではないでしょうか?

that は、the two little seats facing each other を指して言いかえているのではないでしょうか?

ones は、seats を言いかえているのではないでしょうか?

the train は、あの灰の谷のごみ処理場のそばで停まる電車のことを指しているのではないでしょうか?……トムとウィルソン夫人の二人が乗り合わせる?電車のようなので……。

まず、ウィルソン夫人が最初にトムに出会ったのはどこなのかを説明している?ようです……それは、互いに向き合った二つの小さな席だったと……その互いに向き合った二つの小さな席は、常に・必ず、トムとウィルソン夫人が乗る路線の電車で残された最後の席だと……なんでしょう……運命だ?とでも?言いたい?のでしょうか?……おそらく、灰の谷のそばを通る電車ですから、ウィルソン夫人の方が後で?乗ってくる?のではないでしょうか?……で、そのトムが座っていた向かいの席しか空いてなかった?と言いたい?のではないでしょうか?……要は、まるでトムとウィルソン夫人の二人だけのために用意された?運命が用意してくれた?互いに向き合った二つの小さな席?に思えた?と言いたい?のではないでしょうか?……出会いは、電車と……しかも、運命を思わせる?座席だった?と……。

 

⑦ I was going up to New York to see my sister and spend the night.

「私は、行くところだった……上り方面に……ニューヨーク(都市圏)に向けて……何のためかというと、訪問することだ……私の妹を……そして過ごすことだ……その晩を……」

I は、⑥に続いてウィルソン夫人がしゃべっている言葉なので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか? my も同様ではないでしょうか?

my sister は、きっとキャサリンのことを指すのではないでしょうか?

どうしてトムと出会った電車に乗っていたのか、その理由を話している?ようです……ニューヨーク(都市圏)に行こうとしていた?と……何の用事か?――妹のキャサリンを訪問し、そしてそのまま泊まっていく?その晩は妹のキャサリンと過ごす?ためだと……あの灰の谷の自動車修理工場・ガソリンスタンドの店にじーっと?いたんじゃ、気が滅入る?……たまにはらししたい?気分を変えたい?……まあ、なんにしても、妹と仲が良さそう?ですし、ニューヨーク(都市圏)の繁華街?とか行ったりするのも?気晴らしになったり?したのかも?しれない?でしょうか?……うがった?見方をすれば?あれでも?ステキな出会いでもないかしら?なーんて?思いながら?電車に乗ってた?かもしれない?……いや、電車じゃなくても、ニューヨーク(都市圏)の繁華街?とかでも?……妹にそこまで言っていたかどうかはわかりませんが、でも内心では、そんな思いも秘めながら?妹の元を訪れたり?していた?かもしれない?でしょうか?……で、そうやって暇さえあれば?頻繁に?訪れていたら?……やった!ステキな人!出会えたわ!……となった?のでしょうか?……で、その相手がトム?と……さて、本当にステキかどうかはともかく?ウィルソン夫人にはもしかしたら?もう夫のウィルソンのことを思ったら?比較にならない?断然ステキすぎて?天にも昇る心地?になったり?したのでしょうか?……でも、あんまり舞い上がりすぎると、またまた肝心なものを?見逃す?……だけど、ずーっと鬱々うつうつとした日々を過ごしてきていたら、ぱっと見良さそうなものに思わず飛びついちゃったり?するでしょうか?……。

 

⑧ He had on a dress suit and patent leather shoes, and I couldn’t keep my eyes off him, but every time he looked at me I had to pretend to be looking at the advertisement over his head.

「トムは、ある状態だった……身に着けた……何をかというと、男子の正装・礼装の三つ揃いとパテントレザー・人造皮革ひかくの靴だ……そういう男子の正装・礼装の三つ揃いとパテントレザー・人造皮革の靴を身に着けたトムを前にして、私は、あることができなかった……それは、ある状態に維持することだ……何をかというと、私の両目を……はずした・離した……トムから……そんなふうに私が両目をトムから外した・離した状態に維持できなかったのだから、普通に考えると、これから言うことはなかったはずだけど、実際には違って……あることをするたびに……それは、トムが、目を向けた……どちらにかというと、私に……私は、あることをしなければならなかった……それは、ふりをすることで……何のかというと、目を向けていることで……どちらにかというと、広告に……あるものの上の……それは、トムの頭だ……」

He (he) は(すべて)、⑤に出てきた Tom を指しているのではないでしょうか? him と his も同様ではないでしょうか?

I は(すべて)、⑥⑦に続いてウィルソン夫人がしゃべっている言葉のようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか? my と me も同様ではないでしょうか?

ウィルソン夫人が最初にトムと出会ったときのトムの身なり?について説明している?ようです……なんと!三つ揃い……結婚式とかに出席でも?しに行っていた?のでしょうか?……今の夫にがっくりきた?幻滅した?原因になったらしい?三つ揃い?……そのトムの三つ揃いはおそらく?パリッとした?格好良い?ものだった?のでは?ないでしょうか?……そりゃあ、ねえ……だけど、ねえ……で、靴が表面を塗装仕上げして光沢を出した人造皮革だと……つるピカ?……この身なりに、ウィルソン夫人はどうやら心を奪われた?ようです……もう目が離せなかった?……だけど、ジロジロ?ジーッと?見るのは失礼?……なので、トムの方がウィルソン夫人の方に目線を向けると?ウィルソン夫人は、トムの頭の上にあった?広告に目を向けているふりをした?と……トムの方も、ウィルソン夫人に見られているのに、そりゃあやっぱり?気づく?……だから、見返す?……だけど、ウィルソン夫人はさっと?目をそらす?……トムの頭の上の方に?……広告を見ているようなふりをして?……いやあ、なんとも?……ということは、先に?というより、ウィルソン夫人の方が?見初みそめた?……トムの方は、どうだったんでしょう?……俺様がお山の大将になれて機嫌よく過ごせさえすれば誰でもいい?……というのは、言い過ぎ?意地が悪い?……はてさて、この後、どんな経緯を経て二人はそういう仲になっていくのでしょうか?……続きは次回みていきたいと思います……。

 

おつかれさまでした。どうでしたか?

「自分」にトムと最初に出会ったときの話をしたウィルソン夫人の真意はいったい何なのでしょうねえ……単に誰彼かまわず言いたかったのか?……のろけて自慢していい気分にでもなりたかったのか?……「自分」も味方に引き入れたかったのか?……一人でも多くの人に話せば話すほど、トムとの仲が既成事実?みたいになって?トムとの結婚が?確実になる?ような気でも?していた?かもしれない?のでしょうか?……トムもそうですけど、たぶんウィルソン夫人も、本当は弱い?人間?かもしれない?でしょうか?……弱いからこそ、味方を増やしたがる?……仲間を増やしたがる?……そして、本人のやっていることが間違っている?と普通は人に思われることだからこそ?余計に?味方を増やし?仲間を増やし?そして無理を通してでも?当人の都合の良いように?事を運ぼうとする?……本当に間違っていたとしても、大勢の人に支持してもらえれば?それで正当化される?と思っている?……なんでしょう……マッキー夫人とマッキー氏は、別にトムやウィルソン夫人の味方とか支持しているとかでもない?かもしれない?でしょうか?……この二人は単に、あくまでも"写真"という条件付きで付き合ってあげてる?相手にしてあげてる?だけ?かもしれない?……はたから見ると、トムの方が偉そう?ウィルソン夫人がお客様扱い?マッキー夫人とマッキー氏はトムやウィルソン夫人に対して下手したてに出ている?ような?印象?すら?ある?…だけど、実は、真実は立場が逆?だったりする?でしょうか?……マッキー夫妻は、"写真"という利点?メリット?があればこそトムやウィルソン夫人に表向き合わせている?だけの話?で、利害が一致しなければ途端とたんにそっぽを向く?のでは?ないでしょうか?……それでは、味方とはいえない?支持しているともいえない?のでは?ないでしょうか?……そして、「自分」も……まあ、「自分」の場合は、利害ではなく、良識と良心にのっとっている?でしょうか?……そうすると、酒を一緒に飲ませたぐらいで、そしてどれだけ秘密の話を聞かせたところで、良識と良心に則って間違っていれば、決して味方にもなってはもらえないし?支持もしてはもらえない?のでは?ないでしょうか?……それがわからないのが、おろかなトムとウィルソン夫人の二人?なのでは?ないでしょうか?……きっと二人とも当人が欲望のおもむくままに動くばかりの “自己中(心)" で、良識とか良心とか無いも同然?だから、そうでない異なる価値基準を持った人がどう思うのか、どう考えるのか、ということがわからない?のかも?しれません……作者はこうやって、愚かな人間の姿?をこれでもかこれでもかと?とことん?読者の目の前に見せている?ようにも思われますが、いったいそれで何が言いたい?何を訴えたい?のでしょうか?……なかなか見えてこない?ようですが?作品全体を通して、そこも考えていけたらと思います……。

今回の考えるヒントに上げたお題 「29ページ末尾から9-6行目 Yet high over the city our line of yellow windows must have contributed their share of human secrecy to the casual watcher in the darkening streets とはどういうことを言っているのか」 ですが……③で説明したとおりです。ちょっと?文学的?というか?なんだか?小難しい?言い回し?だったりする?でしょうか?……なんでしょう……こういう文章が入ることで?この物語のトーン?というか何か格調高く?なるでしょうか?……ちょっと気取きどってる?感じも?……嫌だとか嫌いだとか一言で言えばすむようなことでも、もってまわったような?高尚な?もったいぶった?言い方をすることで?トーンがやわらいでいる?……露骨なストーレートな物言いにならずにすんでいる?……だけど……読む方としては……しんどい?ことも?ある?……なんでしょう……こういうところに?この作者の美意識の高さ?みたいなものも?感じられたり?する?でしょうか?……それに、その場の状況って、どう考えても?グダグダ?というか?そんな高尚とか格調の高さとかの真逆?の状態?じゃないでしょうか?……なんでしょう……周りはみんな?泥酔どろよい状態のぞくにまみれた?場に?一人「自分」だけが美しく?汚れることなく?孤高ここうを保って?清らかに?別次元で?周囲に染まっていない?ことも表そうとしている?のでしょうか?……なんでしょう……もしかしたら作者は、そんな俗にまみれているとしか思えない場に不本意ながらも放り込まれたとしても、不本意ならば染まらなければいいのだ、そして、染まらずにいられるのだ、ということも「自分」の姿を通して伝えようと?訴えようと?している?でしょうか?……本人次第だと?……人としてどうあるかは、本人が決めることで、本人が決められるのだと?……周りの環境に流されたり染まったりしなければいいのだと?……そして、流されず染まらずにいることはできるのだと?……そうしたことも?もしかしたら?読者の前に示している?のでしょうか?……。

次回も、ウィルソン夫人がペラペラと?一人でしゃべりまくる?ようです……ぜひまた一緒に読んでみてください。

 

第46回の範囲は30ページ6行目途中から30ページ末尾から13行目まで(When we came into the 〜から、worried me all the afternoon. まで)をみていきます。

次回の考えるヒントは……

  • 30ページ11-12行目 You can’t live forever とはどういうことを言っているのか

次回は、どうしてそうなるのか?ちょっと意味がわからない?みたいなところが?もしかしたらあるかも?しれません……ぜひまた一緒にみていってください。

 

最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。

Point

・どうして作者はその言葉を使用したのか

・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか

・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか

 

注意!

このコンテンツはこのサイトでのみ公開いたします。

このコンテンツの著作権はすべて著作者が保有いたします。

このコンテンツは閲覧えつらん以外の利用をすべて禁止いたします。

 

【お願い】

このコンテンツは無料で閲覧いただけますが、このページ末尾にある"お心付け"ボタンからぜひお心付けをいただけませんでしょうか。100円からお願いしております。ご検討いただけましたらありがたく存じます。

 

なお、今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。この連載はだいたい250回くらいになる予定なので、毎回訳文を購読いただいた場合には30回で2万円を超え、トータルでは18万円近くになることをご承知おきください。またいかなる場合も返金には応じられません。また購読いただいた訳文にご満足いただけるとは限らないことをあらかじめご承知おきください。なお、問い合わせなどはご遠慮ください。お断りいたします。

今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。

Posted by preciousgraceful-hm