Gatsby-41
このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。
取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。
ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。
(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)
前回まで……主演?名女優?ウィルソン夫人、助演?名女優?マッキー夫人、そしてもう一人助演?名俳優?いや優れた?芸術家?マッキー氏、の三人で披露された?芝居も、一幕最後まで終わらないいうちに、無情な?トムのせいで中断?したようでした……そして、ウィルソン夫人は、トムに言われたとおり、氷を取りに台所へ……さて、今回は、主演?名女優?が席を外している間に、観客らが?おしゃべりに興じる?ようです……どんな会話が交わされるのか、聞いてみましょう。
原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。
第41回の範囲は27ページ7行目から27ページ末尾から6行目まで("I’ve done some nice things 〜から、won’t you Myrtle?" まで)をみていきます。
まず、今回の考えるヒントを上げます。
- 27ページ末尾から16行目 I’d hate to have him get anything on me. とはどういうことを言っているのか
なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。
主に使用する辞書
『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)
『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)
『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)
それでは今回の範囲をみていきましょう。
① “I’ve done some nice things out on Long Island," asserted Mr.McKee. / Tom looked at him blankly.
「『私は、作った・創作した・制作した……とあるけっこうな・立派な・おもしろい・よいものを……ニューヨーク(都市圏)から離れたところにあるロングアイランド島で……』と主張した・断言したのは、マッキー氏だった…… / トムが、目を向けた……マッキー氏の方に……ぼんやりして・うつろな表情で……」
I は、マッキー氏のセリフのようなので、マッキー氏を指すのではないでしょうか?
him は、Mr. McKee を指すのではないでしょうか?
前回の最後は、ウィルソン夫人が氷を取りに台所に行ったところで終わっていたようでした……さて、主役?主演?女優?のウィルソン夫人がいなくなって、まずは?マッキー氏が口を開いた?ようです……今いるところは、第36回(24ページ15行目)に出てきていた、ニューヨーク(都市圏)の北の方?百五十八丁目のようなので、そこを基準に考えると、ロングアイランド島は遠く離れたところ?という見方ができる?でしょうか?……マッキー氏は、トムとウィルソン夫人の二人の部屋の下の階に住んでいるようでしたから(第38回 25ページ末尾から15行目) 、マッキー氏にとっては、もしかしたら?ロングアイランド島は頻繁に足を運ぶことはない場所?だったのかも?しれません……そのあまり行くことのない?ロングアイランド島だけれども?そこまで足を伸ばして?とあるけっこうな・立派な・おもしろい・よいものを作った・創作した・制作したと……どういうことでしょうか?……マッキー氏は写真家のようでしたから、要は、ロングアイランド島に写真を撮りに行ったことがあると言っているのではないでしょうか?……で、ロングアイランド島で撮った写真も芸術?作品?に仕上げたものがいろいろ?あると言っている?のではないでしょうか?……で、このマッキー氏のセリフ、どうやらトムに向かって?話しかけたもの?のようです……トムがロングアイランド島から来ていることを承知しているからこそ?トムに話を合わせているつもりで?ロングアイランド島でも写真を撮って作品を創作したことがあると、会話のきっかけを作ろうと?している?のではないでしょうか?……ただ、その言い方が、なんでしょうねえ……ずいぶん、断定的な口調?だったのでしょうか?……強く自己主張しているような調子に?聞こえたのでしょうか?……で、トムの方は、どうやらこの男は俺様に話しかけているらしいが、いったい何を言っているのか俺様にはわからない……だから、何も言わずに?ぼんやりしてうつろな表情で?マッキー氏の方を見た?のではないでしょうか?……この二人、完全に?すれ違っている?……見方によっては、トムがつれない?……せっかくマッキー氏の方はトムに歩み寄っている?のに、トムの方は、あくまでも俺様の玉座から一ミリたりとも動かない?……それとも単に、トムとは話も馬も合わない?だけ?……たとえばデイジーなら芸術を解する心があったりするかもしれない?けれど、筋力と腕力だけ?で生きてる?ようなトムには、芸術なんて興味もないし?どうでもいい?知ったこっちゃない?……まあ、前回の最後に、せっかくマッキー氏がウィルソン夫人を被写体にエアカメラでいよいよ撮影に入るかといういいところで?トムが全部それを台無しにしたわけですから、マッキー氏が自らの写真(作品)の話を持ち出した?ところで、トムが反応するとは思えない?でしょうか?……。
② “Two of them we have framed down-stairs." / “Two what?" demanded Tom.
「『ロングアイランドで作った・創作した・制作したとあるけっこうな・立派な・おもしろい・よいもののうち、二つを……マッキー氏とマッキー夫人の二人が、額装した状態だ……下の階で……』 / 『二つの何だ?……』(強い口調で)尋ねた……トムが……」
Two of them は、本来 we have framed の後に来るはずなのが、①で話した内容に関わりがあることと、強調する意味合いで?前に出してあるのではないでしょうか?
them は、①で出てきたsome nice things を指すのではないでしょうか?
we は、マッキー氏とマッキー夫人の二人を指すのではないでしょうか?……ここで、マッキー氏は I とは言わず、奥さんのマッキー夫人も一緒にという気持ちを込めて?夫婦そろって二人で?と言っている?ようです……それなりに?マッキー夫人のおかげと?夫人の功績?内助の功?を認めている?のでしょうか?……あるいは、マッキー氏の仕事と作品を妻のマッキー夫人も高く評価し?認めている?のだということを、夫婦二人で額装したのだと殊更に?言うことで、マッキー氏自身のすごさ?を訴えている?ようにも?聞こえる?でしょうか?……あれあれ?ここでも、マッキー夫人やウィルソン夫人に負けず劣らず、マッキー氏も自己主張している?……そういえば①でも、私が作品を作ったのだと、一生懸命?自己主張していた?……。
①で話しかけたのに?トムが要領を得ない様子で?何も言わないので?マッキー氏が続けてしゃべった?ようです……ロングアイランド島で撮影して創作した写真(作品)はいろいろある?けれど、そのうち二つを、下の階のマッキー夫妻の部屋で、額装して掛けている?と言っているのではないでしょうか?……そうやって言いつつも、①でも②でも、マッキー氏は実は自身の写真家としてのすごさを訴えたい?強調したい?かもしれない?空気が?感じられる?かもしれない?でしょうか?……で、ここまできて、やっと、トムが口をきいてあげた?ようです……二つの何かと……②で額装しているとまで言われても、まだトムはわかっていないようです……何の話をしているのかが……たぶん、マッキー氏にしてみれば、おそらくトムとは初対面ではなさそうですし、もうマッキー氏の仕事のことは理解してもらえているものと思っている?のではないでしょうか?……だから、これだけ言えば話が通じるはずだと思っている?……だけど、トムはそうはいかない……たぶん、マッキー氏が何の仕事をしていようがどうでもいいか、それか写真家の仕事にも写真にも興味がない?だからどうでもいい?……そもそもトムの辞書に人に合わせるとか察するとかそんな言葉は存在しない?……ここで、二つの何かと聞き返しただけでもまだまし?だったりする?……やっぱり、完全に?すれ違ってる?……。
③ “Two studies. One of them I call MONTAUK POINT– THE GULLS, and the other I call MONTAUK POINT– THE SEA."
「『二つの習作・試作だ……一つは……その二つの習作・試作のうちで……私は名付けている……モントーク岬―かもめ、と……その一つ目の習作・試作であるモントーク岬―かもめと私が名付けているものに加えて、もう一つの習作・試作は……私は名付けている……モントーク岬―海、と……』」
One of them は、本来 I call の後に来るはずなのが、説明をわかりやすくするために?前に出ているのではないでしょうか? the other も同様に、本来 I call の後に来るはずなのが、前に出ているのではないでしょうか?
I は、二つの何かとトムに訊かれて答えているので、マッキー氏を指すのではないでしょうか?
MONTAUK POINT は、ロングアイランド島の東の端にある岬のようで、そこから大西洋が見えるようです。
THE GULLS と THE SEA の THE はいずれも、そのモントーク岬にいるかもめとか、そのモントーク岬から見える海とか、そのモントーク岬に限定されるという意味で使われているのではないでしょうか?
二つの何かと聞かれて、やっぱり、芸術家?でしょうか?……習作・試作だと答えているようです……写真の作品とか、一般人?凡人?が使うような言葉では説明しない?ような?……誇り高い芸術家の範疇に入る写真家という強い自負心?のようなものが垣間見える?でしょうか?……で、続けて、二つの習作・試作について詳しく説明しているようです……どちらもモントーク岬で撮った?ようです……一つの方は、タイトル?がかもめ、もう一つは海、と……なんでしょう……案外、平凡?……そのまんま?……まっ、タイトルは問題じゃない?大切なのは中身?……だけど、リビングにあったウィルソン夫人の母親の写真のことを思うと……どうでしょう?はたして?それほど期待できる?代物?でしょうか?……いやいや、それは失礼?……まあ、なんにしても、マッキー氏自身は、並々ならぬ強い気持ちを持って芸術家の範疇に入る写真家?の仕事に情熱を燃やして取り組んでいる?らしく、自らの作品にも仕事にも並々ならぬ強い誇りを持っており、自らの作品や仕事を強く世間に訴えていきたい?売り込んでいきたい?認められたい?……そうした姿がうかがえる?でしょうか?……。
④ The sister Catherine sat down beside me on the couch. “Do you live down on Long Island, too?" she inquired.
「ウィルソン夫人の妹キャサリンが、座っていた……誰かのそばに……それは「自分」で……どこの上にかというと、カウチ・寝椅子・長椅子だ……『あなたはしているのか?……何をかというと、住むことを……このニューヨーク(都市圏)・中心地から離れる方向にある……ロングアイランド島に……トムと同じように……』ウィルソン夫人の妹キャサリンが、尋ねた……」
The sister は、Mrs. Wilson’s sister (第36回 24ページ11行目 my sister Catherirne と同じ)という意味で使われているのではないでしょうか?
you は、ウィルソン夫人の妹キャサリンが話しかけている相手、おそらく「自分」を指すのではないでしょうか?
she は、The sister Catherine を指すのではないでしょうか?
①②③はマッキー氏とトムの二人の会話の様子が描かれていたようでした……今度は、ウィルソン夫人の妹キャサリンと「自分」の会話を聞けるようです……まず、ウィルソン夫人の妹キャサリンと「自分」は、長椅子に隣り合って?座っていた?ようです……で、ウィルソン夫人の妹キャサリンの方から話しかけた?ようです……トムと同じように、「自分」もロングアイランド島に住んでいるのかと……第38回の「自分」が受けた初対面の印象は良くなかった?ようですが、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、これでも「自分」に気を使って?話を合わせて?話のきっかけを?作っている?ようです……。
⑤ “I live at West Egg." / “Really? I was down there at a party about a month ago. At a man named Gatsby’s. Do you know him?" / “I live next door to him."
「『「自分」は、住んでいる……どこにかというと、西島に……』 / 『本当?……私は、いた……このニューヨーク(都市圏)・中心地から離れる方向にある……ロングアイランド島の西島に……あるパーティーで……いつかというと、だいたい一か月前だ……そのあるパーティは、ある男の……名前が……ギャッツビーという……あなたはしているのか?……何をかというと、知っていることを……誰をかというと、そのギャッツビーという名前の男だ……』 / 『「自分」は住んでいる……すぐ隣りに……誰のかというと、そのギャッツビーという名前の男だ……』」
最初の I は、④で質問されて答えている「自分」のセリフのようなので、「自分」を指すのではないでしょうか? 次の I は、「自分」の答えを聞いて、返事をしているウィルソン夫人の妹キャサリンを指すのではないでしょうか? 最後の I は、またウィルソン夫人の妹キャサリンに質問されて答えている「自分」のセリフのようなので、「自分」を指すのではないでしょうか?
there は、West Egg を指しているのではないでしょうか?
At a man named Gatsby’s は、後に party が省略されているのではないでしょうか? At a man’s party ある男のパーティーで、そのある男というのは、名前がギャッツビーという、という意味を表すために、At a man と 's party の間に、named Gatsby が入っているという形になっているのではないでしょうか?
him は、a man named Gatsby を指すのではないでしょうか? 次の him も同様ではないでしょうか?
④でウィルソン夫人の妹キャサリンに、あなたもロングアイランド島に住んでいるのか、と訊かれて、西島に住んでいると答えたようです……すると、そうなの、と……で、続けて、ウィルソン夫人の妹キャサリンが、その西島に行ったことがあると言っているようです……何の用でかというと、パーティーで、その時期はだいたい一か月前だと……で、そのパーティーというのが、ギャッツビーという名前の男が催した?パーティーだったと……で、最後に、そのギャッツビーという名前の男をあなたは知っているかと尋ねたようです……それで「自分」が、そのギャッツビーという名前の男の(邸の)隣りに住んでいると答えたようです……ウィルソン夫人の妹キャサリンが、「自分」に話を合わせて?ロードアイランド島の話を持ち出したら、なんと!ギャッツビーの名前が出てきました……ベイカー嬢に続いて二人目?でしょうか?……今度は、そのギャッツビーという男が、「自分」の住む家の隣りにある自邸でパーティーを催したらしいという新情報も出てきました……その時期は、だいたい一か月前だと……たしか、第33回(22ページ末尾から14-13行目)で、こうやってトムに無理矢理連れ出された?のは、七月四日の数日前だと言っていたようでしたので、そのパーティーはだいたい六月の初め頃でしょうか?……ということは、「自分」は、もう、そのロードアイランド島の西島の家に住み始めていた?でしょうか?……それとも、住み始める直前?の時期なのか?わかりませんが、「自分」の住む家の隣りにあるギャッツビーという男の邸でパーティーが催されており、そのパーティに、ウィルソン夫人の妹キャサリンが出ていた?ようです……今まで「自分」の口から、ギャッツビーという男の邸でパーティーが催されているような話はまったく出てきていなかった?ようなので、もしかしたら「自分」も、隣りに住んでいても、まったく知らずにいた?のかもしれません……それにしても、世間は狭い?……実際、こんなもの?でしょうか?……だけど、なんだか頭が混乱しそう?だったり?しませんか?……「自分」は、ギャッツビーという男の邸の隣りの家に住んでいて、親戚にデイジーがいて、大学の同学年?にデイジーと結婚した夫のトムがいて、で、なおかつ、「自分」の家と隣りのギャッツビーという男の邸の反対側には、入江を挟んで?高級住宅地があり?その高級住宅地にあるプライベートビーチ?浜辺?のある邸宅にデイジーとトムが住んでいると……そして、トムの妻であるデイジーと地元が一緒でいわば親友?みたいな存在?のベイカー嬢と、トムの情婦であるウィルソン夫人の妹のキャサリンから、ギャッツビーという男の名前を聞かされた……なんだか、トムを挟んで敵同士?の女子二人それぞれの身近な女性から、同じ情報を「自分」は聞かされた?ようなもの?ではないでしょうか?……これ、もし「自分」の立場であったとしても、なんか混乱しそうだったり?しないでしょうか?……ややこしくないですか?もうすでに……引っ越して間もない新天地で、複雑な?人間関係に?巻き込まれて?なおかつそんな対立関係にある双方からそれぞれ、特定の男の情報を聞かされる……なんか、いろんな秘密を知りたくもないのに知っていくうちに、どれが誰のどんな秘密だったのやらわけがわからなくなって、頭が混乱する中でそんな秘密そのものを忘れてしまったりしないのでしょうか?……いやいや、頭脳明晰な?「自分」にはそんなことはない?のでしょうか?……。
⑥ “Well, they say he’s a nephew or a cousin of Kaiser Wilhelm’s. That’s where all his money comes from." / “Really?" / She nodded.
「『まあ・おや……人が言うには、ギャッツビーという名前の男は、おいか、そうでなければいとこだ……誰のかというと、ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世の……ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世が……ある場所だ……それは、すべてのギャッツビーという名前の男の金が、出てくる・やってくるところだ……その金の源・源泉だ……』 / 『本当?……』 / ウィルソン夫人の妹キャサリンが、頭を縦に動かした……」
they は、特定の人を指すのではなく、世間一般の人々を指しているのではないでしょうか?
he は、⑤で出てきた a man named Gatsby を指すのではないでしょうか? his も同様ではないでしょうか?
Kaiser Wilhelm’s の後には、nephews or cousins が省略されているのではないでしょうか?……ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世には大勢おいやいとこがいるけれど、その中の一人と言っているのではないでしょうか?
That は、Kaiser Wilhelm を指しているのではないでしょうか?
where は、本来 comes from の後にあるべき具体的な場所の代わりに、抽象的に"場所"を表す語として前に出して使われているのではないでしょうか?
She は、④で出てきた The sister Catherine を指すのではないでしょうか?……④からずっとウィルソン夫人の妹キャサリンと「自分」の会話が続いているようです……。
⑤で「自分」がギャッツビーという名前の男の邸の隣りに住んでいると答えると、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、少し?驚いた?のではないでしょうか?……ええっ?それはまた、すごい偶然?でしょうか?……で、ウィルソン夫人の妹キャサリンが人から聞いた情報――噂?でしょうか?――を「自分」に話しているようです……そのギャッツビーという名前の男は、ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世のおいかそうでなければいとこだと……そして、ドイツ皇帝のヴィルヘルム二世が、そのギャッツビーという名前の男の持っている?金の出てくる源・源泉だと……どうも、ギャッツビーという名前の男は、お城のような?お邸に住んでいるくらいだからお金持ちに決まっていて?で、そのお金は、ギャッツビーという名前の男がドイツ皇帝のヴィルヘルム二世のおいかいとこだからドイツ皇帝のヴィルヘルム二世から出してもらっているのだと、言っているのではないでしょうか?……いきなり、なんかすごい話?が出てきた?ような……ベイカー嬢の情報は、単にギャッツビーという名前が出てきただけ?のようでしたが、ウィルソン夫人の妹キャサリンの情報は、ギャッツビーがお金持ちで、そのお金はドイツ皇帝のヴィルヘルム二世のおいかいとこだからドイツ皇帝のヴィルヘルム二世から出してもらっているのだと……そんな話を聞かされたら、そりゃ当然、本当に?と思わず聞き返す?でしょうか?……で、「自分」にそう訊かれたウィルソン夫人の妹キャサリンは、そのとおりだと、頭を縦に振ることで伝えたようです……そう聞いた「自分」の驚きはきっと、ウィルソン夫人の妹キャサリンが「自分」の家がギャッツビーという名前の男の邸の隣りだと聞かされた驚きよりもはるかに?大きかった?強烈だった?のではないでしょうか?……まあ、家が隣りとかもけっこう驚くと思いますけれど、ギャッツビーがドイツ皇帝のおいかいとこだという情報は、ええええっ⁉ というかなりの驚きになっても、全然不思議ではないような……それって本当の話?いや、嘘じゃなくて?えっ、マジで?みたいな話に?なってくる?でしょうか?……にわかには信じがたい?のが普通?当然?……ところで、ベイカー嬢は、まああのとき「自分」を警戒していた節もあったようなので?それもあって?ギャッツビーという名前だけしか口にしなかった?ようでしたが、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、「自分」は初対面のはずなのに、全然警戒もせずに?あけすけに?しゃべっている?ように思われませんか?……この辺も、庶民の世界の人間?と、お上品な上流の世界の人間?との違い?みたいなものが出ている?でしょうか?……安易には人を信用しないし心も開かない?用心深く相手の様子を見る?見きわめる?あくまでも差し障りのない社交辞令の範囲内だけの会話にとどめる?上流の世界?……一方、飾ったり取りつくろったりせず、いつでも誰でも何でも?(とまでは言い過ぎ?)オープンマインドで?気兼ねなく自然体のありのままでリラックスしてあっけらかーんとしゃべりたいことを次々と?しゃべる?庶民?……なんでしょう……ウィルソン夫人の妹キャサリンには裏心とか変な意図がなさそう?ですけど、ベイカー嬢なんかは裏心とまでは言わないまでも、相当考え抜いた上でどんな言葉でも口にする?というか、何か意図とか考えとかがあって?その上でなんらかの言葉を口にしているような?感じがある?でしょうか?……その辺で、デイジーとウィルソン夫人の違いももしかしたら似ている?かもしれない?でしょうか?……ウィルソン夫人は本人の感情がもろに表に出てしまう?ような?なりふりかまわず?猪突猛進?みたいな?絶対に手に入れたい獲物?めがけてまっしぐら?……デイジーの方は、淑女?レディー?としてかくあるべき?みたいな姿?を崩さないように?必死で耐えてこらえて内心の葛藤や本心を押し隠して?何事もなかったかのように平然とした態度で?通している?……おもしろい、と言ったら不謹慎?なのでしょうが、これ、逆は考えられないような気がしませんか?……ウィルソン夫人の方が正妻だったら、夫の浮気相手を力づくでこらしめる?別れさせる?泣かす?でしょうか?……もしデイジーの方が浮気相手だったら、はたして正妻のいるウィルソン夫人のいる自宅に電話をかけたりしたでしょうか?……やっぱり、欲望のままに突っ走る?ウィルソン夫人の方が男を正妻と別れさせようとする浮気相手にふさわしくて?、夫の浮気にじっと耐え浮気相手の女から受ける嫌がらせにも何も仕返ししたりしないデイジーこそ正妻にふさわしい?ように思われませんか?……そして、その身近な周囲の人たちも、なんとなくそれぞれに似たような人が集まっている?ように思われませんか?……類は友を呼ぶ?みたいな?……トムを挟んで対立するふたりの女とその取り巻き?……そして、間に立ちどちら側にもついていない?ように見受けられる?「自分」……それに、この物語のタイトルになっているギャッツビーという名前の男が、はたしてどんなふうに絡んでくるのか?……だんだん登場人物も増えてきて、人間関係も複雑になってきて?これからどう展開していくのでしょうか?……しっかりお話の流れについていきたいと思います……。
⑦ “I’m scared of him. I’d hate to have him get anything on me."
「『私は、おびえている……そのギャッツビーという名前の男に……私は、こうあってほしいと思うことがあるのだけど……それは、絶対に嫌で、あってほしくないことで……何がかというと、ある状態になることで……それは、そのギャッツビーという名前の男が、手に入れる・つかまえる・おさえることで……何をかというと、何でも・どのようなものでも……あるものに不利な・負担になる形で……誰にかというと、私だ……』」
今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。
I は(すべて)、ウィルソン夫人の妹キャサリンを指すのではないでしょうか?……「自分」に本当かと訊かれて頭を縦に振って答えたウィルソン夫人の妹キャサリンが続けてしゃべっているセリフではないでしょうか? me も同様ではないでしょうか?
him は(すべて)、⑤で出てきた a man named Gatsby を指すのではないでしょうか?
⑥でウィルソン夫人の妹が話した、ギャッツビーという名前の男がドイツ皇帝のヴィルヘルム二世のおいかいとこだからお金持ちなのだという噂?に驚いている?らしい「自分」に、ウィルソン夫人の妹キャサリンは続けて何か言ったようです……ウィルソン夫人の妹キャサリンは、そのギャッツビーという名前の男におびえていると……そして、絶対にあってほしくないことがあると……それは何かというと、ウィルソン夫人の妹キャサリンに不利な負担になるような形でどのようなものであれ何かをそのギャッツビーという名前の男につかまれる・おさえられることだと……何であれどんなことであれウィルソン夫人の妹キャサリンに不利な負担になるようなこと・ものは何も、そのギャッツビーという名前の男につかまれたり、おさえられたりしたくはないと……なんでしょう……ギャッツビーという名前の男と、ウィルソン夫人の妹キャサリンに不利な負担になるような形では絶対に関わり合いになりたくない、ということでしょうか?……弱点とか急所とかおさえられたくない?みたいな?感じ?でしょうか?……どうしてそんなことを思うのでしょうか?……見方を変えれば、弱点とか急所とかをもしおさえられたりしたら、どうなるのでしょうか?……ウィルソン夫人の妹キャサリンが望まない状況になる?……やりたくないことをやらされるとか?……おどされるとか?……黙っていてほしかったら金をよこせ?とか?……黙って言われたとおりにしろ?とか?……とにかく何か、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、ギャッツビーという名前の男に、油断がならないもの?何か警戒して用心しないと危ないもの?を感じた?ようです……要は、お近づきにはなりたくない……遠ざけたい、関わりたくない……そう思う相手だったと、話しているのではないでしょうか?……ウィルソン夫人の妹キャサリンは、ドイツ皇帝だとかお金持ちだとか、そんな話はまったく意に介していない?ようです……それよりも、おそらく実際に会ったか?少なくとも一方的にであってもそのギャッツビーという名前の男を見た?ときに、ウィルソン夫人の妹キャサリンが肌で感じたもの?心で感じたもの?が、ウィルソン夫人の妹キャサリンには重要で、ウィルソン夫人の妹キャサリン自身が感じたところを、ウィルソン夫人の妹キャサリンは何よりも信じている?ようです……で、いわばその心の声が教えてくれた忠告?みたいな?もの?でしょうか?――この男は危ないと……近づくなと……関わるなと……用心しろと……特に、弱点とか急所とか絶対に知られてはいけないと……気をつけろと……その感じたところを、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、「自分」に話しているのではないでしょうか?……これまた、「自分」には思いもよらない?情報だった?でしょうか?……ドイツ皇帝とお金持ちの情報に続いて、今度は、ウィルソン夫人の妹キャサリンが、その男におびえていると、その男に信用ならないものを感じたと……このウィルソン夫人の妹キャサリンは、「自分」にはまったく警戒心など持たずに?安心しきって?何でも?話しているような?印象すら受けませんか?……ということは、ウィルソン夫人の妹キャサリンは、「自分」にはそんな危ないものなど何も感じないのに、ギャッツビーという名前の男には、強烈な警戒心?危険な匂い?でも感じた?ようです……どうしてなんでしょうねえ……何かあったのでしょうか?……なんにしても、肝心なことは、ウィルソン夫人の妹キャサリンがそんなふうに感じたということを、「自分」が知ったということ?かもしれません……Chapter 1 の最後に、ギャッツビーらしき人の影に多少でもかすったか?という程度の接触?関わり?しかない「自分」には、どんな情報も貴重な聞き逃がせないもの?かもしれない?でしょうか?……それにしても、やっぱり!ギャッツビーには危険な匂い?がつきまとう?のでしょうか?……どう危険なのでしょうか?……さっさとギャッツビー出してよ!と思われる読者の方もいらっしゃる?かもしれない?でしょうか?……本当に!……ギャッツビーのことだけ小出しにしてイライラさせてる?……しかも忘れた頃に?ひょこっと話題に出す?から、余計イラつく?……いったいいつになったら……ねえ……作者と読者の我慢比べ?でもやってるの?……いやいや、まだ出てこないのには、ちゃーんと、それなりの理由があるから?……その辺りのことも考えながら、読み進めていきたいと思います……。
⑧ The absorbing informatoin about my neighbor was interrupted by Mrs. McKee’s pointing suddenly at Catherine:
「ウィルソン夫人の妹キャサリンはギャッツビーという名前の男におびえていて、ギャッツビーという名前の男にウィルソン夫人の妹キャサリンの弱点とか急所とか絶対におさえられたくないと思っているという、「自分」を夢中にさせる興味深い情報が……何についてかというと、「自分」の隣人で……妨害・邪魔された……何によってかというと、マッキー夫人の指を差した行為で……それは突然のことで……誰に向かってかというと、キャサリンだ……」
The absorbing information (about my neighbor) は、⑦でウィルソン夫人の妹キャサリンが話した内容全部を指すのではないでしょうか?
⑦の話が、「自分」には一気に心を引き寄せられる?ような情報だった?のではないでしょうか?……そりゃ、隣の邸の主らしい人物が、今話を聞いている三十歳くらいの都会の女性?をおびえさせるような、絶対に弱点とか急所とかおさえられたくないと言われているのを聞けば、隣邸にはそんな人が住んでいるのか?と当然思いませんか?……「自分」は男ですけど、やっぱりそういう人が隣りにいるというのは、どういう気持ちでしょうか?……あんまり気持ちのいいものではない?のではないでしょうか?……で、その情報に驚き、その情報で頭がいっぱいになっていた?であろうタイミングで、何やら邪魔が入った?ようです……それが、マッキー夫人が突然キャサリンの方を指差した?ようです……なんでしょう?……何があったというのでしょうか?……。
⑨ “Chester, I think you could do something with HER," she broke out, but Mr. McKee only nodded in a bored way, and turned his attention to Tom.
「『チェスター……私は思うのだけど、あなたはできるんじゃないかと……何をかというと、作る・創作する・制作することで……何をかというと、あるもの・たいしたもの・驚くべきもの・すごいものだ……何でかというと、ウィルソン夫人の妹キャサリンだ……』マッキー夫人が、不意に声を出した……そうやってマッキー夫人が(また)夫のマッキー氏に写真を撮るように促したようだったので、普通に考えたら、またウィルソン夫人のときみたいにマッキー氏がエアカメラを取り出して?写真を撮るような素振りを見せるかと思うところだけど、実際には違って、マッキー氏は、ただ頭を縦に動かしただけで……どんな様子でかというと、またかとうんざりした様子で……そうやってまたかとうんざりした様子で頭を縦に動かしただけでエアカメラを取り出さず?写真を取るような素振りも見せなかった後で、あるものの方向を変えた……それは何かというと、マッキー氏の注意・意識で……どちらの方向にかというと、トムの方だ……」
Chester は、第40回(26ページ21行目)にも出てきました……マッキー氏の名前のようでした……。
I は、マッキー夫人のセリフのようなので、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?
you は、最初に Chester と呼びかけられた、マッキー氏を指すのではないでしょうか?
HER は、⑧の最後でマッキー夫人が指を差した相手である、ウィルソン夫人の妹キャサリンを指すのではないでしょうか? すべて大文字になっているのは、マッキー夫人がその部分を強調して言ったからではないでしょうか?
she は、⑧の最後でウィルソン夫人の妹キャサリンに指を差したらしい、Mrs. McKee を指すのではないでしょうか?
his は、Mr. McKee を指すのではないでしょうか?
なんと!⑧の最後でウィルソン夫人の妹キャサリンを指さしたらしいマッキー夫人、夫のマッキー氏にウィルソン夫人の妹キャサリンで写真を撮れと言っている?ようです……驚きましたねえ……もちろん、被写体として、姉のウィルソン夫人も妹のキャサリンも適していた?のかもしれません……だけど、なんだか、なんとなく?もしかして?誰にでも言ってない?……誰でもいいから?とにかく夫のマッキー氏に写真を、芸術作品を撮らせて創らせたい?……あなた!ここにもいるわよ!あなたの作品にしてもらえるのを待っている被写体が!…みたいな?……被写体になりそうなら誰でもいい?……いや、誰でも被写体になる?……だって、夫の手にかかれば、ど〜んなものだって、すべて芸術作品に早変わりするんですもの!ほーほっほっ!……と思っていたかどうかわかりませんが、なんだか、そんなものを感じたり?しませんか?……おもしろいですねえ……ところが、妻のマッキー夫人にけしかけられた?夫のマッキー氏――今度は様子が違うようです……ウィルソン夫人のときにはノリノリで?エアカメラ出してきて撮り出した?……だけど、キャサリンには同じことをしなかった?ようです……たぶん、マッキー夫人の方に向かって、またかとうんざりした様子で頭を縦に振っただけだったと……そして、マッキー氏の注意・意識をトムの方に向けた?ようです……つまり、今度はマッキー夫人のおだてに?乗らなかった?と……妻の言葉を聞き流した?ということでしょうか?……で、①②③とマッキー氏の方は熱心に?話していたらしいトムの方にマッキー氏の意識が向かった?ようです……要は、今はキャサリンの写真より、トムの方がマッキー氏には大事な用があるのだ?ということでしょうか?……うーん……写真が何よりも大事で?写真が何よりもマッキー氏の誇り?に思われる、芸術家の範疇に入る写真家?のマッキー氏にとって、写真よりも大事な用事などあるのでしょうか?……それもトムに?……いったい、その用って何?……。
⑩ “I’d like to do more work on Long Island, if I could get the entry. All I ask is that they should give me a start."
「『私は、やりたいと思っていることがあるのだが……それは、作る・創作する・制作することで……何をかというと、追加の創作物・制作物で……どこでかというと(どこのものかというと)ロングアイランド島で……もし私が、あることができたら……それは得ることだ……何をかというと、入る権利・立ち入る資格だ……あるもののすべては……それは私が求めるもので……これから伝えることで……それは何かというと、ロングアイランド島の人々が、当然こうしてほしいとマッキー氏が思っていることなのだけど……それは、与えることだ……マッキー氏に……何をかというと、着手・開始・出だしだ……』」
I は(すべて)、⑨の後半に出てきた、Mr. McKee を指すのではないでしょうか? me も同様ではないでしょうか?
that は、「これから文が続く」ことを示し、マッキー氏が求めることが何なのか、具体的に説明しているのではないでしょうか?
they は、漠然とロングアイランド島の人々を指すのではないでしょうか?……今、マッキー氏はロングアイランド島の話をしているようなので……。
⑨でマッキー夫人の言葉を聞き流したマッキー氏――トムに用件を?切り出した?ようです……ロングアイランド島で追加の創作物・制作物を創りたいと思っていると……もし、ロングアイランド島に入る権利?立ち入る資格?を得られればと……そして、マッキー氏が求めるものはただただ、ロングアイランド島の人々にマッキー氏に与えてほしいと……着手・開始すること?出だし?を……どういうことでしょうか?……勝手に行って勝手に撮ったら?と思いそうなところですが、違うのでしょうか?……どうやら、マッキー氏の考えでは、何か人脈?コネ?みたいなもの?でも欲しい?のでしょうか?……マッキー氏に始めさせてほしいと……マッキー氏が求めるのはただそれだけだと……別に一人で勝手に始めたらいいんじゃないか?と思いそうなところですが、マッキー氏はどうやら、ロングアイランド島の人になんらかの形で関わってほしいのでしょうか?……なんでしょうねえ……何を考えているのか……マッキー氏を芸術家の範疇に入る写真家?として手厚く迎えもてなしてほしい?とでも言っている?のでしょうか?……で、それをトムに頼んでいる?と……なるほど……トムが、まるでロングアイランド島の主?大物?権力者?とでも思った?のでしょうか?……キャサリンの写真を撮るよりも大事な用事とは、トムにロングアイランド島を代表する支援者?にでもなってもらいたい?と頼むことだった?のではないでしょうか?……ずいぶん大きく?出ている?……案外、俺様のトムとどっこいどっこい?いい勝負?……自ら、島の代表者の支援を受けるにふさわしい?と宣言したようなもの?ではないでしょうか?……やっぱり、類は友を呼ぶ?……結局、マッキー氏もマッキー夫人も、もちろんウィルソン夫人もトムも、"自己中(心)"でしかない?……(妹のキャサリンはあくまでも姉を立てる?という点で、そして「自分」は周囲の人々をいつでも尊重し立てるという点で、"自己中(心)"の仲間には入らない?でしょうか?)……さて、これを聞いたトム、どう反応するのでしょうか?……。
⑪ “Ask Myrtle," said Tom, breaking into a short shout of laughter as Mrs. Wilson entered with a tray. “She’ll give you a letter of introduction, won’t you Myrtle?"
「『求めろ……マートルに……』と言ったのはトムだった……突然ある状態になった……それは、短く大声で叫んだ状態だ……笑いを……そうやってトムが突然短く大声で叫ぶように笑った状態になったとき、同時に、ウィルソン夫人が、入ってきた……あるものを持って……それは、お盆だ……『マートルがするだろう……与えることを……お前に……手紙・書状を……紹介の……そうするだろう?……お前は……マートル……』」
She は、Mrs. Wilson を指すのではないでしょうか?
最初の you は、⑩でトムに用件を切り出した?らしい、マッキー氏を指すのではないでしょうか?
最後の you は、Mrs. Wilson を指すのではないでしょうか?
⑩でマッキー氏からロングアイランド島での創作を?始めさせてほしいと頼まれたトムは、なんと!ウィルソン夫人に頼めと、答えたようです……まるっきり無視するか聞き流すか、もっと失礼なことでも言うかと思いきや、ウィルソン夫人に頼めと……なんでしょう……トムはいったい、何を思ったのでしょうか?……どういうつもりで、ウィルソン夫人の名前を出したのか……エアカメラの写真撮影でウィルソン夫人とマッキー氏が盛り上がっていた?らしいから、その嫌味?あてつけ?でもあるのでしょうか?……で、まずウィルソン夫人に頼めと短く答えてから、これまた短く突然大声で叫ぶような笑い声を上げた?ようです……で、ちょうどそのタイミングで、ウィルソン夫人がお盆を持って――おそらく氷とミネラルウォーターではないでしょうか?――リビングに入ってきた(戻ってきた)?ようです……で、その姿に気づいた?トムが、続けて、ウィルソン夫人がお前にくれるだろうと、紹介の手紙を……そうだろ?マートル、そうするよな?とウィルソン夫人に同意を求めた?ようです……これまた、絶妙な?タイミングで?ウィルソン夫人が戻ってきた?……さて、戻った途端にいきなりこんな声を――マッキー氏に紹介の手紙を渡してやるだろうと――かけられて、ウィルソン夫人は、どんな反応を見せるのでしょうか?……次回はそこから、みていきたいと思います……。
おつかれさまでした。どうでしたか?
マッキー氏とトムはともかく、ウィルソン夫人の妹キャサリンと「自分」は、けっこうまともな?会話を聞けたと思いませんか?……マッキー氏はどうやら下心があって?ウィルソン夫人の招待に?応じていた?ようです……一方トムは、そんなことはお構いなし?相変わらずの俺様ペース?……でも、考えてみたら、トムは全米でも有名な?アメフト選手だった?はずで、それならトムの写真を撮ってもよさそうなもの?なのに?なぜかそんな話は出てこない?のでしょうか……やっぱり、写真を撮るなら、自ら積極的に志願して?撮って撮ってぜひ撮って!みたいな被写体の方が撮りがいがある?……いやいや、ふざけすぎ?……まあ、マッキー氏も、トムさえ応じてくれれば喜んでトムの写真も撮るのでしょうけど、トムの方がまったくそんな感じ?空気?ではないのでは?ないでしょうか?……もしかしたら、ウィルソン夫人の妹キャサリンの写真を撮ろうという素振りを見せなかったのは、キャサリンが姉のウィルソン夫人のように写真に撮ってもらいたがったりしていないから?その気がない被写体は撮らない?ということもあった?のでしょうか?……なんでしょう……芸術家の範疇に入る写真家?としてのプライド?みたいなものでも?あるのでしょうか?……結局、この点でも、「自分」とウィルソン夫人の妹キャサリン以外の四人――マッキー氏もマッキー夫人もトムもウィルソン夫人もみんな、自らのプライドとか自尊心?にばかりこだわっている?ようにも?思えませんか?……やっぱり、類は友を呼ぶ?……なんでしょう……住む世界は違う?ようですけれど、デイジーやベイカー嬢も、そういう点では似たりよったり?だったり?しませんか?……だから、敵対していても、結局、どっちの女もその取り巻き?も同類?のような?……人間のそういう本質的な部分は、生まれ育ちとか?階級とか?住む世界とか?関係ない?のでしょうか?……どんな生まれ育ちでも?どんな階級でも?住む世界がどんなものであろうとも?自然に “自己中(心)" は “自己中(心)" で集まる?……でも、"自己中(心)" 同士ばかりが集まったら、凄まじい惨事に?なったり?しないでしょうか?……みんな譲らない?から……衝突ばっかり?で……こういう “自己中(心)" ばっかり集めて、作者はいったい何を読者に訴えたいのでしょうか?……そこも意識しながら、先を読み進めていきたいと思います。
さて、今回の考えるヒントに上げたお題 「27ページ末尾から16行目 I’d hate to have him get anything on me. とはどういうことを言っているのか」 ですが……⑦で説明したとおりです。ウィルソン夫人の妹キャサリンは、独身で?ニューヨークという大都会の女性?らしく、女子の友達とホテルに住んでいる?ということのようでした……ということは、それなりに?自立した?女性?ということでしょうか?……お金持ちとはいかない?のだろうけれど?仕事があって?働いて?自らの収入を得ている?……そして、それなりに?生活を楽しんでいる?……それなりに?人生に満足している?……だから?ギャッツビーがお金持ちだという話はあまり興味がなさそうだった?でしょうか?……それよりも、ギャッツビーってのは用心してかからなきゃいけない相手だと思ったと……そっちの方が、キャサリンには重要だったようでした……なんでしょう……ウィルソン夫人は灰の谷での夫との生活におそらく不満がある?ようでした……そして、デイジーも夫のトムに不満を持っていた?ようでした……既婚者の女性がそろって、人生に不満を持っている?ようです……自らの人生を自らの意志や才覚?でコントロールできている?らしい独身のキャサリンは幸せそう?……一方、自らの人生が夫の意志や才覚?に振り回されている?らしい既婚者のウィルソン夫人もデイジーも幸せではなさそう?……なんとも皮肉な?対比?……しかも、ウィルソン夫人は、お金持ちのトムと結婚できれば幸せになれるときっと思っているにちがいない?ようですが、はてさて、はたして本当にお金持ちと結婚しさえすれば幸せになれるのでしょうか?……デイジーは、お金持ちのトムと結婚していますが、どう見ても不幸のようです……ただ、灰の谷で廃業寸前の自動車修理工場・ガソリンスタンドをやっている貧しくて冴えない?ウィルソンでは、お金持ちのトムと結婚する以上に不幸?……単純に考えればそうなる?のかもしれませんが、作者はもしかしたら、お金がありさえすれば幸せになれるっていうのは違うんじゃないかと、言っている?のではないでしょうか?……じゃあ、幸せには何が必要かという話は置いといて、とにかく “お金=幸せ" という発想は違うんじゃないかと、問題提起している?のではないでしょうか?……この小説が出版された1925年頃は、米国が好景気に沸き、拝金主義?に近い風潮も?見られた?かもしれない?……お金さえあれば、という発想で誰もがこぞって目の色を変えてお金を追い求める?……そんな空気が流れていた?かもしれない?……でも、お金ばっかり追いかけて、それで本当に幸せかい?……何か違わないかい?……何か大事なものを見失ってないかい?……作者は、もしかしたら、そんなことを問いかけている?かもしれない?……なんだか、現代の日本人でもまったく違和感のない話?のように感じられませんか?……えっ!いつの時代の話?今じゃなくて?百年前の米国?えっ!日本でも似たような時代があったような?……っていうか、今の時代でもそういう考えって別にめずらしくない?普通にある?ような……なんでしょう……幸せには何が必要かって、難しい命題?なんじゃないでしょうか?……国を問わず?どんな時代でも? “お金=幸せ" っていう発想になりがち?ということ?でしょうか?……。
次回は、取り扱い要注意?みたいな微妙な?話が出てくる?……ぜひまた一緒にみていってください。
第42回の範囲は27ページ末尾から5行目から28ページ20行目途中まで("Do what?" she asked, startled. から、 she exclaimed surprisingly. まで)をみていきます。
次回の考えるヒントは……
- 28ページ19行目 It’d be more discreet to go to Europe. とはどういうことを言っているのか
次回は、ウィルソン夫人の妹キャサリンが大活躍?……ぜひまた一緒に読んでみてください。
最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。
・どうして作者はその言葉を使用したのか
・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか
・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか
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