Gatsby-47
このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。
取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。
ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。
(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)
前回まで……超ご機嫌?なウィルソン夫人の自慢話に拍車がかかって止まらない?……それを黙って聞き流す?周囲の観客も、中にはたまりかねて?寝てしまう人も現れた?ようです……さてこの飲み会、いったいどんな形で終わりを告げるのでしょうか?……続きをみていきましょう。
原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。
第47回の範囲は30ページ末尾から12行目から31ページ11行目途中まで(The little dog was sitting 〜から、continued on out the door. まで)をみていきます。
まず、今回の考えるヒントを上げます。
- 30ページ末尾から10-8行目 People disappeared, reappeared, made plans to go somewhere, and then lost each other, searched for each other, found each other a few feet away. とはどういうことを言っているのか
なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。
主に使用する辞書
『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)
『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)
『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)
それでは今回の範囲をみていきましょう。
① The little dog was sitting on the table looking with blind eyes through the smoke, and from time to time groaning faintly.
「タクシーで来るときに買ってきた犬の子が、座っていた……どこの上にかというと、(ロー)テーブルだ……目線を向けて……何を使ってかというと、目が見えない……両目で……何の間からかというと、(辺りの)煙だ……そうやってタクシーで来るときに買ってきた犬の子が(ロー)テーブルの上に座ったまま、見えない両目で(辺りの)煙の間から目線を向けていた状態で、なおかつ、ときどき……うなった……力なく……」
The little dog は、タクシーで来るときに買ってきた犬の子ではないでしょうか?
前回の最後は、マッキー氏が寝入ったらしい様子が説明されていた?ようでした……そして、今度は、「自分」は、タクシーで来るときに買ってきた犬の子に目を向けた?ようです……その犬の子が、(ロー)テーブルの上に座っていた?ようです……で、まだ目が見えないはずなのに?その見えない両目で?辺りを?見ようとしていた?のでしょうか?……で、その辺りには、煙が充満?していた?のでしょうか?……みんなが吸う?タバコ?のせいでしょうか?……で、ときどき、力なくうなっていた?ようです……なんでしょう……なんだか、居心地悪そう?……タバコ臭いな?……目が見えなくても、煙が目にしみて痛かったり?するのでしょうか?……そして、力が入らないのに?うなっている?……不満があるから?……不機嫌だから?……もう夜も遅かったわけで、犬の子としては、ぐっすり寝られる環境が欲しかった?のかもしれない?でしょうか?……なんにしても、新しい飼い主の元で、決して幸せではない?犬の子の姿が?描かれている?のでしょうか?……その姿を通して?この飲み会も?このトムとウィルソン夫人の二人の部屋も?訪れた人を幸せにはしない?ということでも?暗示していたり?するのでしょうか?……。
② People disappeared, reappeared, made plans to go somewhere, and then lost each other, searched for each other, found each other a few feet away.
「その場にいる人たちは……いなくなって……また現れて……作った・立てた……予定・計画を……何のかというと、行くことだ……どこかへ……そうやっていなくなって、また現れて、どこかへ行く予定・計画を作って・立てた後、今度は、見失った……互いを……探した……何をかというと、互いを……見つけた……互いを……二、三フィート(六十〜九十センチメートル)……離れた……」
今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。
People は、その場にいる人たち、つまり、トム、ウィルソン夫人、「自分」、ウィルソン夫人の妹キャサリン、マッキー氏、マッキー夫人の六人を指すのではないでしょうか?
①でタクシーで来るときに買ってきた犬の子が(ロー)テーブルの上に座っていたと説明していた?ようでした……もし、その(ロー)テーブルが、だいたいリビングの中央に置いてあった?のだとしたら、中心にその犬の子が座って、煙の間から辺りに(見えないはずの?)目を向けながら、ときどき力なくうなっていた?ということになる?でしょうか?……その周囲でしょうか?……その場にいる人たち、つまり、トム、ウィルソン夫人、「自分」、ウィルソン夫人の妹キャサリン、マッキー氏、マッキー夫人の六人が、いなくなって、また現れて、どこかへ行く予定・計画を作って・立てた後、今度は、互いを見失って、互いを探して、二、三フィート(六十〜九十センチメートル)離れたところに互いを見つけた?と……まるで、動かない犬の子を中心に、六人の人間が落ち着きなく?動き回っている?のでしょうか?……しかも、その様子を、犬の子が、見えないはずなのに?その見えない両目で?じっと見ている?のでしょうか?……なんだか、怖くないですか?……まるで、年端もいかない犬の幼子?が、大人のみっともない姿?をじっと見ている?……なんでしょう……犬の子はまだ目が見えないはずだけど?でも心の目でじっと見ているよ?とでも?言いたい?のでしょうか?……そのみっともない大人たちの醜態を?……ちょっと?灰の谷にいた先生と呼ばれている監督?監視?役?のエッケルバーグに似てる?感じも?……辺りはタバコの煙で見にくい?はずだし?……その六人の大人たちは、そうやって犬の子がじっと心の目で?見てるとも知らずに?好き勝手やっている?とでも言いたい?のでしょうか?……あっちで飲んだり?こっちで食べたり?向こうでしゃべったり?また戻ってきて休んだり?……ああしようか?こうしようか?と話しながら?……あれ?どこ行った?さっきまでいたのに?……ああ、なんだそこにいたの……みたいな?……犬の子の目線で見たら?まるでコントみたいな展開が繰り広げられているような?感じ?だった?のでしょうか?……こうなると、舞台に上がっているのは六人の人間全員で?これまで意識してなかった犬の子だけが観客?ってことに?なる?……しかも、偉そうに?犬にエサをやる立場の人間の方が?犬よりも愚かで無様な恥ずべき姿を?その犬の前に?さらしている?……なんでしょう……そんなふうに幾重にも重ねて?作者はそんな人間の姿を皮肉っている?のでしょうか?……これまた?辛辣?でしょうか?……まだ何もわからない幼い者の方が、そしてなおかつ、理性や知性を備えたはずの人間よりも、動物である犬の方が、真っ当な物の道理をちゃんとわかって心得ていたりするんじゃないか?と……成人した人間ほど愚かな生き物はいないんじゃないか?と……幼子や犬でもやらないような羽目を外した行いを、成人した人間はやるじゃないか?と……それでよく大きな顔して生きてられるな?と……恥を知れ?と罵倒すらしている?かもしれない?……厳しい?ですねえ……どんな思いが?作者にそこまで言わせるのでしょうか?……もしかしたら?読者の方の中には?賛同される方も?いらっしゃったりする?でしょうか?……子どもでもやらない犬でもやらない無茶を人間の大人はやる?と……理性がぶっ飛んで?感情に流されて?……何より愚かな者は?力や知恵を持たない子どもでも犬でもなく?力も知恵も持っているはずなのに?その力や知恵を自らの利益のためにばかり用いる人間の大人だと?……自らの欲を満たさんがために?力がなければ振るわなかったであろう力を振るい?知恵がなければ使わなかったであろう知恵を使って?子どもも犬もやらない無茶苦茶を人間の大人はやる?と……なんだか、作者は?ずいぶん?人間に絶望してる?でしょうか?……何度も触れてきましたが、1925年当時の米国は好景気に沸き、拝金主義と言ってもいいような?傾向も見られた?中で?そういう目に余る?姿が作者にはどうにも見過ごせなかった?のでしょうか?……おいおい、本当にそんな体たらくでいいのかよ、と?……なんでしょう……もしかしたら?力や知恵のある強い者が?力も知恵もない弱い者を?食い物にしている?と感じられた?ところも?あった?のでしょうか?……で、それは違うだろ、と?……動物の世界では?弱肉強食?だけど、人間の世界でも、それでいいのか、と?……人間は理性とか知性とか備えていて、思いやりとか持っているはずだろ、と?……だから?ジョン・D・ロックフェラー?なのでしょうか?……ジョン・D・ロックフェラーを手本にしろ、と?……"自己中(心)"とは真逆の心で?力も知恵もない弱い者の力になってやれ、と?……作者は?よっぽど?トムみたいな男に?頭にきた?ことがあった?のでしょうか?……そういう男が許せない?というなんだか強い思い?を感じる?でしょうか?……ちなみに、(ロー)テーブルにじっと?座っていたらしい犬の子は、ときどきうなっていたようでした……何が言いたかったのでしょうねえ……目も見えず口もきけない弱い者でも?ちゃんとわかってるし?ちゃんと気づいてるし?できることなら声を大にして?言いたいことがあるよ?ということでしょうか?……。
③ Some time toward midnight Tom Buchanan and Mrs. Wilson stood face to face discussing, in impassioned voices, whether Mrs. Wilson had any right to mention Daisy’s name.
「とある……時……ある時刻に近いとき……それは、午前零時だ……トム・ブキャナンとウィルソン夫人が……立っていた……向かい合って……話し合って・議論して……ある状態で……それは、熱のこもった声だ……あることかどうか……それは、ウィルソン夫人が、持っていることだ……どのようなものであれ、権利・資格を……何のかというと、触れる・言うことだ……デイジーの名前を……」
Tom Buchanan とフルネームになっているのは、Mrs. Wilson とは夫婦ではないことを強調するため?ではないでしょうか?……同時に、ウィルソン夫人は、トムの妻ではなく、あくまでも情婦なのだと強調されている?のではないでしょうか?
①②でみたような状況の中?午前零時が近づいたとある時に?トムとウィルソン夫人の二人が立って向かい合って話し合って・議論していた?ようです……その様子が、熱のこもった声だった?と……いったい、何を話していたのか?――ウィルソン夫人は、デイジーの名前を言う権利・資格があるかどうかということ?のようです……要は、ヒートアップしていた?……けんか?……それも揉めた理由が、ウィルソン夫人にデイジーの名前を言う権利・資格があるかどうかだと……なんでしょうねえ……ウィルソン夫人も焦りから?でしょうか?……トムがさっさとデイジーと別れてくれないのに業を煮やした?……それで、けしかけた?挑発した?のでしょうか?……トムにデイジーと別れる気があるならば、どうでしょう?……揉めたでしょうか?……別れる気がなくて、うやむやにしたままで、ウィルソン夫人との関係をこのまま続けたい――というのがトムの本音なら?ウィルソン夫人にデイジーの話には触れてほしくない?でしょうか?……だから?揉めた?のでしょうか?……だけど、ウィルソン夫人にしてみれば、もう一刻も早く?夫と分かれてトムと一緒になりたい?……だから、もう必死で?トムに食らいついて?その気持ちを訴えてる?……見方によっては?痛々しい?……トムは本当に?罪作り?……周りの人みーんな泣かして?結局トム自身も泣いている?……作者はいったい、どんな決着をつけるつもりなんでしょうねえ……。
④ “Daisy! Daisy! Daisy!" shouted Mrs. Wilson. “I’ll say it whenever I want to! Daisy! Dai —-“
「『デイジー!デイジー!デイジー!』と叫んだ……ウィルソン夫人が……『私(ウィルソン夫人)は、これからするだろう……何をかというと、言うことを……デイジー!と……あるときにはいつでも……それは、ウィルソン夫人が、あることをしたいときで……何をかというと、デイジー!と言うことだ……デイジー!デイ――』」
I は(すべて)、ウィルソン夫人の話している言葉のようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?
it は、Daisy! を指すのではないでしょうか?
to の後には、say it [Daisy!] が省略されているのではないでしょうか?
③でトムとウィルソン夫人の二人が揉めて、で、④でウィルソン夫人が、デイジー!と何度も繰り返した?ようです……そして、ウィルソン夫人がデイジー!と言いたいときにはいつでもデイジー!と言う?と……それで、またもやデイジー!と繰り返しだしたら、最後まで言わせてもらえなかった?ようです……激しいけんか?……ウィルソン夫人って、気性が激しそう?だから……何がなんでもウィルソン夫人の思いどおりに事を運ぼうとして?無理してる?でしょうか?……だけど、トムの方も、ウィルソン夫人と同じように?なんでもトムの思いどおりに事を運ぼうとして?無理する?人間?でしょうか?……こういう二人がぶつかったら、どうなるのでしょうか?……。
⑤ Making a short deft movement, Tom Buchanan broke her nose with his open hand.
「行って……何をかというと、短い……すばやい……動きで……トム・ブキャナンが、壊した・砕いた・だめにした・痛めた……ウィルソン夫人の鼻を……何でかというと、トムの開いた・広げた手で……」
ここでも Tom Buchanan となっているのは、あくまでも、デイジーの夫であるトム・ブキャナンという意味合いでも?込められている?のではないでしょうか?
her は、③でけんかしていて④でしゃべったウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?
his は、Tom Buchanan を指すのではないでしょうか?
④でウィルソン夫人がデイジー!デイジー!と何度も言い続けていたら、⑤でトムが何やら短いすばやい動きを行った?ようです……そして、ウィルソン夫人の鼻を壊した・砕いた・だめにした・痛めたと……トムの開いた・広げた手で……ぶん殴った?のでしょうか?……トムは女に手を挙げると……えっ?ウィルソン夫人が悪い?……そういうご意見もあるかもしれません……おそらく、反射的に?手が出た?のでしょうか?……ウィルソン夫人も感情的になって?しゃべるのが?トムを責める言葉が?止まらなくなっていた?……そしてトムの方も?感情的になって?暴力沙汰?……気性の荒い?そっくりな?二人が?正面衝突?でしょうか?……そして大事故に?……怖い飲み会ですねえ……だけど、トムって全米最強の?アメフト選手?だったんでしょ?……大丈夫?……腕力なら誰にも負けない?と言ってもいいくらいのがたいの大きな大の男が?女性を殴るのはご法度?とかじゃなくて?……でも、トムの辞書には辛抱とか我慢といった言葉は存在しない?……今までもなんでも?腕力で解決してきた?トムの思いどおりに?……悲惨ですねえ……これが夢にまで見た理想の男性なんでしょうか?本当に……おそらく?ウィルソン夫人がトムとの結婚を持ち出し?早くデイジーと別れてほしいと迫るたびに?こんな暴力沙汰?を繰り返すことに?なるんじゃないでしょうか?……トムとウィルソン夫人の二人の関係は、もうこの時点で?行き詰まってませんか?……そして、トムがデイジーと本気で別れようと思わない限り?トムとウィルソン夫人の二人の関係が打開することはない?んじゃないでしょうか?……ウィルソン夫人、袋小路に入ってませんか?……トムとの結婚という幻にしがみついた?宙ぶらりんの辛い立場に置かれてませんか?……そのこと、誰か教えてあげた方がよくない?……だけど、仮に誰かが教えてあげたとしても、幻想にしがみつきたい?ウィルソン夫人が、はたして聞く耳を持つでしょうか?……本人は幸せだと信じ込んでいる現実が、実は終着点の見えない不毛な関係だということに、気づいていない間は幸せかもしれないけど、それは偽の幸せ?じゃないでしょうか?……だけど、灰の谷の現実なんて?とてもウィルソン夫人には戻れない?耐えられない?……たとえ幻想でも?偽の幸せでも?今のトムとの現実を手放すことなど考えられない?……もうすっぽんのように?しがみついて?何がなんでも?トムとの結婚という現実を手に入れるまで?信じ抜いて?頑張り抜く?しかない?……こういうの、行くも地獄戻るも地獄?っていう?のでしょうか?……ウィルソン夫人って、見方によっては可哀想?……。
⑥ Then there were bloody towels upon the bath-room floor, and women’s voices scolding, and high over the confusion a long broken wail of pain.
「その後、あるものがあった(そこはある状態だった)……血の混じったタオルだ……何の上かというと、バスルーム・化粧室の床だ……血の混じったタオルに加えて、女性の声があった……しかっている……さらに加えて、高いところで……あるものを上回って……それは、その場の混乱だ……長く断続的な泣き叫ぶ声があった……その原因は痛みだ……」
women は、マッキー夫人とキャサリンの二人を指すのではないでしょうか?
⑤でトムが思わず?ぶん殴った?ら、大怪我になった?のではないでしょうか?……バスルーム・化粧室の床の上に血で汚れたタオルが山積み?状態?……そして、女性の声がしかっていると……たぶん、マッキー夫人とキャサリンの二人がトムに声をかけていたのか?……なんてことをするんだ、と?……トムは、顔のど真ん中を思いっきり?ぶっ叩いた?のでしょうか?……本物のアホか?とかあきれられたり?しないでしょうか?……手加減とか程度というものを知らないのか?みたいな?……ウィルソン夫人は、たぶん、鼻血が?出っ放し?なのではないでしょうか?……タオルで押さえても押さえても?後から後から血が出てくる?……いくらなんでも、あんまり可哀想では?……で、そりゃあ、もう、言葉にならないほど痛かった?でしょうか?……鼻も顔ももちろん痛いでしょうけど、何より心が?傷ついた?のでは?……デイジーと別れない上に、どうしてあたしがトムに殴られるのか?訳がわからなかったり?してないでしょうか?……それこそ、もう混乱して?何がなんだか今どこにいるのかさえ定かではないくらいの?動揺とか?動転とか?してても不思議ではない?でしょうか?……ただただ、トムに殴られた、という事実に愕然とし?ショックを受けている?……で、その場の混乱を上回る高いところで?痛みに耐えられず?長く断続的に泣き叫んだ?と……その場が混乱する中にも、特にウィルソン夫人の泣き叫ぶ声が目立った?のではないでしょうか?……それこそ?前回ウィルソン夫人の笑いがリビングに鳴り響くようだったとあったと思いますが、今度は、ウィルソン夫人の泣き叫ぶ声がリビングに?いや、トムとウィルソン夫人の二人の部屋全部に?いや、隣り近所にまで聞こえるほど?泣き叫ぶ声が鳴り響くようだった?のではないでしょうか?……午前零時近くに……凄まじいですねえ……そこまで泣かす?……それこそ、ウィルソン夫人の母親の写真の前で……お母さん、あの世で?どんな思いで見ていたでしょうか?……トムの馬鹿野郎?……そんなものじゃ済まない?……大事な娘に何してくれるか?……あの世から化けて出てやるぞ?とか?……トムは本っ当に!救いがたい?……愚かにもほどがある?……トムからお金取ったら、いったい何が残るのでしょうか?……お金持ってなきゃ、ウィルソン夫人だってトムにしがみついたりしないんじゃない?でしょうか?……金の力は大きい?……だけど、人としての価値がゼロ?マイナス?……いやいや、それは言い過ぎ?……だけど、ジョン・D・ロックフェラーなら、もし全財産を取り上げたとしても、"自己中(心)"とは真逆の心が残るのではないでしょうか?……それこそ、素晴らしい財産?かもしれない?……作者は、もしかしたら?そういうことが?言いたい?のでしょうか?……お金という財産よりも、"自己中(心)"とは真逆の心という財産を持て、と?……。
⑦ Mr. McKee awoke from his doze and started in a daze toward the door.
「マッキー氏が、起きた……何からかというと、マッキー氏の居眠りだ……それから、動き出した……どんな状態でかというと、眩惑状態・呆然自失で……どちらの方にかというと、(リビングの)戸だ……」
his は、Mr. McKee を指すのではないでしょうか?
寝ていたマッキー氏が起きた?ようです……そりゃそうでしょうねえ……そこまでの騒ぎの中、とても寝ていられるとは思えない?でしょうか?……で、起きるには起きたけど?眠りこけたような?状態でしょうか?……その状態のまま?(リビングの)戸の方に向かった?と……なんだかよくわからないけど?無意識のうちに?この騒ぎの中にいてはいけない?とでも思った?のでしょうか?……だとしたら、それは正解じゃないでしょうか?……こんなとこ、長居するものじゃない?でしょうか?……さっさと退散するに限る?……マッキー氏は賢明?じゃないでしょうか?……。
⑧ When he had gone half way he turned around and stared at the scene — his wife and Catherine scolding and consoling as they stumbled here and there among the crowded furniture with articles of aid, and the despairing figure on the couch, bleeding fluently, and trying to spread a copy of TOWN TATTLE over the tapestry scenes of Versailles.
【One More Library の原書データでは、TOWN TATTLE.(ピリオドあり)となっていますが、Scribner の書籍では、TOWN TATTLE(ピリオドなし)が正しいようなので、訂正しておきます。】
「あることが起きたとき、それはマッキー氏が、ある状態になったときで……どんな状態かというと、寝ていた椅子から離れた状態で……どれくらいの距離かというと、(リビングの)戸まで半分ほどのところで……マッキー氏が、向きを変えた……くるりと・百八十度……それから、じっと見た……何をかというと、その場の光景だ――マッキー氏の妻とキャサリンが、しかっていると同時になだめている……そうやってしかっていると同時になだめている状態のときに、マッキー氏の妻とキャサリンが、つまづいた……こちらで……それから・加えて……あちらで……あるものの間で……それは、混み合った家具で……あるものを持って……それは、品物だ……何のかというと、救援・救護・看護だ……それから・加えて……絶望している人物・人の姿が……どこの上にかというと、カウチ・長椅子・寝椅子だ……出血している……よどみなく・流れるように……なおかつ、あることをやろうとしている……それは何かというと、開くことだ……何をかというと、雑誌を一冊だ……何のかというと『街のゴシップ』だ……何の上にかというと、(家具の上にかけてある)タペストリーの光景だ……何のかというと、ヴェルサイユだ……」
he は(すべて)、⑦で出てきた Mr. McKee を指すのではないでしょうか? his も同様ではないでしょうか?
they は、his wife and Catherine を指すのではないでしょうか?
the despairing figure は、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?
⑦で起きて動き出した?マッキー氏が、寝ていた椅子から離れて(リビングの)戸のところまで半分ほど行ったところで、くるりと百八十度向きを変えて、その場の光景をじっと見た?ようです……で、マッキー氏の目に映った光景とは――マッキー氏の妻とキャサリンがしかっていると同時になだめていて、そうしながら、混み合った家具の間でこちらでもあちらでもつまづいていた?と……そして、救援・救護・看護の品物を持っていた?と……そうやってあちこちでつまづきながらしかったりなだめたりしていたマッキー氏の妻とキャサリンの他に、もうひとり、絶望している人物・人の姿があった?と……その人物・人の姿は、カウチ・長椅子・寝椅子の上にいて、よどみなく・流れるように出血していた?と……そんな出血している状態で、『街のゴシップ』という雑誌(一冊)を開こうとしていた?と……(家具の上にかけてある)ヴェルサイユの光景のタペストリーの上に?と……すごいですねえ……マッキー夫人とキャサリンの二人はてんやわんや?……ウィルソン夫人の面倒も見なくちゃだし?トムにもウィルソン夫人にも声をかけなきゃだし?……しかも家具で混み合っててつまづきばっかりする?……そりゃあ大変!……ねえ……で、ウィルソン夫人は血を流しながら?もう絶望しきって?カウチ・長椅子・寝椅子の上にいた?ようです……なぜか『街のゴシップ』という雑誌を開こうとしていた?ようです……どうしてでしょうねえ……ヴェルサイユの光景のタペストリーを汚したくないから?でしょうか?……雑誌で血を受けようと?……いやあ、大変!……病院行かなくていいのでしょうか?……なんでしょう……血を流しながらでも?それでも?ヴェルサイユの光景を守りたい?……それはつまり?ウィルソン夫人の夢にまで見た理想の生活?を守りたい?ということ?なのでしょうか?……ということは?……トムに泣かされても?それでも?トムとウィルソン夫人の二人の部屋での生活を?守りたい?……これからも続けたい?……最後の最終目標?である結婚にこぎつけるまで?貫きたい?……本気でしょうか?……ここまでの目に遭わされても?……それほど、灰の谷での生活がもう嫌?ということ?でしょうか?……もう、トムを怒らせなければいいから?……トムの機嫌さえ損ねなければ?夢のような贅沢な生活ができるから?……あたしさえ気をつければいいことだもの?……トムと別れるなんてありえない?……絶対にトムにしがみついて離れない?……トムにしがみついているのか?それともお金にしがみついているのか?……どっちでもいい?……どっちにしろ、トムはお金持ってるから?……金に目がくらんだ女?と金に物を言わせる男?……別に珍しくもない?……よくある話?……マッキー氏は、この光景を見て、寝ていた間に何があったのか、悟った?のでしょうか?……いずれにしろ、ここにいても仕方がない?……妻に任せておけばいい?……邪魔にならないように消えるのが一番?……。
⑨ Then Mr. McKee turned and continued on out the door.
「その後、マッキー氏は、向きを変えた……そして、(動き)続けた……前方へ……外へと……(リビングの)戸の……」
マッキー氏が、⑧で(リビングの)戸の方に向かっていたのを、途中で足を止めて?くるりと向きを変えて惨事の?あった光景をじっと見た後、またもや、元の向きに戻って?動き出した?ようです……そしてそのまま(リビングの)戸の外へと出た?ようです……退場?ということ?でしょうか?……役者が一人?いや観客?……その両方?……どうやら、ウィルソン夫人の流血沙汰?が、この飲み会の終わりを告げた?ようです……マッキー氏は、⑧で見た光景に、潮時だな?と思った?のでしょうか?……この隙に?……いやいや、そんな……ただ、ウィルソン夫人の気持ちを?考えても?マッキー氏はこの場を辞するのが適切だ?と考えた?のでは?ないでしょうか?……あんな惨事になったら、見られたくない?だろうし、かまわれたくない?だろうし、そっとしておいてほしい?だろうし、いなくなってもらえれば気が楽?だったりする?だろうし、何より、あまりにかわいそすぎて?見てられない?……ところで、トムは何やってるんでしょう?……悪びれもせずに?リビングにいたのでしょうか?……それとも、逃げた?……どっちにしろ、俺様に逆らったから殴ったまでだ?ぐらいにしか思ってない?のでは?ないでしょうか?……俺様の金のおかげで贅沢させてやってんだ?……黙って俺様の言うこと聞いてろ?……金持ってる男にありがち?……いやいや、そういう金持ちの男は偽物?……本物のお金持ちは、ジョン・D・ロックフェラーのように、"自己中(心)"の真逆の心を行いに表す男?……作者は、そう訴えている?……偽物に惑わされるな?……本物になれ?……目指すなら、本物を目指せ、と?……。
おつかれさまでした。どうでしたか?
トムがとうとうやらかした?……いやいや、そのきっかけを作ったのはウィルソン夫人だ?……どうなんでしょう……どっちも?…ですかねえ?……ただ、怪我を負わせるようなことをしたら、ねえ……結局?トムがデイジーと別れる気もないのに?ウィルソン夫人に気を持たせるようなことするから?こんなことになった?という見方も?できる?でしょうか?……トムみたいな人間は本当に性質悪い?と思いませんか?……こういう人間には、できるかぎり関わらないほうがよくないですかねえ?……だけど、それでも、ウィルソン夫人はどうやらトムから離れる気はなさそう?じゃないでしょうか?……泣かされてもまだ、真実が?トムの本当の姿だったり?トムみたいな金持ちの男の実態が?見えてない?からでしょうか?……だからまだ?その程度では懲りない?……おやおや?懲りない女に?懲りない男で?お似合いの?二人?だったり?する?……いやいや、意地が悪い?……この二人は自業自得?でしょうけど?トムの妻デイジーとウィルソン夫人の夫ができるかぎり傷を負わずに済むことを祈るばかり?でしょうか?……。
今回の考えるヒントに上げたお題 「30ページ末尾から10-8行目 People disappeared, reappeared, made plans to go somewhere, and then lost each other, searched for each other, found each other a few feet away. とはどういうことを言っているのか」 ですが……②で説明したとおりです。ものが見えないから何も見えてないと思うのは間違いで?声が聞こえてこないから何も言いたいことがないと思うのは間違いだ?とも?作者は?言いたかったり?する?のでしょうか?……もしかしたら?ジョン・D・ロックフェラーという人は、誰も見てないと思うようなところでも、身を慎んだ行動を取り?、弱くて声を発することさえできないような人にまで心を運び?足を運び?そしてそうした人たちの声に耳を傾けた?のでしょうか?……。
次回は、ほのぼのとした空気が?広がる?……ぜひまた一緒にみていってください。
第48回の範囲は31ページ11行目途中から32ページ7行目まで(Taking my hat from 〜から、over cataracts of foam. まで)をみていきます。
次回の考えるヒントは……
- 31ページ12-13行目 we groaned down in the elevator とはどういうことを言っているのか
次回は、Chapter 3 に入ります。またガラッと場面が変わります。ぜひまた一緒に読んでみてください。
最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。
・どうして作者はその言葉を使用したのか
・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか
・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか
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なお、今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。この連載はだいたい250回くらいになる予定なので、毎回訳文を購読いただいた場合には30回で2万円を超え、トータルでは18万円近くになることをご承知おきください。またいかなる場合も返金には応じられません。また購読いただいた訳文にご満足いただけるとは限らないことをあらかじめご承知おきください。なお、問い合わせなどはご遠慮ください。お断りいたします。