Gatsby-43
このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。
取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。
ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。
(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)
前回まで……なんと!キャサリンのおかげで思いがけない話が「自分」に明かされたようです――トムとウィルソン夫人の二人は、いずれ結婚してまずは米国西部に行くつもりでいると……で、デイジーのことを思ったであろう「自分」は、西部はまずいなと、で、ヨーロッパの方がよくないかと、ひと言忠告?しておいたようです……そうしたら、なぜか話題がヨーロッパに広がりそう?で……続きをみていきましょう。
原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。
第43回の範囲は28ページ20行目途中から29ページ5行目まで("I just got back from 〜から、Myrtle considered. まで)をみていきます。(なお、現代では使われない差別的な語も、原文をそのまま尊重してみていきます。)
まず、今回の考えるヒントを上げます。
- 29ページ 1行目 “Well, I married him," said Myrtle, ambiguously. とはどういうことを言っているのか
なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。
主に使用する辞書
『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)
『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)
『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)
それでは今回の範囲をみていきましょう。
① “I just got back from Monte Carlo." / “Really?" / “Just last year. I went over there with another girl."
「『私は、ちょうど、戻ってきたところだ……どこからかというと、モンテカルロから……』 / 『本当?』 / 『ちょうど昨年だ……私は、行った……遠く離れた……ヨーロッパまで……誰とかというと、(ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う)他の女子と……』」
I は(すべて)、前回の最後にヨーロッパと聞いて驚いたらしい、キャサリンを指すのではないでしょうか?
Monte Carlo は、地中海に面した小さなモナコという国にあり、カジノで有名なようです。
there は、前回の最後に話題に出てきた、Europe を指すのではないでしょうか?
another は、何とは違う「他の」女子を指しているのかというと、たしか第38回(25ページ末尾から16行目)で、キャサリンはホテルで女子の友達と一緒に住んでいると言っていたようだったので、このホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子を指しているのではないでしょうか?
前回の最後に、「自分」が口にしたヨーロッパという言葉にキャサリンが食いつき?話題が変わった?ようです……どうやらキャサリンは、モンテカルロに行っていた?ようです……ちょうど戻ってきたところだと……で、「自分」は、まさかそんな答えが返ってくるとは思っていなかった?のではないでしょうか?……ほとんど反射的に?本当?と聞き返した?……で、キャサリンが、ちょうど去年の話だと……たぶん、ホテルに一緒に住んでいる女子とは違う他の女子と一緒に行ってきた?ようです……思いがけない方向に話が展開している?……このキャサリンの言葉からすると、キャサリンは、けっこう自由に?ヨーロッパにも旅行に行っている?ようです……なんだか、灰の谷にいるお姉ちゃんとはずいぶん違う生活?にも思えませんか?……けっこうゆとりがある?というか……なんでしょう……青春を?謳歌?している?みたいな?……もしかしたら、1925年当時に、二十代後半から三十歳くらいの独身女性が女子だけでニューヨークからヨーロッパに旅行する習慣?風習?文化?みたいなものがあったのでしょうか?……当然、そうした旅行ができるだけの収入も?得られていた?ということでしょうか?……そして、そういう庶民?の働く女性?が普通に?ヨーロッパに旅行に行けるような交通手段?とか環境?とか世間や社会の雰囲気?とかがちゃんと整っていた?ということでしょうか?……もしかしたら、1925年当時の米国は好景気に沸いていたはずで、そのおこぼれ?がキャサリンのような若い女性にまでまわっていた?のでしょうか?……もしそうなら、当時の米国は社会全体に?けっこう富がまわっていた?ということ?でしょうか?……もしそうであるならば、そうした時代背景の中で、ウィルソン夫人の本来の家である灰の谷の自動車修理工場・ガソリンスタンドは、まるで当時の好景気や社会や経済から取り残されたような?落ちこぼれてしまったような?……もしかしたら、そんな感じがしないでも?ないような?……ウィルソン夫人は、妹のキャサリンがそうやってヨーロッパに旅行に行ったりしているのをどんな思いで見ていたでしょうねえ……おそらく如才ない?心得てる?妹がしっかりフォローして?いたのではないかと思われますし?それにやはり妹だから?露骨に口や態度に出したりはしていなかったかもしれないけれど?内心では複雑な思いでいたかも?しれない?のではないでしょうか?……独身のキャサリンは楽しそうじゃないかと?……じゃあ、ウィルソン夫人も妹のように働いて収入を得るか?といったら、事は案外そう簡単な話ではなかった?かもしれない?……でも、とうてい灰の谷での生活という現実には満足などできない?……どうにかしたい?抜け出したい?……そんな中?もしかしたら?トムに出会った?……今の耐え難い現実?から抜け出す希望の光に?……。
② “Stay long?" / “No, we just went to Monte Carlo and back. We went by way of Marseilles. We had over twelve hundred dollars when we started, but we got gypped out of it all in two days in the private rooms.
【One More Library の原書データでは、"Stay long?" で段落が変わっていませんが、Scribner の書籍では、段落が変わっているようなので、訂正しておきます。】
「『(あることをしたのか?……キャサリンは)……滞在すること……(モンテカルロに)……長く?……』 / 『いいえ……(キャサリンは、しなかった……滞在することを……モンテカルロに……長く)……キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、ただ、行っただけだった……どこにかというと、モンテカルロで……そうやってモンテカルロに行っただけで、その後、戻った……キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、行った……どこを通ってかというと、マルセイユだ……キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、持っていた……あるものを超えるものを……それは、千二百ドルだ……いつかというと、キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人が、出発したときだ……そうやってキャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、出発したときには、千二百ドルを超えるお金を持っていたのだから、当然長く滞在したと思われるだろうけど、実際には違って、キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、ある状態になった……それは、ペテンにかけられた・巻き上げられた状態で……完全に……何をかというと、その千二百ドルを超えるお金を……すべて……その期間は、二日間で……何でかというと、私人の・個人所有の部屋で……」
Stay long は、Did you(Catherine) stay there(Monte Carlo) long? などの言葉を省略して言っているのではないでしょうか?
No は、No, I didn’t. などの言葉を省略して言っているのではないでしょうか?
we (We)はすべて、キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人を指しているのではないでしょうか?
Marseilles は、地中海に面したモナコに近いフランスの都市のようです。1925年当時の旅行は、ニューヨークとヨーロッパの間では、どうやらおそらく船旅が通常だった?ようなので、船でニューヨークから大西洋を横断して地中海に入り、そしてマルセイユで船を下りて、陸路でモナコに向かった?ということでしょうか?
it は、over twelve hundred dollars を指すのではないでしょうか?
①でキャサリンがモンテカルロに行ってきたという話を聞いて、そのモンテカルロに長く滞在したのかと「自分」が尋ねたようです……すると、長くはいなかったと……モンテカルロに行って帰っただけだったと……で、旅行の経緯?を話しているようです……まず、マルセイユを通って行ったと……で、出発したときには、千二百ドルを超えるお金を持っていたと……それだけ持って行ってれば、長逗留もできそう?なのに、長くは滞在せずに帰ったと……どうしてか?――ペテンにかけられてお金を巻き上げられたと……それもすべてのお金を完全に……たった二日間で……いったいどうやって?――私人の個人所有の部屋を借りた?のではないでしょうか?……なんでしょう……どうやらホテルに泊まらなかった?のではないでしょうか?……で、普通の個人の家でも借りたのでしょうか?……そしたら、ぼったくられた?というところ?でしょうか?……なんだか、無知で?無垢な?若い女性をかもにした?ということ?でしょうか?……それも異国の地だし……しかも、モンテカルロというところはカジノで有名なようです……なんとなく、賭博というのは詐欺?とかのイメージにつながりやすい?でしょうか?……もしかしたら、ホテルに泊まるより、こんないいことがあるよとかあんないいことがあるよとかうまいこと言われて?口車に乗せられて?普通の個人の家?を借りたら、有り金全部持ってかれた?のでしょうか?……まだ二十代後半か三十歳の若さなのに女性が大金?持って、はるばる米国からモンテカルロまで浮かれて?遊びに来ているぞと、もしかしたら駅とか?で悪いのに目をつけられた?……で、声をかけられた?……で、気づいたらはめられてて?すっからかん?……やっぱり?現実は?時代を問わず?若くてしかも女だとなめられる?バカにされる?……これがもしトムだったら、こんなことになるでしょうか?……(まあ、トムがもしこんな目にあっても、腕力に?訴える?絶対?許さない?かもしれない?)……まあ、人間にはそういう面がある?ということ?でしょうか?……キャサリンがこういうひどい目に遭ったということであれば、姉のウィルソン夫人も気の毒にと思うだけで、そこまで羨ましがらずにすんだ?かもしれない?でしょうか?……さて、キャサリンの話には、まだ続きがあるようです……。
③ We had an awful time getting back, I can tell you. God, how I hated that town!"
「キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人は、持った・過ごした……ひどい時間を……戻ってきながら……私は、あることができる……それは断言する・保証することだ……あなたに……(何をかというと、そうやってひどい時間を過ごして戻ってきたことを)……悲しいかな・けしからん……どれほど、私が、憎んだか……あのモンテカルロの町を……』」
We は、②と同じく、キャサリンと、ホテルで一緒に住んでいる女子とは違う他の女子の二人を指すのではないでしょうか?
I は(すべて)、このセリフをしゃべっている、キャサリンを指すのではないでしょうか?
you は、キャサリンが話している相手、「自分」を指すのではないでしょうか?
I can tell you は、あなたに断言して保証できるほど、本当にひどい目に遭ったのだと、強調するつもりで使われているのではないでしょうか?
God は、God とだけ言ったのかもしれないし、God above (=Good God) のつもりで God だけ言ったのかもしれないという二つの可能性が考えられないでしょうか? どちらにしても、本当に嫌な目に遭ったというたまらない思いをこの言葉で表そうとしているのではないでしょうか?
that は、②で出てきた Monte Carlo を指すのではないでしょうか?
お金をすべて失って、たぶん米国に戻るしかなくなって……で、戻ってくるのもひどい時間だったと……ここで断言して保証できるほど(神様に誓ってもいいわよ?みたいな?感じで?)本当にひどい目に遭ったと……で、キャサリンはきっと、そのときのことをリアルに?思い出した?のではないでしょうか?……God という言葉が口に出てきて(神様に訴えたい?すがりたい?ような気持ち?)……悲しいとか許せない?とかいう感情が湧いてきた?……で、最後に、キャサリンがどれほどあのモンテカルロという町を憎んだかと愚痴?ってる?……そりゃそうでしょうねえ……だって、キャサリンだって、たぶん地道に?コツコツ?働いて?貯めた?お金?で頑張ったご褒美?かどうかわかりませんが、とにかく女子旅?を楽しみに行ったら、行った途端に帰らざるをえなくなったなんて……何も楽しんでないのに……まだこれからだったのに……それも悪い奴のかもにされた?んじゃあねえ……やりきれない?に決まってます……なんでしょうねえ……そこまでの意味はないかもしれませんけれど、ヨーロッパに食い物にされた米国?という見方も?できる?でしょうか?……ヨーロッパは歴史も古くいわば大人?ひいては悪知恵にも長け狡猾?な一面も?……反面、米国は歴史が浅くいわば子ども?知恵が浅く?単純?よく言えば気性が真っ直ぐだけど?思慮が浅く軽率?な一面も?……だから、悪いのに引っかかったら食い物にされる?……それはともかく、こうしてみると、キャサリンが、ヨーロッパの話に食いついた?のは、別にヨーロッパに良い印象を持っているからではなくて、逆にヨーロッパで酷い経験をしたから、その話を「自分」にせずにはいられなかった?のでしょうか?……でもこうなると、お姉ちゃんのウィルソン夫人が、トムと結婚した後にヨーロッパに行く可能性が低くなる?かもしれない?でしょうか?……だって、妹がそんな大金をせしめられたような所は、夫人だって行く気がしない?んじゃない?でしょうか?……そうすると……困りました?ねえ……デイジーが……いやいや、トムとウィルソン夫人が結婚すると決まったわけじゃあない?ですから?……慌てるのは早い?……まだ、わからない?……。
④ The late afternoon sky bloomed in the window for a moment like the blue honey of the Mediterranean — then the shrill voice of Mrs. McKee called me back into the room.
「その日の遅い時間帯の午後の空が、水の華・青粉ができた状態になった……どこでかというと、「自分」の目から見える窓で……いつかというと、少しの間……たとえて言うならどんな様子かというと、青い蜜のような状態で……何のかというと、地中海で――そうやって「自分」の目から見える窓でその日の遅い時間帯の午後の空がまるで地中海の青い蜜のように見える海みたいに少しの間水の華・青粉ができたような状態だった、そのとき、金切り声が……誰のかというと、マッキー夫人で……呼んだ……「自分」を……そして戻した……どこにかというと、そのリビングの部屋の中に……」
キャサリンからモンテカルロでの話を聞かされて、「自分」は、地中海のことを思い出した?のでしょうか?……もしかしたら、地中海を見たことがある?のかもしれません……第一次世界大戦でヨーロッパ大陸に行ったようなことを言っていたようなので……で、その地中海のことを思い出したのは、今いるトムとウィルソン夫人の二人の部屋のリビングから「自分」の目に見える窓の向こうに広がる空?がきっかけのようで……その空の様子が、水の華・青粉ができたような青い蜜のような?ねっとりとした青さ?なのでしょうか?……さらっとしているのではなく、艶があって甘くておいしい青い飴玉でも溶けたような?感じ?でしょうか?……夏の午後遅い時間帯で、鮮やかな濃い青?だったのでしょうか?……で、まあ、そうやって、「自分」の心と思いはすっかり地中海に飛んでいた?……ところが、そうやって、地中海に思いを馳せていた?タイミングで?間の悪いことに?マッキー夫人の金切り声が聞こえたのではないでしょうか?……その声で?地中海から、トムとウィルソン夫人の二人の部屋のリビングに、「自分」の意識が戻らざるをえなくなった?のではないでしょうか?……さて、何事でしょうか?……。
⑤ “I almost made a mistake, too," she declared vigorously.
「『私は、ほとんど、行った・した……間違いを……何か・誰かと同じように……』マッキー夫人が、断言した・言い切った……その様子は、力強い勢いのあるものだ……」
I は、④の最後に出てきたマッキー夫人のセリフのようなので、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?
she は、④で出てきた Mrs. McKee を指すのではないでしょうか?
マッキー夫人は金切り声を張り上げて?いったい何を言っていたのか?……私ももう少しで間違いをするところだったと……私も、ということは、何かと?誰かと?同じように?ということではないでしょうか?……で、そう言うマッキー夫人の様子は、力強く勢いがありきっぱりと断言していた?ようです……これまた、いったい何事でしょうか?……何の話?でしょうか?……。
⑥ “I almost married a little kike who’d been after me for years.
【One More Library の原書データでは、kyke となっているようですが、Scribner の書籍では、kike が正しいようですので、訂正しておきます。】
「『私は、ほとんど、結婚した……小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人は、ある状態だった……それは、後を追いかけることで……誰をかというと、マッキー夫人を……期間は、長年……」
I は、⑤に続いてマッキー夫人がしゃべっているセリフのようなので、マッキー夫人を指すのではないでしょうか? me も同様ではないでしょうか?
who は、直前の a little kike を指すのではないでしょうか? kike というのは、ユダヤ人のことを蔑んで指すときに使われるようです。(今の時代に使う人はいないかもしれない?ようです。)
who’d は、who had を省略した形ではないでしょうか?
マッキー夫人が続けて話しているようです……⑤でもう少しで間違いをするところだったと言っていましたが……その間違いとは何なのか、具体的に説明しているようです……それは、小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人ともう少しで結婚するところだったと……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人は、マッキー夫人のことを長年追いかけていたと……要は、マッキー夫人との結婚を望んでいた人がいて、で、その人ともう少しで結婚するという “間違い" をするところだったと?言っている?のではないでしょうか?……まあ、マッキー夫人は、マッキー氏と結婚していますから、その人とは結婚しなかった?のでしょうねえ……で、マッキー夫人は、その人と結婚することは間違いだと考えていたし?今も考えている?ようです……ということは、おそらく、写真が自慢でたまらない?マッキー氏と結婚してよかった?と思っている?言っている?ようなもの?でしょうか?……で、⑤では、私"も"もう少しで間違いをするところだったと言っていた?ようでした……"も"ということは、何か?あるいは誰か?が同じように間違いをするところだった?ということになるでしょうか?……では、何?あるいは誰?と同じように間違いをするところだった?というのでしょうか?……。
⑦ I knew he was below me. Everybody kept saying to me: 'Lucille, that man’s 'way below you!’
「私は、わかっていた……その小さい・身長の低い・小柄なユダヤ人が……ある状態であったことを……それは、あるものに下回る・届かない・値しない……何にかというと、マッキー夫人だ……みんなが、ずっとあることを継続していた……それは、あることを言うことで……誰にかというと、マッキー夫人で……何をかというと、’ルシール、あの男(小さい・身長の低い・小柄なユダヤ人)は、ある状態だ……はるかに、あるものに下回る・届かない・値しない……何にかというと、あなた(マッキー夫人)だ……’」
I は、⑥に続いてマッキー夫人のセリフのようなので、マッキー夫人を指すのではないでしょうか? me も(すべて)同様ではないでしょうか?
he は、⑥に出てきた a little kike (who’d been after me for years) を指すのではないでしょうか?
that は、⑥に出てきた a little kike (who’d been after me for years) を指すのではないでしょうか?
you は、Ecerybody が me(マッキー夫人)に言っていたセリフのようなので、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?
⑥の話にマッキー夫人が説明を続けているようです……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚することが間違いだと、どうしてマッキー夫人は昔も今も思っているのか?――それは、マッキー夫人がわかっていたからだと……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人がマッキー夫人に下回る・届かない・値しないと……で、おそらく周りの?みんなも?マッキー夫人にずっと言い続けていた?と……あの小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人の男は、はるかにあなたに下回る・届かない・値しないと……要は、合わない?似つかわしくない?ということでしょうか?……マッキー夫人自身もそのことをわかっていた?し、(マッキー夫人の話によれば)マッキー夫人の周りの人たちもみんな、同じように言っていた?と……だから、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚することが間違いなのだ、ということのようです……で、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚するという間違いをもう少しでするところだったと……マッキー夫人"も"……。
⑧ But if I hadn’t met Chester, he’d of got me sure."
「その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚するという間違いをもう少しでするところだったということは、実際にはそんな間違いをすることなく、マッキー氏と結婚したわけで、それならわざわざそうでない場合を考える必要はないのだけど、そこをあえて、もしそうではなかった場合を仮に考えてみるとしたら……もし、私が、ある状態になっていなかったら……それは、会うことで……誰にかというと、チェスター(マッキー氏)で……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人は、こうしていただろうと思うことがあるのだけど……それは、手に入れていたことで……何をかというと、マッキー夫人で……たしかに・本当に・間違いなく……』」
I は、⑦に続いてマッキー夫人のセリフのようなので、マッキー夫人を指しているのではないでしょうか? me も同様ではないでしょうか?
Chester は、第40回(26ページ21行目)第41回(27ページ末尾から13行目)にも出ていたようですが、夫のマッキー氏を指すようです。
he は、⑦と同じように、⑥に出てきた a little kike (who’d been after me for years) を指すのではないでしょうか?
he’d of got は、he would have got と言うべきところが、would have と’d of の発音が似ているため、(マッキー夫人に)学がないことも含めて表す意味で、そういう書き方にしてあるのではないでしょうか?
さらにマッキー夫人が言葉を続けているようです……マッキー夫人は、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人とは結婚しなかったわけですが、それは、マッキー氏と結婚したからで、だから、もうそれ以上別に考える必要はないのだけれど、もし仮に、マッキー氏と出会ってなかったら、と考えた場合には、たしかに間違いなくその小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人がマッキー夫人を手に入れていただろうと……つまり、マッキー夫人が、もしマッキー氏に出会ってなかったら、マッキー夫人が結婚していたのは、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人だっただろうと……で、その結婚は、マッキー夫人に言わせれば、間違いだっただろうと……でも、実際には、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人とは結婚しなかったわけで、だから間違いをしなくてよかったと……そういう話?のようです……結婚にもどうやら二種類ある?……してよかったと思う結婚と、間違えた?失敗した?と思う結婚?……マッキー夫人の結婚は、してよかったと思っている?ようです……では、間違えた?失敗した?と思う結婚?って?……。
⑨"Yes, but listen," said Myrtle Wilson, nodding her head up and down, “at least you didn’t marry him."
「『なるほど……そうやって話を聞いて納得したから何も言うことがないかと思われるかもしれないけどそうではなくて、これから違うことを言うけれども……聞いてほしい……』と言った……マートル・ウィルソンが……頭を縦方向に振っていた……マートル・ウィルソンの頭を……上に…それから…下に……『少なくとも、あなたは、しなかった……結婚することを……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と……』」
her は、Myrtle Wilson を指しているのではないでしょうか? ここで、ウィルソン夫人の名前がフルネームで出てきていますが、ずっとウィルソン夫人が出てきていなかったのと、もしかしたら、あらためて、ウィルソン夫人は、あくまでも夫はウィルソンで、トムではないのだという確認?の意味合い?も込められている?でしょうか?
you は、⑤⑥⑦⑧と話してきたマッキー夫人を指しているのではないでしょうか?
him は、⑦⑧と同じく、⑥で出てきた a little kike (who’d been after me for years) を指しているのではないでしょうか?
⑧でようやくマッキー夫人の話が終わり、今度はウィルソン夫人が話しだした?ようです……まず、マッキー夫人の話をなるほどと受けとめた?上で、今度はウィルソン夫人の方が言いたいことが?あるようです……ただ、ウィルソン夫人にも言いたいことがあるのだけれど、ウィルソン夫人の頭を縦方向に上下に振っている?ということは、マッキー夫人の話に同意?賛成?している?のではないでしょうか?……で、それから、何と言ったか?――少なくとも、マッキー夫人は、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったと……何が言いたいのでしょうか?……先ほど、マッキー夫人は、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったから間違いをしなかった、せずにすんだと、言っていたようでした……ということは、ウィルソン夫人が言いたいのは、マッキー夫人は間違いをしなかった、せずにすんだと、言っている?のでしょうか?……あなたは、そのあなたに合わない似つかわしくない小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったのね……そんな間違いをしなかったのね……なるほど、そんな間違いをせずにすんだのね……そう思いながら?ウィルソン夫人は頭を縦に振っていた?のでしょうか?……で、もしかしたら?マッキー夫人に確認するように?問いかけた?のか口に出して言った?のが、少なくとも、あなたはそのあなたに合わない似つかわしくない小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったのよねと……だから、間違いをしなかった、せずにすんだのよねと……それでいったい、何が言いたいんでしょう?ウィルソン夫人は……。
⑩ “I know I didn’t."
「『私は、わかっている・憶えている……私が、しなかったことを……(結婚すること……その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と……)』」
I は、⑨で話しかけられたらしい、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?
I didn’t の後には、marry him (a little kike (who’d been after me for years)) が省略されているのではないでしょうか?
⑨でウィルソン夫人に確認された?ことについて、答えているようです……マッキー夫人がその小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったことをマッキー夫人は憶えていると……ウィルソン夫人に、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったのよね、と確認されたから?、その小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚しなかったことを憶えているわよ、それでまちがいないわよ、と答えた?のではないでしょうか?……だから何?……どうだっていうの?……なんだか、要領を得ないですねえ……何が言いたいんでしょうか?……。
⑪ “Well, I married him," said Myrtle, ambiguously.
「『さて・ところで……私は、結婚した……彼と……』と言った……マートルが……あいまいに・不明瞭に……」
今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。
I は、ウィルソン夫人のセリフのようなので、ウィルソン夫人を指すのではないでしょうか?
him は、ウィルソン夫人が結婚した相手、つまりウィルソン夫人の夫を指すのではないでしょうか?
ambiguously は、何があいまい・不明瞭なのでしょうか?……それは、him の部分を指しているのではないでしょうか?……要は、誰なのかわからないようにしてしゃべっていることを指しているのではないでしょうか?……さすがに、話の内容が内容だけに、露骨に言うのははばかられる?控えた?ということでしょうか?……でも、誰なのかは誰もがわかりますよね……だって、ウィルソン夫人が結婚した相手は一人しかいない?はずですから……誰もが、あの灰の谷の自動車修理工場・ガソリンスタンドのお店の主のことだとすぐにピンとくる?のではないでしょうか?……。
⑩でマッキー夫人の結婚の話には一段落つけて?話題が変わっている?のでしょうか?……ウィルソン夫人が、自ら、さて・ところで、と切り出しているようです……そして、口にした言葉が、ウィルソン夫人自身は、彼と結婚したと……ウィルソン夫人が結婚した相手といえば、きっと今の夫?のことではないでしょうか?……あの灰の谷の自動車修理工場・ガソリンスタンドのお店をやっているらしい、あの夫……マッキー夫人は、もう少しのところでマッキー夫人に合わない似つかわしくない小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人と結婚するという間違いをするところだったと……でも幸い?マッキー夫人は、そのマッキー夫人に合わない似つかわしくない小さい・身長が低い・小柄なユダヤ人とは結婚せずにすんだと……だから間違えをせずにすんだと……ところで、ウィルソン夫人はどうか?――私は結婚してしまった、彼と……今の夫と……それは間違いだった?……ウィルソン夫人は、今の夫と結婚するという間違いをしたと?……もしかして、ウィルソン夫人はそう言っている?ずっとそのことが言いたかった?のでしょうか?……ということは、⑤の言葉をマッキー夫人が言う前に、もしかして、ウィルソン夫人が、今の夫と結婚するという間違いをしたと?マッキー夫人に言った?のではないでしょうか?……だから、マッキー夫人が、⑤で、私"も"もう少しで間違いをするところだったと、応じた?のではないでしょうか?……マッキー夫人は、ウィルソン夫人の話に合わせて、マッキー夫人自身の結婚の話を⑤⑥⑦⑧としていた?のではないでしょうか?……で、ウィルソン夫人としては、マッキー夫人がウィルソン夫人の話に合わせて、マッキー夫人自身の結婚の話をしてくれているから、黙って?聞いていた?のではないでしょうか?……で、⑧でマッキー夫人の話が終わったところで、⑨でマッキー夫人自身の結婚の話にウィルソン夫人も共感できるところがあったから頭を縦に振っていた?のではないでしょうか?……で、共感できるところがたくさん?あるけれども、ただ、異なる点が一つだけ?ある?……だから、そこのところを、確認した?……マッキー夫人は、マッキー夫人に合わない似つかわしくない男と結婚しなかったのよね、と……さて・ところで、ウィルソン夫人はというと――ウィルソン夫人に合わない?似つかわしくない?(とウィルソン夫人が思っている)男つまり今の夫と結婚してしまった?と……そこがマッキー夫人とウィルソン夫人では異なると……マッキー夫人はもう少しで間違いをするところだったけど、結局間違いをせずにすんだと……一方、ウィルソン夫人は、結婚してしまった……ということは、間違いをしてしまった?と……じゃあ、灰の谷の夫との結婚が間違いだったという根拠は何なのでしょうか?――それは、今のトムとウィルソン夫人の二人の部屋こそが、その根拠?なのでは?ないでしょうか?……ウィルソン夫人にとって、灰の谷のあのお店の家と、このニューヨーク(都市圏)の百五十八丁目にあるアパートの部屋と、どちらでの生活が、正解でしょうか?……暗い地の底?を思わせる?家と、明るい夢のような光り輝く部屋?と、どちらで生活できる結婚が正解でしょうか?……当然?トムとの部屋?……だから、灰の谷にいる今の夫との結婚が、間違っていたという考えに至る?のではないでしょうか?……どうやら、ウィルソン夫人は、お酒が入って?酔いが回って?マッキー夫人に愚痴でも言い出した?のでしょうか?……早くトムと結婚したいのに、デイジーのせいでできない鬱憤?不満?から?そもそもウィルソン夫人が今の夫と結婚したことが間違いだったと?思うようになった?のでしょうか?……で、それを思わず?口にしてしまった?のでしょうか?……自慢の夫に写真の腕を振るわせてくれるならいくらでも合わせてよ?というスタンス?かもしれない?マッキー夫人が、いくらでもウィルソン夫人の気の済むまで?話を合わせて?聞いてくれる?から?……ウィルソン夫人も、望みどおりに事が運ばず随分イライラが募っている?……だから、こんな話になった?のでしょうか?……なんだか、トムを挟んで敵同士の女性がどちらも、イライラしてませんか?……なんでしょう……前回もみましたけど、トムは女性に限らず関わる人たちをイラつかせたり?気を持たせたり?気をもませたり?と、とにかくネガティブな感情を引き起こさせる悪い癖?でもある?ように思われませんか?……どうしてそんなことを?……というのは、もう前回みましたので、繰り返しませんが、ここでもまた、トムの悪い癖があぶり出されている?ように思われませんか?……なんか、トムみたいなのにはできるだけ関わらない方が身のため?みたいな気が?してきませんか?……関わらざるをえないのであれば、関わり方を変える?とか、関わりをできる限り最小限に抑える?とか、何か対策を取らないと?関わってる方の身が持たない?ように思われませんか?……本っ当に!トムって罪作り ⁉ でしょうか?……。
⑫ “And that’s the difference between your case and mine."
「『マッキー夫人は合わない似つかわしくない男と結婚しなかったけれども、ウィルソン夫人は合わない似つかわしくない男と結婚したということは、そうすると、そこが異なるところだ……何の間でかというと……マッキー夫人の場合とウィルソン夫人の場合で……』」
that は、⑪の I married him を指すのではないでしょうか?
your は、ウィルソン夫人が話をしている相手である、マッキー夫人を指すのではないでしょうか?
mine は、このセリフを話している、ウィルソン夫人を指しているのではないでしょうか?
マッキー夫人はマッキー夫人に合わない似つかわしくない男と結婚しなかった……でも、ウィルソン夫人はウィルソン夫人に合わない似つかわしくない(とウィルソン夫人が思っている)男と結婚した……ということは、その点が異なるところだと……マッキー夫人の結婚とウィルソン夫人の結婚の間で……合わない似つかわしくない男と結婚したかしてないか、ただその点(だけ)が異なると言っている?ようですが、でも、その通りであるならば、天と地ほどの開きがないでしょうか?……合わない似つかわしくない男と結婚せず、この人でよかったと思える結婚は、幸せ?でしょうか?……だけど、合わない似つかわしくない男と結婚したら、後悔する?不幸?でしょうか?……その点(だけ)が異なると言っても、大きな大きな決定的?と言ってもいいような?異なり方?ではないでしょうか?……まさしく人生を左右する?決定づける?大きな大きな由々しき異なり方?ではないでしょうか?……もし、本当にウィルソン夫人が思っているとおり、灰の谷の夫との結婚が間違いだった?のであれば……もしかしたら、ウィルソン夫人は、思いどおりにいかないやり場のない思いを、こんな話をすることでごまかしたり?やりすごしたり?していた?のでしょうか?……おかしな言い方?かもしれませんが、ウィルソン夫人もつらい?……だけど、やっぱり?自業自得?……トムも救いがたい?ですけど、ウィルソン夫人も?救いがたい?……じゃあ、デイジーは?……デイジーまで救われない?のでは、あまりにむごい?……どうなんでしょうか?……。
⑬ “Why did you, Myrtle?" demanded Catherine. “Nobody forced you to." / Myrtle considered.
「『どうして、したのか?……あなたは……(結婚することを……彼と)……マートル』と問い詰めたのは、キャサリンだった……『誰もしなかった……何をかというと、強制する・強いることを……あなたに……何をかというと、結婚することを……彼と……』 / マートルが、考えた……」
you は(すべて)、Myrtle と声をかけているようなので、ウィルソン夫人を指しているのではないでしょうか?
Why did you の後には、marry him(今の夫)が省略されているのではないでしょうか?
to の後には、marry him(今の夫)が省略されているのではないでしょうか?
⑫までマッキー夫人とウィルソン夫人が話しているのを、どうやら?横で?黙って?聞いていた?らしい、ウィルソン夫人の妹キャサリンが、口を開いたようです……素朴な疑問でしょうか?……誰もが気になる?聞きたい?……お姉ちゃん、どうして今の夫のウィルソンと結婚したのかと……その訊き方も、けっこう強めだった?有無を言わせぬ感じ?詰問?問い詰める?感じ?鋭いツッコミ?といったところ?でしょうか?……で、さらに追い打ちをかけるように?畳みかけた?のが――誰もお姉ちゃんに今の夫と結婚するように強制しなかったと……ウィルソン夫人は、誰かに無理矢理、今の夫と結婚させられたわけではなかった?ようです……そのことを、妹のキャサリンがズバリと?指摘している?ようです……要は、ウィルソン夫人が、自ら望んで?進んで?今の夫と結婚することに決めて結婚したと?いうことでしょうか?……妹のキャサリンは、誰かに強制されて結婚したんだったら、結婚した後で間違いだったと後悔しても不思議はないと、そう思っている?でしょうか?……だけど、お姉ちゃんは、強制されてないよと……それなのに、結婚した後で間違いだったと後悔するのは変じゃない?おかしくない?と指摘している?のでしょうか?……だったら、結婚前に気づかなかったのか?と……今の夫と結婚する前に、今の夫はお姉ちゃんに合わない似つかわしくないって思わなかったのか?気づかなかったのか?と……マッキー夫人だったら、こんな言葉、たとえ思ったとしても、絶対に言わない?のではないでしょうか?……仲の良い?姉妹だからこそ?遠慮なく言える間柄?だからこそ?……加えて、妹のキャサリンは、おそらく結婚したことがない?のではないでしょうか?……だから、結婚する女性の気持ちがわからない?そういうことに疎い?かもしれない?のではないでしょうか?……また、キャサリンは働いて収入を得て、いわば自立しているわけですが、いわゆる専業主婦?の立場にある場合、人生そのものが?夫に左右される?度合いが非常に強い?でしょうか?……だから、そうした微妙というかいろいろ複雑なものが絡む弱い立場?に立たされた女性の葛藤?だったり簡単に言葉では割り切れない心理?だったり矛盾だらけで場当たり的にころころ変わりうる感情の変化?とかがわからない?想像がつかない?知らない?そうしたものとまるで無縁?かもしれない?……だから、まあ、単純に思ったままを、正論をお姉ちゃんにぶつけた?というところ?でしょうか?……如才ないし?お姉ちゃんのイロハ?なら心得てる?らしいキャサリンでも、そうしたところまでは行き届かない?……こうした類いばっかりは、経験しないかぎり?思い至らない?のでしょうか?……で、妹に痛いところを?突かれて?お姉ちゃんのウィルソン夫人、考えた?ようです……何を?――妹の指摘に対して、何と答えるか?ではないでしょうか?……もしかしたら、ウィルソン夫人自身も意識したことがなかった?考えたことがなかった?のかもしれない?でしょうか?……誰にも強制されなかったのに、どうして今の夫と結婚したのかしら?と……たぶん妹のキャサリンは、当然お姉ちゃんは今の夫のことが好きだったから結婚したのだと思っていた?のではないでしょうか?……それなのに、お姉ちゃんは今、今の夫との結婚が間違いだったと言っている……好きで結婚したんじゃないの?それなのに、なんで今になって?間違いだったとか言うの?みたいな?感じ?でしょうか?……そりゃ、もっと良さそうなの?が現れたからだ?と?……トムとの生活・人生の方が、灰の谷より断然?良さそうだからだ?と?……さあ、どうでしょうか?……妹の鋭い指摘に、ウィルソン夫人がどう答えるのか、次回みていきたいと思います……。
おつかれさまでした。どうでしたか?
前回に続いてさらに、もっとつっこんだ?ウィルソン夫人の本音が?見えてきた?でしょうか?……もう、トムに首ったけ?……夫のウィルソンはほとんど過去の人?もう眼中にない?……今は完全にトムとそのお金?経済力?ニューヨーク百五十八丁目の部屋?に目がくらんで?他のものが目に入らない?……こんな素敵な?トムとの出会いが待っていたなら、ウィルソンなんかと絶対結婚しなかったのに?……これが本音?……トムもたいがいだけど、ウィルソン夫人も一緒?……クズの男にクズの女?……ゲス野郎にゲスの尼?……まあ、こうしたところから、ウィルソン夫人が何を求めて生きているのか、というのが見えてくる?でしょうか?……この時点では、結婚と夫に、経済力だったり裕福な生活だったり?を求めている?でしょうか?……それがたっぷり?ありそうなトムに引かれて、それがない夫のウィルソンに幻滅?している?……なんでしょう……そうしてみると、妹のキャサリンじゃないですけど、ウィルソン夫人はどうして夫のウィルソンと結婚したのでしょうねえ……ウィルソンに何を求めて?結婚したのでしょうか?……というより、ウィルソンと結婚したときは、結婚と夫に何を求めていたのでしょうか?……もし、そのときからお金や富を求めていたのなら、そもそもウィルソンと結婚していたでしょうか?……たしかに、不思議ですねえ……ということは、ウィルソンと結婚したときに結婚と夫に何を求めていたのかはわかりませんが、どうも、結婚した後で、結婚と夫に求めるものが、もしかしたら変わった?のでしょうか?……結婚してみて、お金や富を持たない?ウィルソンとの生活を通して、お金や富を求めるようになった?のでしょうか?……そうすると、ウィルソンとの結婚が間違いだった?としても、それはウィルソンに非はない?でしょうか?……なんでしょう……ウィルソン夫人の、まさしく心変わり?が原因?でしょうか?……それも、別に、ウィルソンの人間性とか性格とかの問題ではない?でしょうか?……ウィルソンは、結婚前も結婚後も、おそらく何も変わっていない?のではないでしょうか?……変わったのは、ウィルソン夫人の方で?、夫人の求めるものが変化したから、ウィルソンとの結婚が間違いだったと思うようになった?のではないでしょうか?……なんでしょうねえ……なんだか、夫のウィルソンの方こそ、ウィルソン夫人と結婚したの、間違っていたんじゃない?でしょうか?……こんな女と?……妻選びを間違えた?……ウィルソンの人柄とか人間性とかウィルソンの良さを認めてくれる女性とか?店が廃業?寸前ならなんとか盛り立てようと力を尽くしてくれるような女性とか?そういう良い?女性を選ぶべきだった?でしょうか?……ところで、ウィルソン夫人、ウィルソンの経済状況とか生活力とかそういうこと、結婚前に確かめなかった?のでしょうか?……どうも間違いは、誰と結婚したかという相手の問題ではなくて、ウィルソン夫人が軽率に?結婚したこと自体?のようにも?思えなくもない?ような?……だけど、恋愛結婚なら、好きよ好きよで盛り上がっちゃって、一気に突っ走って結婚までゴールイン?しちゃったりとか?ありがち?でしょうか?……冷静に確かめるとか考えるとかそんな悠長なことしてられない?……っていうか、そもそもそんなの頭に浮かばない?……だって!もう!ただただ好きで好きでたまらないんだもの ⁉ ……で、よくわかんないうちに?ワーッと結婚して、後からジワーッとゆっくり後悔する?……ウィルソン夫人がもしこのタイプなら、ウィルソンとの結婚だけじゃなくて、トムとの結婚も大丈夫?……思いだけが盛り上がっちゃってたりとかしない?……大丈夫?……今度は間違えないように、慎重に?いろいろ?検討したり?してる?……同じ間違い?繰り返さない?……大丈夫?……この物語、作者が二十九歳のときに書いたようですが、男性なのに?その若さで?よくこんなにも?女性の心理に?通じている?わかっている?……しかも、それを文章にして表現できるなんて……もしかして、家庭問題のお悩み相談とか?やってた?……それくらい、すごくない?ですか?……。
さて、今回の考えるヒントに上げたお題 「29ページ 1行目 “Well, I married him," said Myrtle, ambiguously. とはどういうことを言っているのか」 ですが……⑪で説明したとおりです。前回からずっと、この手の話は、名前を出さずに they とか them とか him とかそんなのばっかりで、内輪だけ?通じるような?話し方になっている?ようです……なんでしょうねえ……場の空気としては、男性もいるけれど、ほぼ女子会のノリ?でしょうか?……こういうとき、男性はどういう気持ちでいるのでしょうねえ……きっと誰を指しているのか、何の話をしているのか、男性もわかっているのではないか?と思われますが、女子がつるんで?こういう話をしているときは、男は黙ってじっとしているに限る?……首を突っ込まず?火の粉が降りかからないように?逃げておくに限る?……見ざる?言わざる?聞かざる?……逆らっても得るものは何もない?……ただただ、嵐が過ぎ去るのを待つように、距離をおいてじっと待つ?……そんな飲み会?楽しい?んでしょうか?……ただ、情報だけは得られる?……聞きたくなくても?聞こうとしなくても?耳に入ってくる?……そして、知りたくもない秘密を?また知ってしまう?……。
次回は、やはりキャサリンの鋭い追及?を受けながらも?ウィルソン夫人が自らの正当性を証明していく?……ぜひまた一緒に読んでみください。
第44回の範囲は29ページ6行目から29ページ末尾から14行目途中まで("I married him because 〜から、good on nothing at all." まで)をみていきます。
次回の考えるヒントは……
- 29ページ 7行目 he knew something about breeding とはどういうことを言っているのか
次回は、またもや「自分」が都合のいいだし?に使われる?……ぜひまた一緒にみていってください。
最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。
・どうして作者はその言葉を使用したのか
・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか
・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか
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