Gatsby-24

このサイトは、英語で書かれた物語を一作品、最初から最後まで少しずつ読んでみようという試みです。

取り上げる作品は『The Great Gatsby』です。100年近く前に米国で出版された小説ですが、現代の日本人にも共感したり心を動かされるところが多々あると思います。

ぜひ一緒に、英語の原書を読んでみませんか。

(なお、このコンテンツはその著作者の解釈に基づくものであり、必ずしも正しいとは限らないことをご承知おきください。)

 

前回まで……「自分」に心を開いて?本心を?打ち明けたらしいデイジー――何よりも聞いてほしかったことは、どうやら娘を出産したときのことのようでした……つまり、娘を出産したときのつらさが、他の何よりも心に強く?重く?残っていた?……デイジーがなんでもかんでも疑い深くなったのは、そのつらい経験が原因なのだと、わかってほしかった?ようです……そのつらい気持ちを一番よく表している言葉を――女に生まれたなら仕方ない、バカな女になるのがせめてものなぐさめだと、「自分」に伝えたようです……何も言わずじっど黙って聞いてくれる a perfect rose の「自分」……本当に、ありがたいでしょうねえ……さて、今回もまだ、デイジーの話が続くようです……さっそくみていきましょう。

 

原文はOne More Libraryの『The Great Gatsby』を使用します。

第24回の範囲は16ページ末尾から18行目から16ページ末尾から5行目まで("You see I think 〜から、she and Tom belonged.まで)をみていきます。

まず、今回の考えるヒントを上げます。

  • 16ページ末尾から13行目 “Sophisticated — God, I’m sophisticated!" とはどういうことを言っているのか

 

なお、特に断っていなければ、基本的に次に上げる辞書の訳語や定義・意味に基づいて説明します。

主に使用する辞書

『リーダーズ英和中辞典(第2版)』(野村恵造)(研究社 2017)

『Pocket Oxford English Dictionary (Eleventh Edition)』(Maurice Waite) (Oxford University Press 2013)

『岩波国語辞典(第七版新版)』(西尾実 岩淵悦太郎 水谷静夫)(岩波書店 2017)

 

それでは今回の範囲をみていきましょう。

① “You see I think everything’s terrible anyhow," she went on in a convinced way.

「『あなたにわかると思うけど、私は思っていることがある……それはとにかく何もかもがひどい有り様だということだ……』そう言ってデイジーは話し続けた……確信を持っている様子で……」

前回に続き、デイジーが話しているようです……。

You は、デイジーが話している相手の「自分」を指すのではないでしょうか?

I は、デイジーのセリフですから、デイジーを指すのではないでしょうか?

she は、前回に続き、話し続けているデイジーを指すのではないでしょうか?

前回の最後に、デイジーの娘が生まれたときにデイジーが口にした言葉を「自分」に伝えることで、デイジーがどんな気持ちでいるのかをわかってもらおうとしていた?ようでした……要は、女に生まれたこと自体が不幸だと、そう思っている?ようでした……いわば、根底から否定している?ようなもので?そんな思いでいるということを伝えたわけだから、きっと「自分」にわかってもらえると思うけど、とにかく何もかもがひどいものだとデイジーは思っている……①ではそう語っているようです……そしてさらに、まだデイジーは言葉を続けるようです……それも、確信を持った言い方?だったようです……

 

② “Everybody thinks so — the most advanced people. And I KNOW. I’ve been everywhere and seen everything and done everything."

「『誰もが思っている……何もかもがひどい有り様だということを……正確に言い直せば、最も進んだ高等な人たちが(何もかもがひどい有り様だと思っている)……そうやって最も進んだ高等な人たちの誰もが何もかもがひどい有り様だと思っているという事実に加えて、私はただ思っているのではなくて、何もかもがひどい有り様だということを私の経験を通して知っている……私はありとあらゆるところに行って、なおかつありとあらゆるものを見て、なおかつありとあらゆることをやった……』」

so は、①に出てきた everything’s terrible anyhow を指しているのではないでしょうか?

the most advanced people の後には、think(s) everything’s terrible anyhow が省略されているのではないでしょうか?

And I KNOW の後には、everything’s terrible anyhow が省略されているのではないでしょうか? また、KNOW がすべて大文字で表してあるのは、デイジーが自らの経験を通して実際に体験として身をもって知っているのだということを強調しようとしているのではないでしょうか?

I は(すべて)、デイジーのセリフなので、デイジーを指すのではないでしょうか?

①でデイジーは、思うようにならない夫のトムのせいで不幸な?出産?(そして結婚?)を経験したところから?とにかく(世の中)何もかもがひどいものだと、そういう結論?判断?をしているようです……自らが不幸だから世の中の何もかもがひどい有り様だと……ちょっと性急?短絡的?にも思えなくもないような……でも、デイジーはその考えに確信を持っているようです……どうしてでしょう?……その理由が②で説明されている?ようです……だってみんな同じようにそう思っているもの――何もかもがひどいものだって……ただし、みんなっていうのは、最も進んだ高等な人たちのことだけどね……最も進んだ高等な人たちは世の中何もかもがひどいことになってる、と思ってるの……しかもね、私の場合は、ただ思ってるんじゃないのよ、私は自らの経験を通して、何もかもがひどいことになってると身をもって知ってるの……私はね、もう行ったことがないところなんてないし、見たことがないものなんてないし、やったことがないことなんてないの……ぜ〜んぶ行きつくして、ぜ〜んぶ見つくして、ぜ〜んぶやりつくしてきたの……その上で、何もかもがひどいものだって言ってるの……どうやらデイジーは、そう主張している?のではないでしょうか……つまり、何もかも知り尽くして何も知らないことがない私が、何もかもがひどいものだと身をもって知っているのだから、何もかもがひどいものだという私の考え(主張)は正しいのだと、そう言いたい?のではないでしょうか……少なくとも、デイジーの世界では、それ以外の答えが見つからないのかも?しれません……。

 

③ Her eyes flashed around her in a defiant way, rather like Tom’s, and she laughed with thrilling scorn.

「デイジーの両目がギラギラと光り、目線がデイジーの周囲に向けられた……その様はけんか腰に見えた……かなりトムの両目の様子に似ていた……そうやって両目をギラギラと光らせ目線を周囲に向けた後、デイジーは笑い声を上げた……恐怖で震えがくるような、同時にバカにしてさげすみあざ笑うような声だった……」

Her は(すべて)、①②と話をしているデイジーを指すのではないでしょうか? she も同様ではないでしょうか?

Tom’s は、(Tom’s) eyes が省略されているのではないでしょうか?

①②で、何もかもがひどいものだと「自分」に愚痴ぐちった?後、デイジーは辺りの様子を見た?ようです……ただ、その様子が普通ではない?……両目がギラギラと光っていて、まるでけんか腰?……で、「自分」の目には、そういえばトムもさっきそうやって同じような目をしてこの辺りを見ていたな……と思った?ようです……「自分」がこの晩、最初にトムとデイジー夫妻宅を訪れたとき、トムが玄関先まで出迎えに来ていました……そのとき(第10回9ページ4行目)、③のデイジーと同じような目の様子になったことがあったようでした……そのときのことを言っているのではないでしょうか?……やっぱり似た者夫婦?(と作者は言いたいのでしょうか?)……そうやって普通じゃない様子で辺りに目線を走らせた後、デイジーは笑い声を上げたようです……その声が、これまた普通じゃない?……聞いている人が恐怖で震えがくるような?同時にバカにしてさげすみあざ笑うような?声だったようです……決して聞いていて気持ちのいいものではないと思われませんか?……なんなんでしょう、デイジー、いったい……なんだか、有色人種に乗っ取られるとかなんとかほざいていたトムと大差ない?ようにも思われませんか?……デイジー個人の経験からいきなり世の中全体の悲観的な?一般論に飛躍している?……うさんくさい?本にかぶれた?トムも、自身の不安を世の中全体の悲観的な?問題提起に飛躍して結びつけていた?ような……しかもこの二人、超がつくほどの大金持ちで毎日遊んで暮らしているようなもの?じゃないでしょうか……なんだか、どう考えても恵まれているとしか思えない二人が、そろって悲観論にはまっている?ような……不思議な珍現象?……見方を変えれば、お金があるのに、不幸?……少なくとも、本人たちは幸せを感じているようには見えない?……。

 

④ “Sophisticated — God, I’m sophisticated!"

「『洗練されて教養があり知識を身につけている(状態)――(神よ)悲しいかな……私は洗練されて教養があり知識を身につけている(状態だ)……』」

今回の考えるヒントに上げた箇所が出てきました。①②に続いて、デイジーが口にした言葉のようです……②で、デイジーはありとあらゆるところに行って、ありとあらゆるものを見て、ありとあらゆることをやってきたと……言いかえれば、デイジーは知らないことがないと、何もかもを知り尽くしていると……ということは、sophisticated 洗練されて教養があり知識を身につけている、ということになるようです……少なくとも、デイジーはそう考えているようです……これって、前回の最後に、たしか、女はバカがいい、と言っていたはずですが、要は、その真逆?ということでしょうか……デイジーは自ら、私って何もかも知っていて、洗練されてて、教養があって、知識を身につけていて、バカじゃないのよね、と自らが賢い?頭がいい?ものをよくわかっている?と自ら認めている?のではないでしょうか……そして、そのことを不幸なことだと思っている?……だから、God という表現を使っている? (God 一語で、Good God! とか My God! とか Oh God! とかと同じような意味を表すようです……)……何もかもがよくわかる…というより、わかりすぎて、わからなくてもいいことまでわかる……だから、世の中のひどい有り様が、何もかもがよくわかる私にはわかる(見える)……だから、不幸だ?……わからなければ、知らずに済むし、知らなければ不幸にはならないのに……わからなければ、幸せだったはずなのに……というのが、デイジーの考え?でしょうか……。

そういえば、②で the most advanced people という言葉が出てきていましたが、いったいどんな人たちなのでしょうねえ……最も進んでいる高等な人……おそらく、トムやデイジーの世界の人?……(第8回8ページ5行目で、ポロ競技をやる人でお金持ちのいるとこならどこでも行った、と言っていましたから)お金持ちで毎日遊んで暮らしてる人たち?……デイジーと同じ悲観論にはまり、トムと同じ悲観論にとびつき、不幸だなんだと騒いでいる?人たち……ああ、知りすぎたばかりに、知らなければよかったのに……何不自由ない暮らしに恵まれていながら不幸ぶってる?人たち……でしょうか?……どう思われますか?……。

 

⑤ The instant her voice broke off, ceasing to compel my attention, my belief, I felt the basic insincerity of what she had said.

「デイジーの声が話すのをやめた瞬間、「自分」に(デイジーの話に)注意しないではいられない力と「自分」に(デイジーの話を)信じないではいられなくする力が働かなくなり、「自分」が感じたものがあったのだけど……それは、根本的に不誠実なものだった……具体的には、デイジーが口にした言葉(話した内容)が根本的に偽り(嘘)だと感じた……」

her は、①②④と話してきたデイジーを指しているのではないでしょうか? she も同様ではないでしょうか?

what は、本来 she had said の後に来るはずなのが、前に引っ張られて出ているようです。

①②では単に、デイジーが出産したときのつらい経験?から悲観的な一般論に飛躍しただけ?という感じでしたが、③からなんだか様子がおかしくなり?④ではなんだか一人で芝居がかっている?……で、⑤でデイジーが話すのをやめたとき、デイジーの声が聞こえなくなったとき、途端に「自分」はデイジーから注意が?意識が?離れた?のでしょうか……デイジーがしゃべり続けている間は、デイジーの話に引きつけられて?聞かずにはいられなかった?そしてデイジーの話を一言一句?信じないではいられなかった?と言っているようです……ところが、デイジーが④の言葉を口にしたのを最後に黙った途端に、「自分」はデイジーの話に興味を失った?デイジーの話を信じなくなった?のでしょうか……そうであるならば、なぜでしょうか?……デイジーが話してきた内容に、デイジーが口にしてきた言葉に、嘘をついている?と感じた?……それも、根底にあるものが、根っこにあるものが嘘、偽りだと……おそらく、④の芝居がかった sophisticated という言葉に、「自分」は信用できないものを感じた?のではないでしょうか……もっといえば、その言葉そのものというよりも、そう言っているデイジーの本心?真意?狙い?にうさんくさいものを感じた?のではないでしょうか……うわつらの言葉は、sophisticated されたばかりに、洗練されて教養にあふれて知識を身につけて何でも知ってしまって…あら、どうしましょ…知りすぎてしまったわ…知りすぎてしまったばかりに、知らなくてもいいことまで知ってしまい…この世の何もかもがひどいものだと、気づいてしまったわ…それもこれもすべて、sophisticated されてしまったばかりに……sophisticated されさえしなければ、知らずにすんだのに…ああ、なんて不幸なの……と、一人で騒いでいる?……それも「自分」という観客を前にして……ひたすらただ黙ってじっと耳を傾け、デイジーに全神経を集中して心に寄り添ってくれている a perfect rose の「自分」を一人で独占して思いのままに不幸なデイジーを演じて見せている?……もしそうだとしたら、そのとおりだとしたら、そしてそのことに「自分」が気づいたとしたら、「自分」はいったいどんな気持ちになるでしょうか?……なんだかバカにされたような、よくわからないけど、何かいい"だし"にされたような、利用されただけのような……デイジーは本気でなぐめてもらいたいとか、助けてもらいたいとか思っていたわけではないのか?…とだまされたような気持ちに?なったりするかも?しれない?……「自分」は真剣に?真摯しんしに?話を聞いてあげていたのに……もし仮にそうであったとしても、デイジーの本心がどうであれ、それでもやっぱり「自分」は a perfect rose であることに変わりはないと思いませんか?……。

 

⑥ It made me uneasy, as though the whole evening had been a trick of some sort to exact a contributory emotion from me.

「(「自分」が感じたところでは)デイジーが口にした言葉に根本的に不誠実で嘘偽りがあることが、「自分」を不安で居心地の悪い思いにさせた……その感じを例えて言うなら、その晩の何もかもすべてが、何か策略……具体的には説明できないけど何かそういうたぐいの計略…卑劣なやり口…だったような……その目的は、無理やり手に入れること……デイジーの利益に寄与するような感情を…デイジーに与える情愛を……「自分」から……」

It は、⑤の最後に出てきた the basic insincerity of what she had said を指しているのではないでしょうか?

デイジーの言葉に嘘がある……そう気づいて、「自分」は不安になった…なんだか落ち着かない?気持ちになった……そりゃそうでしょう……今までの「自分」の誠意?がすべて裏切られたような?気持ちになったりしないでしょうか?……で、そんな居心地の悪い思い?を別の言い方で説明するならば、その晩の何から何まで――デイジーの笑顔も言葉も振る舞いも何もかも?すべて策略だったのか?計略だったのか?デイジーの望みどおりの反応を「自分」から何が何でも得るための……「自分」の同情を引くための……デイジーにはめられた?……そんな気持ちに「自分」はなったのではないでしょうか?……そういう下心を持って同情をひこうとしてわざと哀れに思わせるようなことを言ったりしたりするような類いの行為を一般的に頭に浮かべた上で、ぼんやりと some sort という言葉で表現しているのではないでしょうか?……「自分」にしたら気分が悪いことこの上ないでしょうが、でも「自分」には非はありません……もし本当にそうなら、非があるのはデイジーです……性悪しょうわる性質たち悪?……それだけの話ではないでしょうか?……。

 

⑦ I waited, and sure enough, in a moment she looked at me with an absolute smirk on her lovely face, as if she had asserted her membership in a rather distinguished secret society to which she and Tom belonged.

「自分は(何も言わず、じっとしたまま)待った……そうやって待っていたら、「自分」の予想がずばり的中して、少し間をおいただけで、デイジーは目線を自分の方に向けて、どこからどう見てもすべてが得意げにほくそ笑んだ表情になった……デイジーの美しい可愛らしい愛らしい顔に表れた表情が……その様子はまるで、デイジーが「自分」に認識させようとしているようだった……何を認識させるかというと、デイジーの資格を……どんな資格かというと、相当高名な誰にでも開かれているわけではない極秘の上流社会に属する資格で……そんな相当高名な誰にでも開かれているわけではない極秘の上流社会にデイジーとトムが属していた……」

she と her はすべて、①②③④と同じく、デイジーを指すのではないでしょうか?

which は a rather distinguished secret society を指して言いかえていると思われます。to which は本来 belonged の後に来るはずなのが、前に引っ張られて出ていると思われます。

④の言葉をきっかけに(おそらく、単に言葉だけではなく、言い方とかその様子や雰囲気何もかも含めて全部ひっくるめて)、⑤で不信感を持ち、⑥でどういうことだ?と思いを巡らし?……そして⑦で「自分」は本当のところを見きわめようと、デイジーがどう出るか、じっと待ったようです……そうしたら、「自分」が疑いを持ったとおりだったようです……「自分」を見るデイジーの顔は、どう見ても間違いなく得意げにほくそ笑んだ表情になっていたと……その様子が、「自分」に分からせようとしているように見えたと……その存在をよく知られてはいるけれど、決して誰でも入れるわけではない、ごくごく限られた特別な人だけが入ることのできる閉鎖的な、その中身は入ることが許された人だけにしかわからない特別な上流社会の世界に属する資格をデイジーは持っているのだということを、「自分」にわからせようとしているように見えたと……そんな特別な上流社会の世界にデイジーとトムは属しているのだと……なーんだか、めちゃくちゃ感じ悪くないですか?……嫌味な感じ?……でも、本当に「自分」の感じたとおりなのだとしたら、デイジーはどうしてそんなことをしたのでしょう?……お金持ちで恵まれていて、(まあトムが浮気してて、娘の出産でも放ったらかしにされたことが不満で…などといろいろありますが……)そんな特別な上流社会の世界で幸せに楽しんでおけばいいような気がしますけど、実際には、その世界も別に幸せでも楽しくもないのでしょうか?……デイジーが「自分」にしたことって、(もし「自分」の感じたとおりであれば)、見方によっては弱い者いじめ?みたいにも思えなくもないような……だとしたら、デイジーは弱い者いじめがしたい?弱い者いじめをせずにはいられない?……そんな心境なのでしょうか?……「自分」にデイジーのことをうらやましがらせたい?……どうして?……まるで、デイジーが「自分」を羨ましく思っているから、だから羨ましく思われたくて?そんなことを言った?した?……それとも、別に「自分」が羨ましかったわけでもないけど、とにかく誰でもいいから羨ましいと思わせたかった?……お金持ちで恵まれていても、なんだかそれじゃあ、ねえ……デイジーもトムと一緒?みたいに思えたりしませんか?……心に何か満たされないものを抱えている……そして、デイジーもトムも、その満たされない心を、いったいどうやったら満たせるのか、いったいどうやったら幸せを感じられるのか――その解決法がわからなくて途方に暮れている?……だから、「自分」みたいな善良な善人をおちょくってバカにして喜ぶことで、なんでしょう、気をまぎらわせている?……やり場のない思いを他者ひとにぶつけて(八つ当たり?)やり過ごしている?のでしょうか……。

 

おつかれさまでした。どうでしたか? 

今回はなかなかにわかりにくいところが多かった?かもしれません……。それにしても、デイジー……ずいぶんゆがんでますねえ……。「自分」はいついかなるときも何があっても、いつも変わることなく、a perfect rose ではないでしょうか?……本当に唯一「自分」だけが救い?のような物語ではないでしょうか?……

さて、今回の考えるヒントに上げたお題 「16ページ末尾から13行目 “Sophisticated — God, I’m sophisticated!" とはどういうことを言っているのか」 ですが……④と⑤でも説明したとおりです。そういえば、第17回(13ページ1行目)で、デイジーと話していると「自分」が uncivilized 洗練されていないような気持ちにさせられると、言っていたようでした……だから、デイジーはどうも気取ったところでも?あるのでしょうか……けた違いのお金持ちで毎日遊んで暮らせる人だけが入れる特別な上流社会の人ばかりと付き合っているから、「自分」のようなごく普通の一般人とは何か違う?「自分」に引け目でも感じさせる?ようなところがあるのでしょうか?……で、第17回では、「自分」がそう感じると言っていただけでしたけど、今回の④では、デイジー自らが、デイジー自身のことを、sophisticated だと、私はあなたとは違うのよ、特別な世界の特別な人間、sophisticated の程度が違うのよ、だからあなたにはわからないでしょうけど、私にはわかるの――この世の何もかもがひどいものだと……そう言っている?ようでした……これまた、「自分」の目線で見れば、デイジーも何を一人で騒ぎ立てているんだか……と、「自分」はしらけていたり?しないでしょうか?……結局、やっぱりトムとデイジーは似た者同士で?この夫にしてこの妻あり?この妻にしてこの夫あり?……そんなところ?でしょうか……。

次回は、デイジーと「自分」が二人での話を終えて、トムとベイカー嬢がいる書斎?に向かい合流する?ようです……ぜひまた一緒に続きをみていってください。

 

第25回の範囲は16ページ末尾から4行目から17ページ末尾から20行目まで(Inside, the crimson room 〜から、I had forgotten long ago.まで)をみていきます。

次回の考えるヒントは……

  • 17ページ9-10行目 Her body asserted itself with a restless movement of her knee, とはどういうことを言っているのか

次回はベイカー嬢の正体が明かされる?……楽しみにしていてください。

ぜひまた一緒に読んでみてください。

 

最後に、物語を読むときに心にとめたいポイントをまとめます。

Point

・どうして作者はその言葉を使用したのか

・それぞれの登場人物に作者はどんな役割を割り当てているのか

・それぞれの登場人物のセリフや物語の展開を通じて作者は何を言おうとしているのか

 

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なお、今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。この連載はだいたい250回くらいになる予定なので、毎回訳文を購読いただいた場合には30回で2万円を超え、トータルでは18万円近くになることをご承知おきください。またいかなる場合も返金には応じられません。また購読いただいた訳文にご満足いただけるとは限らないことをあらかじめご承知おきください。なお、問い合わせなどはご遠慮ください。お断りいたします。

今回の範囲の訳文を有料(700円)で掲載いたします。

Posted by preciousgraceful-hm